TBSラジオで月曜日~金曜日に生放送でオンエアーされている「荻上チキ・Session-22」。12月14日の総選挙投開票を前に、荻上チキとゲスト論客が日替わりで各党代表と議論を行った。
11月25日の出演は民主党・海江田万里代表。はたしてどのようなセッションとなったのか?
海江田万里 ―民主党代表― (以下 海江田)
荻上チキ ―番組パーソナリティ/評論家― (以下 チキ)
武田一顕 ―TBSラジオ国会担当記者― (以下 武田)
神保哲生 ―ジャーナリスト― (以下 神保)
南部広美 ―番組アシスタント― (以下 南部)
@ TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」 (2014/12/04)
チキ:
「Session-22」、TBSラジオをキーステーションに荻上チキと。
南部:
南部広美が生放送でお送りしています。
チキ:
ここからは「Main Session」。今夜のテーマはこちらです。
南部:
「総選挙を前に、各党の代表と生セッション―今夜は民主党・海江田万里代表」。
南部:
今月(※11月)21日に衆議院が解散され、12月2日公示、14日の投票日に向けて事実上の選挙戦が始まっています。
野党第一党の民主党は昨日(※11月24日)、衆議院選挙の公約、マニフェスト を発表し、アベノミクスからの転換を全面的に訴えました。また経済や雇用の分野をはじめ、10項目の重点政策を掲げ、経済政策についてはアベノミクスへの対案として、厚く豊かな中間層を復活させると訴え、柔軟な金融政策、人への投資、未来に繋がる成長戦略の3本柱を掲げています。
消費税については引き上げを延期するとした上で、複数の税率の導入や、低所得者対策として、減税と現金支給を組み合わせた、給付付き税額控除の導入を検討すると明記しました。
さらに、集団的自衛権の行使容認について撤回を求めると明記したほか、国会議員定数の削減など、身を切る改革を断行するとして、安倍政権が進める政策への対立軸を強調しました。
2009年に歴史的な政権交代を行った民主党は、野党に転落しておよそ2年。民主党は今回の選挙戦をどのように戦うのでしょうか? 今夜の「Main Session」は、民主党の海江田万里代表を迎え、様々な論点について直接伺っていきたいと思います。
チキ:
はい。19日(※11月)には公明党の山口代表を迎えまして、色々とお話を伺いましたけれども、今回は野党です。民主党の代表、海江田万里さんに伺っていきたいと思いますので、リスナーの皆さんからも質問を募集したいと思います。また電話で直接質問をぶつけたいという方はですね、連絡先も添えていただければと思います。
南部:
お願いします。では、民主党の海江田代表にお話を伺う前に、一足先に、ジャーナリストの神保哲生さん、そしてTBSラジオ国会担当・武田一顕記者にスタジオに入っていただきました。よろしくお願いいたします。
神保:
よろしくお願いします。
武田:
こんばんは。よろしくどうぞ。
チキ:
はい。神保さんは「民主党が約束する99の政策で日本がどうかわるのか」っていう本もありますけど。政権交代前の民主党と、つまり2010年よりも前の民主党と今の民主党の何か違いというのは感じますか?
神保:
前回の選挙であれだけ大きく負けて、その後に各議員が色々と街頭やその他で色んなことを主張してもですね、その内容がどうこう以前の問題として、なかなか聞いてもらえない、足を止めてもらえないという状態がずっと続いていたんですよね。なので、かなり自信喪失というか何をやってもどうもダメそうだっていうような雰囲気というのは、随分長い間ありました。
一方で、民主党にかわって政権についた安倍政権がね、アベノミクスを全面に掲げて、少なくとも最初のうちは株価が上がるということがあって、数字的には上手くいっているように見えた、と。自分たちが駄目だったのに、安倍さんになったら急に上手くいくようになったということで、全く面目ないというような雰囲気は多分にありました。
ただ、やっぱりここにきて、例えばアベノミクスがね、今回増税をそもそも延期してるのをみても分かるように、あまり景気回復は十分できていないとか、あるいは。円安だけは進んだけれども、実際は輸出はあまり増えていないとか、賃金も下がっているとかっていうようなことが、段々ここにきて出てきて、ようやく元気を取り戻しつつあるような感じはありますね。
チキ:
民主党が?
