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【米・キューバ国交正常化】
中国ショック隠せず 「良き同志」に裏切られ カストロ前議長に孔子平和賞贈ったのに…
【北京=矢板明夫】米国とキューバが国交正常化に向けて交渉をはじめたことについて、中国外務省の秦剛報道官は18日の定例記者会見で「私たちは歓迎する、同時に米国によるキューバへの経済制裁の早期解除を希望する」と平静を装った。しかし近年、中南米の国々と連携を深め、米国と対抗する姿勢を鮮明している中国の習近平政権にとって、米国とキューバの急接近は大きなショックであることは間違いないようだ。ある共産党関係者は「裏切られた思いがある」と話した。
キューバは中国と同じく、世界で残り僅かな社会主義国家の一つであり、同時に、米国と対抗する姿勢を鮮明にする国でもある。習近平国家主席はキューバとの関係を重要視し、7月キューバを訪問した際、中国メディアは中国とキューバの関係を「良き友人、良き同志、良き兄弟」と表現した。習主席はキューバに対し、農業、エネルギー、インフラ整備など多分野での巨額な資金と技術協力を約束した。米国の裏庭に“親中反米”の勢力を育てたいとの狙いがあると指摘されたが、その実現は遠のいたようだ。