2014年におけるアフィリエイト界隈の話を振り返ってみると、今後この業界の流れを予想する上で重要な出来事が2点あったと思う。
まずはこれらを1つずつ紹介して行く。
SEOにおいてチート(ズル)が出来にくくなった
SEOとは検索エンジンにおける検索結果において、自分のサイトを上位に表示させるための技術を言う。
このSEOにおいて、チート(ズル)が今年になって急速に出来にくくなった。
これは検索エンジンのシェアにおいて、日本で9割程度を誇るGoogleの技術革新によるものが大きい。
つい数年前まではツールなどを使い自動で生成した文章などでもサイトとしてGoogleからは評価されたが、これがコンテンツとしてほとんど評価を受けなくなったのである。
また、ブラックハットと呼ばれる大量のサイトからのリンクや元々評価の高い中古ドメインからのリンクによってサイトを上位表示させる方法も通用しなくなって来ている。
簡単に言うと、一様にチートを用いた検索上位表示が出来なくなっているのだ。
有名アフィリエイターである「さけ茶氏」も今年の夏頃から収益が激減している。
アフィリエイトはオワコン! pic.twitter.com/LwnPVpSHf7
— さけ茶@30日目 -5.9 (@sitotukuruyo) 2014, 12月 12
上の図から支払額と支払月をピックアップすると
2014年3月 356万円(振込済)
2014年4月 223万円(振込済)
2014年5月 289万円(振込済)
2014年6月 195万円(振込済)
2014年7月 350万円(振込済)
2014年8月 164万円(振込済)
2014年9月 20万円(振込済)
2014年10月 22万円(振込済)
2014年11月 102万円(振込済)
2014年12月 37万円(振込予定)
2015年1月 20万円(振込予定)
2015年2月 1万5千円(振込予定)
9月の振込(7月発生分)は1桁減少し、2月振込予定額は12月は半ばとはいえ、厳しい状態だ。
これを公開したさけ茶氏の勇気に乾杯したい。
初夏におけるGoogleからのペナルティの増加。
これは自分の周りにいる友人にも共通していて、今年の5月にパンダ4.0をはじめ、コンテンツの評価に関するアップデートをGoogleがロールアウトし、自動、手動において不正サイトが軒並み検索順位を下げるもしくは圏外に飛ばされたのだ。
もちろん、現在でもブラックハットと呼ばれる手法を用いて検索上位表示を実現している人はいるが、稼げるキーワードで目視する限り、コンテンツ(文章)は時間や労力をしっかりかけて作成している。
最近では多くのブラックハットを用いている人も文章に関しては自分で書いたり、ライターなどに外注している事実が存在する。
完全なブラックハットと言えば、全ての過程をなるべく自動化したものを言うと思うが、数年前までは荒稼ぎ出来たこの方法はもはや通用しなくなっているわけだ。
ブラックハットに関して詳しくない人は、「ブラックハット」のキーワードで上位表示されているブラックハットSEOは終焉を迎えるの記事で基礎から説明しているのでそちらを参考に。
ウェブサイトの高額売買
個人で始めたサイト運営も年間数千万円レベルに稼げるようになれば当然法人化を考える。
税金対策のためだったり、広告のための営業部隊を整えたり、組織化した方がより収益が望めるからだ。
そんなウェブサイト(運営会社)の高額売買が目立ったのも2014年の特徴だった。
上場企業によるサイト運営会社の主な買収事例を上げると
・ドワンゴによるトリスタの買収。「読書メーター」などのサイトを運営 ⇒ 17億円
・DeNAによるiemo、ペロリの買収。「iemo」「MERY(メリー)」を運営 ⇒ 2つ合計50億円
・KDDIによるナターシャの買収。「ナタリー」を運営 ⇒ 買収額は非公開
読者メーターは2010年1月の時点で月間PVがPCと携帯を合わせて740万PV、現在はおそらく数千万PVにまでなっていると思う。
「iemo」「MERY(メリー)」等のネイバーの二番煎じパクリサイトである両者は
「iemo」 月間アクティブユーザ数(MAU)が150万人(2014年9月)。 「MERY」 MAU1200万人(2014年9月)以上。
http://thebridge.jp/2014/10/iemo-and-peroli-are-acquired-by-dena
