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日本版告発サイト、2月に開設 ウィキリークスとの違いは

withnews 12月19日(金)21時12分配信

 暗号化によって告発者の匿名性を守り、政府や企業などに関する内部情報を幅広く受け付ける−−。イラク戦争や米国外交公電などの機密を暴いたウィキリークスをはじめ、世界的に増えている「内部告発支援サイト」の日本版が近く開設される。その機能や特徴とは。(古田大輔)

暗号化技術を調査報道に生かす。世界のサイト事例

匿名守り、記者とつなぐ「土管」

 「Whistleblowing(ホイッスルブロウイング).jp」(仮称)を設立するのは、駿河台大経済学部専任講師で暗号化技術に詳しい八田真行氏(35)。19日に早稲田大学でセミナーを開き、その機能や意義を説明した。開設は来年2月を予定しているという。

 このサイトは、ウィキリークスなど世界中の告発サイトが利用している暗号化技術「Tor(トーア)」を用いる。Torとは「The Onion Router(タマネギ・ルーター)」の意味。複数のサーバーを経由して情報をやりとりする際に、サーバーを一つ経由する度に、たまねぎの皮のように送信元のサーバー情報を脱ぎ捨てることで、送信者までサーバーをたどっていくことを防ぐ。Torは、この「階層的暗号化」と他の暗号化技術を組み合わせることで、匿名性を確保しているという。

ウィキリークスとの最大の違いは

 ウィキリークスとの違いは、内部告発者が情報を届ける相手を選べることだ。Whistleblowing.jpでは、ジャーナリストや報道機関にサイトに登録してもらい、内部告発者はその中から情報の送信先を選ぶ。受信したジャーナリストらは各自で裏付け取材をし、報道するかどうか判断する。 

 参考にしたのは、オランダのサイト「Publeaks」だ。約40のメディアと提携。寄せられた情報が報道にいかされている。八田氏は「開設者のジュリアン・アサンジュ氏自身が内部告発情報を公表するウィキリークスと異なり、私がつくるサイトは内部告発者と記者をつなぐ土管。土管の中をどういう情報が流れているかは私もわからないし、あとは記者にまかせる」と話す。

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最終更新:12月19日(金)21時12分

withnews

 

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