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便もれ500万人の衝撃 まさか私が予備軍SP
2014年12月10日放送
重い荷物を持ち上げた瞬間、おならが出てしまったり、お風呂に入ろうと下着を脱いだらシミがついていたり…といった経験はありませんか?
じつは、こういったトラブルは、ただのアクシデントではなく、肛門に異常が起きているサインかもしれないのです!
通常、おならや便の漏れは、肛門ががっちりブロックすることで、未然に防がれます。ところが、たまたま漏れただけだと思って放っておくと、毎日のように便が漏れてしまい、日常生活がまともに送れなくなってしまう場合も。
しかも、この便失禁は、高齢者に限った話ではなく、なんと10代の頃から悩まされている人もいるのです。
今まさに便失禁で生活に支障を来たしている人や、これからが心配な人にも知っておいてほしい、便失禁を招く原因や、なりやすいタイプ、効果抜群の治療法など、最新情報をお伝えします。
夫婦、親子でも言えない悩み
健康に関する悩みといえばさまざまなものがありますが「便の漏れ」って、最も人に言い辛い悩みの一つだと思います。
取材を進める中で、「夫(妻)にも言っていない」「子どもにも相談できない」という悩みの声を多く聞くうちに「もしかすると自分の妻や親も?」と考えるようになりました。
しかも、便失禁になってしまう主な原因は、老化と出産。
多くの方が経験する事なだけに、「自分の身近な人も悩んでいるかもしれない」と、常に自分事に置き換えて番組を制作しました。
微力ですが、この番組をご覧になっていただくことで、一人でも多くの方が、便漏れを改善するための第一歩を踏み出していただけたらと願っています。
我慢できない、排便感覚がない…
便漏れにはさまざまなタイプあり!
ガッテンが2774人の方々に便漏れに関するアンケート調査を行ったところ、なんと9人に1人が年に数回以上便漏れを経験していることがわかりました。
77歳のAさんは、4年ほど前から多いときで週に3回、少ないときで1回くらいのペースで便漏れに悩んでいます。
72歳のBさんはジャム作りの最中、異臭がするので、ふと下を見たら、自分の便が落ちていたそうです。
便漏れを体験した人は高齢者だけではありません。
41歳のCさんは、37歳の頃から便漏れが始まりました。外出中、便意をもよおしてトイレを探しているうちに、我慢できず漏れてしまったそうです。
53歳のDさんは、なんと10代の頃から便もれに悩まされていました。通勤中などにもよおし、トイレに間に合わず下着についてしまうことがあるそうです。
ひと言に便漏れといっても、漏れたことに気づかなかったり、我慢できずに漏れてしまったり、便のかたまりが落ちてしまったりと、その種類はさまざまあります。
便漏れが起きる理由を知るには、まず肛門の働きを知る必要があります。
便が漏れないのは強さと早さを兼ね備える肛門のおかげ!
私たちが便意を感じると、肛門は一瞬で閉まります。その力は、なんとペットボトルがつぶれるほど。
この早さと強さを担っているのが、肛門括約筋という筋肉と、肛門の粘膜にあるセンサーです。
私たちは、便が直腸にたまると「トイレに行きたい」と便意を感じます。ところが、近くにトイレがないときは、肛門括約筋がぎゅっと閉まることでもらさないようにしています。
一方センサーは、直腸にきたものが便なのかどうかをチェックし、その情報を脳を介して肛門括約筋に伝えています。例えば、直腸にきたものが便ではなくおならとわかれば、筋肉を少しだけゆるめる指令を出します。逆に、下痢のようなやわらかい便のときは、0.7秒というスピードで肛門を閉め、もらさないようにしています。
肛門括約筋やセンサーは、老化によって衰えていきます。では、CさんやDさんのような若者や中年の方が、我慢できずにもらしてしまうのは、なぜなのでしょうか?
「出産」時の肛門括約筋の損傷が便失禁の原因だった!?