との事である。
月数千万PVレベルまで成長したウェブサイトに数十億という価値が付いたバブルを予感させる出来事だったと思う。
元々ウェブサイトの買収自体が安く見積もられてきた時代があったけど、これはサイト売買があまり活発でなかったという理由がある。
毎月一定収入のある不動産と同様に、これからはもう少しサイトの売買が活発になるだろう。
資産の活かし方として注目される可能性があるからだ。
現在もサイト売買実績国内最大級【サイトM&A公式サイト】のようなサイト売買を仲介するウェブサイトもある。
月の収入✕10程度が売値の相場のようだ。
今年は目立った大きなサイトの売買がいくつかあったが、来年も大小関わらず、様々なサイト売買が行われるというトレンドに変化はないだろう。
アフィリエイト業界で2015年に起こる事
一般人から見ても、これまでの延長上で来年も予想される事としては
プロブロガーと呼ばれるブログで収益をあげる人が増える
ユーチューバー、ニコニコ生主として生活する人が増える
という事があるだろう。
スマホ環境の整備やネット速度の増加、全国レベル、世界レベルのネットインフラが整う事で、ネット上のトラフィックは今後も増え続ける。
また、個人が広告収入で稼ぐために知っておくべき時代の流れでも述べたように、今は雑誌からネットへのトラフィックの移動が顕著だ。
こうした既存メディアからのトラフィックの移動もネットトラフィックの増加に寄与する。
ネットの世界は、人口が増えない日本においてもトラフィックが増える世界なのだ。
もちろん、トラフィックが増えれば広告収入も増える。
従って、ブログなどのサイト運営者、ユーチューバー等の動画共有サイト全体の収入は来年も増えるだろう。
個人の作業へアフィリエイトからの収入が移る
また、上で述べた自動化により、検索上位表示が難しくなっているという事は、より労力を必要とする事も意味する。
ただ、この労力の増加は今まで収入を独り占めしていたアフィリエイターから、手動でサイトをコツコツ作ってきた個人へ収益が移るということを意味する。
今まで自動化によって人件費をかけずにサイト運営が出来ていたアフィリエイターも外注により個人のライターへお金を払わなければならなくなっているし、ツールなどが使い物にならず、オリジナルコンテンツを作る人が必要とされるようになった。
メールスパムやコメントスパム、ツイッターやFacebookなどソーシャルにおけるスパムも対策が講じられることにより、どんどん儲からなくなって来ている。
こうした収益が人手、要は個人のアナログな作業へ流れていくのである。
従って、今までツールなどプログラムを用いたチートを使わず、個人で労力をかけてサイトを運営してきた人の収益が2015年以降バブルを迎える事になる。
トラフィックの増加だけでなく、こうした不正の是正によっても正直者の収益は増えるのだ。
SEOにおけるスパム行為であるブラックハットを始め、ネットではスパム業者と個人、サービスを提供する法人とで戦いが常に行われている。
スパム行為が難しくなれば、当然今までGoogleのスポットライトが当たらなかった「良質なコンテンツを作成していた個人」がより評価されるようになる。
評価はお金に結びつき、個人レベルで真面目に良質なコンテンツを作っていた人達はバブルを迎える可能性が高い。
注目より「お金」。プロのコンテンツ・メーカーの出現
こうしたコンテンツが評価されるというアナログな時代を迎えるという事は決して良い事ばかりではない。
ニコ生では動画の閲覧者、要はトラフィックが増えた近年になって、目立ちたいがために過激な行動を取る人は増える一方である。
営業中のスタバに爆竹を投げる生主
彼らは収益の事を全く考えていない、そういった意味では「素人な」人達だ。
しかし、コンテンツで集客が可能になり、それが収益に結びつくのであればプロの登場や更なる参入者が増える事も容易に想像できる。
より過激なコンテンツを作成する人も出て来るだろう。
もちろん、こうした収益重視の過激なコンテンツというのは目立ちたいがゆえのコンテンツよりも強いバッシングを受ける。
それは社会的にも、法律的にもである。
ネットは誰でもコンテンツを投稿出来るという点で、既存メディアの中で圧倒的な自由度を誇る。
