大韓航空機の離陸遅延騒動を引き起こした同社の趙顕娥(チョ・ヒョンア)前副社長(40)が17日午後、ソウル市麻浦区のソウル西部地検に被疑者として出頭した。
趙前副社長はこの日午後1時48分ごろ、黒塗りの乗用車で検察庁舎前に到着した。車を降りた趙前副社長は、検察庁舎の玄関前で待ち構えていた韓国内外の約150人の報道陣に向かって深々とお辞儀した後、終始うつむいていた。
黒いロングコートに白いマフラー姿の趙前副社長は、7分ほどの間「暴行や暴言の事実を認めるか」「うその証言を指示したことはあるか」などと質問を受けたが、それに答えることはなく「申し訳ありません」と4回繰り返しただけだった。まず、検察の捜査に臨む心境を尋ねた質問に対し「申し訳ありません」とだけ答えた。謝罪が遅れた理由や、国民に伝えたいメッセージについて尋ねた質問にも「申し訳ありません」と答えた。2回目にそう言ったときには涙を流した。「一言だけでも」という記者の質問にもまた「申し訳ありません」と答えたが、報道陣に行く手を阻まれ、しばらくの間検察庁舎に入ることができなかった。
刑事5部がある検察庁舎8階で事情聴取を受けた趙前副社長は、容疑をほとんど否認したという。検察は趙前副社長が、国土交通部(省に相当)の調査や検察の捜査で事実と判明した暴言すらも否認しているため、趙前副社長に対する事前拘束令状(容疑者の身柄を確保できていない状態で捜査機関が裁判所に請求する令状)を請求する方針だという。検察の関係者は「(趙前副社長は)証拠隠滅容疑について最も強く否定している。法律に違反する飛行機の引き返し指示や暴行などの容疑についても概ね否認している」と話した。
一方、ソウル西部地検にはこの日、趙前副社長が出頭する2-3時間前から、大韓航空の社員たちが待機していた。国土交通部の事情聴取(今月12日)に応じたとき、大勢の社員たちが(付き添いのために)動員され物議を醸したが、社員たちはこのことを意識したのか「今回は4人だけで来た。前回はかなり批判されたので」と話した。