若者や中年の方の便もれは、肛門括約筋の損傷が原因である場合が少なくありません。筋肉が傷ついたことで力が入らず、肛門の筋力が低下していたのです。
では、そもそも筋肉が損傷したのはなぜなのでしょうか。
それは、「出産」が原因です。
じつは、便失禁に悩む7〜8割は女性と言われています。
出産時、産道と肛門の間にある会陰が裂けてしまう場合があり、その傷が肛門にまで及ぶと肛門括約筋が切れてしまいます。出産時に傷が見つかれば縫うことで治せますが、見過ごされてしまうことがあるのです。
61歳のとき便失禁になったEさんは、病院で肛門括約筋に損傷があると診断されました。Eさんが出産したのは30年以上も前。その期間ずっと損傷に気づかず過ごしていました。若いときは、筋肉が損傷していてもある程度筋力で補えますが、年をとるにつれて筋力が衰えて影響が出始めることがあるのです。
肛門括約筋の損傷は、手術で治すことができます。手術といっても、30分〜1時間で終わり、術後数日で退院可能です。
心当たりのある人は、最寄りの肛門科や大腸肛門科へご相談ください。そこで専門病院への紹介を受けることができます。
最新の治療法がさまざまあり!
便失禁は治せる病気
出産以外の原因で起こるタイプの便失禁には、有効な薬があります。
その名は「ポリカルボフィルカルシウム」という薬で、便をゲル状に固める働きがあります。
高齢者に多く見られる便失禁は、「漏出性便失禁」と呼ばれており、便そのものがやわらかい場合が多いのです。そこで、この薬で便を固めることで、肛門がゆるんでいてももれにくくすることができるのです。
ポリカルボフィルカルシウムは、便を膨張させてもれにくくする効果もあるため、便がポロポロもれる便秘タイプの人にも有効です。
ただしこの薬は、便失禁の薬ではなく、下痢や便秘になりやすい「過敏性腸症候群」という病気を治すための薬なので、過敏性腸症候群の診断がないと処方されません。とは言え、便失禁の人は、過敏性腸症候群を併発している場合が多いので、処方はされやすいと考えられます。
ほかの治療法として「バイオフィードバック療法」があります。これは、肛門にセンサーを入れながら、上手な肛門括約筋の閉め方を訓練する治療法です。この治療を行うと、数ヶ月で改善する場合が多いそうです。
ほかにも、電気で神経を刺激することで肛門の働きを高める「仙骨神経刺激療法」という画期的な治療法もあります。
人には言いにくい「便失禁」ですが、効果の高いさまざまな治療法があるので、勇気を出して受診してみてください。
今回のお役立ち情報
加齢が原因の便失禁について
便がもれないように働く肛門括約筋は、年をとるにつれて衰えていきます。また、肛門の粘膜にあって、直腸にきたものが便なのかどうかをチェックするセンサーも、加齢によって衰えます。そのため、高齢になるほど、便漏れに気づかなかったり、おならと思ったら便だったりするのは、多くの人に起こりうるやむを得ない症状です。
ただ、肛門括約筋やセンサーの衰えが原因の便失禁には、下記のように、有効な治療法がいくつもあるので、勇気を出して専門の病院へご相談ください。
薬による治療
「ポリカルボフィルカルシウム」という薬を飲むことで、便をゲル状に固めます。
高齢者に多く見られる便失禁は、「漏出性便失禁」と呼ばれており、便そのものがゆるむ場合が多いのです。そこで、この薬で便を固めることで、肛門がゆるんでいてももれにくくすることができるのです。
バイオフィードバック療法
肛門にセンサーを入れながら、上手な肛門括約筋の締め方を訓練する治療法です。この治療を行うと数ヶ月で改善する場合が多いそうです
仙骨神経刺激療法
微弱な電流で神経を刺激して、肛門括約筋やセンサーの働きを高める画期的な治療法。今年の4月から保険適用されました。
出産が原因の便失禁について
必ずしも高齢ではない女性が、がまんできずに便がもれてしまう原因の多くは「出産」です。じつは、便失禁に悩む7〜8割は女性と言われています。
出産時、産道と肛門の間にある会陰が裂けてしまう場合があり、その傷が肛門にまで及ぶと肛門括約筋が切れてしまいます。すると、肛門の筋力が低下するため、もれやすくなってしまうのです。なかには、産後、何十年もたってから便失禁に悩まされる場合があります。これは、若いときは筋肉の損傷を筋力で補えたものが、年をとるにつれて筋力が衰えたためと考えられます。
肛門括約筋の損傷は、手術で治すことができます。手術といっても、30分〜1時間で終わるため、術後数日で退院可能です。
どの科を受診したらいいの?
便失禁の治療を行っている専門の病院はまだ数が少ないですが、便失禁に悩んでいたら、まずは最寄りの肛門科・大腸肛門科を受診してみて下さい。そこで専門の病院への紹介を受けることができます。
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