この自由の中で面白いコンテンツが生まれるのは間違いないが、プロがルールからあえてはみ出てコンテンツを作成し出す流れになると、警察などの公権力が止めないことには大いに暴走することも考えられるだろう。
ユーチューバーやニコ生主などで収益面の強調がされる中で、2015年は注目を集める事が目的ではなく、収益を求めたプロのコンテンツメーカーが問題を起こすような事件が何度か起こるのではないかと予想している。
大学におけるアフィリエイト学部の登場
市場として大きくなれば当然の事ながら、こうしたアフィリエイトにおける教育も盛んになるだろう。
近年、こうしたアフィリエイト関連の高額塾、高額セミナーが多々開催されていて、アフィリエイト業界でも「儲かる分野」とよく言われている。
これはオプトインアフィリエイトと呼ばれるメールアドレスの登録を促すアフィリエイトを見てもわかると思う。
メール1通で千円以上の収益も可能な業界なのだ。
ただ、自分が思うにオプトインアフィリエイトに関しては今年がバブルのピークだったように思える。
正直、メールアドレス1通で1000円以上の報酬を払うのは、リスクと隣り合わせのような気もしなくはないからだ。
もちろん、報酬を一切払わないASPもたくさん経験したが、そうしたASPは元々資金力に不安のあるところだろう。
年末になって案件が非常に少なくなっているが、バブルなオプトインアフィリエイトを始めたいという人はオプトインアフィリエイトで稼ぐ、ASPランキング!の記事も参考に。
こうした高額塾や高額セミナー業者が一番恐れている出来事が遂に2015年起こるのではないかと考えている。
それはこの業界でもっとも重要な「信用」というバックが付いた大学におけるアフィリエイト学部の創設だ。
もちろん、大学は公式にアフィリエイトという言葉は使わず、「ネットマーケティング学部」や「ウェブマーケティング学部」などと名付けるだろうが、カリキュラムに「SEO対策講座Ⅰ」など、明らかにアフィリエイトで収益をあげることを目的とした教科が登場するだろう。
意図はともかくとして、ネットではアフィ学部(通称)などと呼ばれるはずだ。
こうなるとアフィリエイトという怪しげな世界も市民権を得ることになり、一般的にも普及する。
その結果、高額塾や高額セミナーの値段もどんどん下がっていくだろう。
教育業界全体としてはバブルを迎えるが、個々の教育機関は生き残りをかけての競争になる。
2015年のアフィリエイト業界
以上から察するに、2015年のアフィリエイト業界を一言で言うと
バブル
である。
ウェブサイトの価値は今まで以上に高まり、2014年のよりも評価されたサイトの売買が行われるだろう。
まさにお金が不動産に集まったバブル期のような状態だ。
手動のアナログなコンテンツが評価され、個人が得られるお金も増える。
金で動かされる過激なコンテンツメーカーが増える。
そして、教育業界もバブルを迎え、高額塾や高額セミナーの主催者は今まで以上にバブルな「雰囲気を装い」人を集めるようになる。
バブルには踊る人と踊らされる人というのが必ず出て来る。
上で言えば、個人で真っ当に収益をあげる人というのは踊る人だ。
個人のライター、個人のアーティストは違いは出るにせよ、もっと評価される様になるだろう。
過激なコンテンツのメーカーは注目と収益という甘い蜜を吸いながら自ら踊っているように見えるが、結局は規制にぶつかり、残るものはない。
その過程はともかく、結果を見れば、エンターテーメントとして楽しめるのは周りであり、踊らされる人に向かう事になるだろう。
教育業界は色んな意味で踊る人、踊らされる人の分類が難しくなる。
ただ、アフィリエイトが公に認められることで、その胡散臭さに気づかず、これに踊らされる人も出て来るだろう。
そういった意味で、もっともバブル的な胡散臭さがあるのがこの業界かもしれない。
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— ぺぺ波レイ (@peperin_da_yo) 2014, 12月 17
2015年アフィリエイト業界は踊り狂うビッチを周囲に添えてバブルへと向かう。
踊るも踊らされるもあなた次第である。
2014年のオススメアフィリエイトに関しては、2014年稼げるアフィリエイトランキング!の記事を参考に。
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