神保:
民主党が。ただ。有権者はまだまだ厳しい目で見てるんではないかなと思うんで、今日マニフェストの話も出ると思うんですけどね、その中身がどうこうっていうのももちろん大事なんだけども、仮にその中身が良いものであったとしても、果たしてそれをちゃんと聞いてもらえるか、それをきちんと中身まで評価してもらえるかどうかっていうようなところが、今回の選挙では民主党にとっては一番大きな壁というか課題になってるのかなというのが、僕の今のところの正直な感想ですね。
チキ:
なるほど。民主党の時は過去の民主党そのものだっていうような。
神保:
上手いですね。そんなところがあるんじゃないかと思うんですね。
チキ:
今挙げたげた数字の話ですと、安倍政権側が主張する数字と民主党側が主張する数字では、数字の意味もまた違ってくると思うわけですね。今回のアベノミクスの失敗ということなのか、そもそも5%から8%に上げた消費税の増税ということも含めてその部分こそが問題で、他は上手くいっているんだと安倍政権は言うわけですけれども、その辺りについて民主党がどう見てるのかっていうのは、1つのポイントになりそうですね。
神保:
1つのポイントだし、それから後で出てくるかもしれない、中間層っていうものをね、「分厚い中間層」っていう言葉を使っているんだけれども。
それこそアメリカの暴動からも分かる通り、アメリカは中間層が細くなってほとんどなくなってしまっている、と。アメリカの豊かさの象徴はスーパーリッチじゃなくて、郊外で車を2台・3台持って普通に豊かに暮らしす中間層なのに、そこが丸々抜てしまった、と。
チキ:
「一般市民だ」と。
神保:
日本もしっかりアメリカのあとを追随してるような状態にあるので、それに対して一矢報いるっていうようなことを打ってきているんだけど、実際にはそれが見事に成功している国っていうのはあまりないわけですね。その意味でも、自信がないと言いながらも、結構野生的な政策パッケージを出してきてるんじゃないかと思いますね。
チキ:
なるほど。武田さんは、現在の民主党の立場について、いかがですか?
武田:
まず、おさらいをしておくと、衆議院は解散時の議席総数は480議席でしたね。その中の60議席が民主党の議席でした。もちろん2009年から2012年まで民主党は政権政党でしたから、2012年の解散時260議席、過半数あったんですが、それが現状では60議席に激減してしまった。
しかし、衆参、参議院も含めてですね、今も野党第一党ですから、今度は0増5減で、今回、衆議院の議席数475議席を争うわけですけれども、その中で民主党がどれだけ議席数を占めることができるのかということが焦点になります。
チキ:
なるほど。武田さんは今日はどの辺りの話を特に海江田代表に聞きたいなと思っていますか?
武田:
私はもちろん消費税ですね。それから、集団的自衛権なんかもマニフェストにあるところもお聞きしたいですし、それから、政治全体の中で、代表として民主党をどのように運営していくのか、どこに持っていくのか、どういう形にしたいのか、というようなことをお聞きしたいと考えています。
チキ:
なるほど。神保さんはどうですか?
神保:
僕はやっぱりさっきの1点ですね。ある意味で民主党はアイデンティティ・クライシスのようなものに陥ったわけですよ、前回の敗北でね。それで、その後2年間それを再構築してきたはずなので、まずそれが何なのかっていうのが1つ。
ただ、今度どうやってそれを有権者に聞いてもらって理解してもらって受け入れてもらうのか? ただそれを言ってもですね、「また言っているだけだろう」と言われたそれで終わりなわけですよ。なので、そこをどうやって説得しようとしてるのか、その辺をぜひ聞きたいですね。
チキ:
リスナーの方からのメールでもですね、ネット選挙はどうなんですかとか、具体的な質問が来ていますので、その辺りも伺っていきます。それでは早速、民主党代表の海江田さんに入っていただきたいと思います。
チキ:
というわけで、民主党の海江田万里代表に入っていただきました。よろしくお願いします。
海江田:
はい。こんばんは。よろしくお願いします。
南部:
よろしくお願いします。では海江田代表のプロフィールを紹介いたします。海江田万里さんは1949年生まれ。お名前の「万里」は「万里の長城」にちなんでつけられたということです。経済評論家などを経て、1993年に日本新党から衆議院選挙に立候補し当選。その後民主党に参加し、2009年の政権交代後は経済産業大臣として東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故の対応などにあたりました。2012年に下野して、民主党の新たな代表に就任なさいました。
チキ:
はい。この代表としての2年間というのはどうでしたか?
海江田:
いやー、これは茨の道でしたね、はっきり言ってね。
チキ:
逆風を感じ続けましたか?
海江田:
続けましたね。特に去年の参議院の選挙の時はね、やっぱりきつかったですね。
チキ:
その風は変わってるなと感じる点はあったりしますか?
