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【北朝鮮情勢】
金正日総書記、死亡は長女宅 「命日」前夜、正恩氏の電話に激高
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が2011年12月16日夜に長女の金雪松(ソルソン)氏(39)宅で倒れ、搬送先の平壌近郊の別荘で死亡していた可能性が高いことが、龍谷大学の李相哲教授の研究で明らかになった。脱北した元高官らの証言などから分析した。同月17日朝に視察に向かう列車の中で死亡し、12月17日を「命日」とする北朝鮮の公式発表を覆すもので、金総書記に対する権威付けが大きく揺らぐことになる。(桜井紀雄)
金総書記の警護や健康管理を受け持つ護衛総局(現護衛司令部)元幹部ら韓国に脱北した複数の元高官の証言や、金総書記の死亡に触れた中韓の政府文書を基に李教授が検証を進めた。
それによると、11年12月16日夕、地方視察をとりやめ、平壌市内の雪松氏宅を訪れた金総書記は、娘と酒を飲み、寝室で休んでいた午後8時過ぎに卒倒。直前には三男、金正恩(ジョンウン)第1書記からとみられる電話を受け、激高したともされる。