酒田市長辞職要求騒動:声帯を失った元議員勝訴の裁判例も

2014年12月19日

 声帯を失った人と政治の関わりについては、2012年の名古屋高裁に声帯を失った元議員が勝訴した裁判例がある。声帯を失って発声障害を負った岐阜県中津川市の市議(当時)、小池公夫さんが2006年12月、市議会で代読による発言が認められないのは違法として、市などに1000万円の損害賠償を求めて岐阜地裁に提訴した。1審は市に慰謝料10万円の支払いを命じたが、双方が控訴。2012年に名古屋高裁が「議員としての発言の権利と自由を侵害した」として市に300万円の支払いを命じ、小池さんは上告せず判決が確定した。

 東京都世田谷区の上川あや区議は、山形県酒田市の本間正巳市長への辞職勧告騒動をめぐるツイッター上の議論で、この訴訟を「思い出した」と言及し、市長に辞職勧告決議案を提出しようとした酒田市議会の一部会派の動きを「行き過ぎ」と批判した。【中村美奈子】

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