個人預金頼りの米ウェルズ、時価総額が米史上最高の銀行に
(ブルームバーグ):米銀ウェルズ・ファーゴ が時価総額で世界最高の銀行に上り詰めた背後には、競合大手は好まないが監督当局が支持する低コストで信頼性の高い資金源がある。つまり個人向け (リテール)銀行の預金だ。
ブルームバーグがまとめたデータによると、ウェルズ・ファーゴは資金の78%を預金から得ている。このうち90%は大手金融機関の預金に比べて停留期間が長く、額も低い個人などの預金、いわゆるコア預金だ。ウェルズの預金額は過去7年間で3倍以上に膨らんだ。
ジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)の下で、ウェルズは大手銀の多くが推進するユニバーサルバンキングよりも、地銀で多く見られる個人や企業、不動産融資に注力してきた。ウェルズは今月、米金融史上で最も時価総額が高い銀行となった。これまでの最高はシティグループが01年に記録していた。
シーラ・ベアー前米連邦預金保険公社(FDIC)総裁は電話インタビューで、「消費者密着型の業務を重視する銀行はリターンが高く、コンプライアンスの順守でも問題が少ない」と述べ、「顧客との関係を表すコア預金は非常に安定しており、当局と同様、市場もそのことを評価している」と述べた。
原題:Wells Fargo Rides Retail Deposits to Be Most-Valuable Bank (1)(抜粋)
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更新日時: 2014/12/19 02:42 JST