海江田:
さっきも少し話に出ていたようですけど、いま民主党が何を言うんだろうかと耳を傾けてもらえるようになったということは確かですね。去年なんかは、何を言っても、演説をしてても、通り過ぎる、素通りで。そこは少し変わってきたなということですね。
チキ:
さて、今回の選挙で何を訴えていくのかという話を今日は伺いたいと思うんですけれども。番組では恒例です。議員の方がお越しになった場合にはですね、1分間のアピールタイムといいますか主張を述べていただきたいと思います。そして、それからですね、色々な質問を投げかけていきたいと思いますので、よろしくお願いします。では、まずは民主党が今回の選挙で訴えたいこと、1分間でお話をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
海江田:
安倍総理は今度の選挙でアベノミクスについて評価を審判を受けたいということですけれども。私たちはアベノミクスに対する批判、これを正面に据えていくつもりであります。
安倍さんの2年間というのは、確かに株価は上がりました。それから、いくつか雇用が増えたとかいうことがありますけれども、雇用は増えてもそれは非正規の働き手たちが増えたわけで、正規の雇用者はこの間9万人減っています。
それから格差の拡大ですね。これは実は先進国全ての国が一番大きな問題で、どうやって格差を是正をしていくか、それから、日本の場合は子どもの貧困化というか貧困率っていうのも6人に1人くらいという数字もありまして非常に高いわけですから。格差の拡大の固定化をどうやってそれをストップをかけるかということが、経済面では大きな点になろうかと思います。私たちは格差を是正したい。貧困は固定させてはいけないということを掲げていきます。
チキ:
安倍政権の中だと格差が広がった。そのあたりに対して手当てをできるのは民主党しかないというようなスタンスだということですね。
今日は「会見モード」ですので、色々と質問を投げていきたいを思いますけれども、まずは幹事者ということで、私・荻上チキから質問したいと思いますが。
「アベノミクスと対抗する」という話がありました。アベノミクスは3本の矢というものを掲げていまして、第1の矢というのが脱デフレのための異次元の金融緩和というものを掲げています。これは2%の物価上昇の目標指数をしっかりと定めて、そこにちゃんとコミットしていくんだということを宣言した。こうしたことをした安倍政権が、政権をとる前から、選挙で勝ったタイミングから、物価上昇というのは続いてきてるわけですよね。
民主党が政権をとった場合には、この金融緩和はやめるんですか?
海江田:
やめるということではありません。
ただ、今の話の中で1つ大事なポイントは、2%に上げるということを言いましたけど、黒田さんの最初の会見ですけど、「2」という数字に非常にこだわりまして、「2年で2%」ということを言ったわけですね。それから1年10か月、11か月が経って、実はまだ2%達成できていないんですね。
ところが、この間の非常に急激な円安、とりわけ10月31日、これはハロウィンでしたから「ハロウィンショック」のようなところがあるんですけど、また再び異次元の金融緩和、と。
チキ:
サプライズで。
海江田:
サプライズでね。それによって株価も大きく上がりましたし円が安くなった。実は今日、日銀の黒田総裁がですね、関西の方で講演してるんですけども。それからもう1つは、10月31日の金融政策の決定会合の要旨が発表になりましたけれども。やっぱり賛成反対が5対4だった、と。最後に黒田さんが1票投じて賛成ということになったんですけれども。
やっぱりこの副作用ですね。これがですね、かなり深刻なものになりつつある。物価を押し上げる。輸入食料品だとか輸入品が高くなって、特に家計を脅かしているということが1つ。
それからもう1つはですね、中小企業もですね、まだ目立ちませんけれども円安倒産というところが結構増えているんですよ。これは帝国データバンクのデータですけど、今年の1月から10月までのデータで去年と比べると、2.8倍増えているんですよ。
だから、そういう意味では、異次元の金融緩和、しかも2回やって、はたして本当にこれで「2年で2%」ということができるんだろうか? 僕たちは「柔軟な金融政策」ということを言っているんですけど。
チキ:
フレーズには「柔軟」とついてますけれども、具体的にどうなのかって。
海江田:
2年で2%ということね。特に去年の4月からですけれども。本当にそれができるのかな、と。むしろ副作用が多いから、それについてはもう少し時間軸といいますかね、例えば時間軸をもう少し取っても言いんじゃないか、と。
チキ:
長いスパンでということですか?
海江田:
はい。そういうことですね。
チキ:
ただ、民主党政権の時にもですね、それからその前の自民党政権の時には、ずっと日本はデフレに苦しんできた歴史があるわけですね、この10数年間と。それに対して、今よりはゆっくりのペースにしますよというふうに宣言して、仮にそれを政権の側が宣言した場合には、一気に脱デフレの気温が下がるんじゃないかという懸念についてはいかがでしょうか?
海江田:
いや。そこはですね、金融緩和から金融の引き締めといいますか、ここへ至るプロセスは非常に難しいんですよ。アメリカなんかもそれを今、悩みつつやっているわけですから。だから今ここで出口を言う時期じゃないという認識は同じなんですね。これは全くね。
ただ、私たちは物価を上げていく、デフレを克服していくプロセスって2つのプロセスがある。これはもう皆さんご存知だろうと思いますけど、今回の黒田さんがやった日銀の金融緩和。円安にして、コストが上がっていく、と。コストが上がるから色んなモノの値段を上げざるを得ないという、これはコストプッシュのインフレね、物価上昇と。もう1つはデマンドプルといって、みんなが豊かになったから需要が拡大していく、と。需要が拡大をすることによって物価が上がっていく、と。この2つの経路があるんですね。
私たちはやっぱり需要が拡大をすることによって、みんなが物を買ったりサービスを受けたりすることによって、段々値段が上がっていく、と。そっちのほうで行こうというのが最初からの考え方ですから。
チキ:
雇用を増やす、需要を増やすという政策が自分たちのメインだ、と。むしろそっちが第1の矢にあたるんだというようなことが民主党プランだということですね。
海江田:
デフレには少し時間がかかりますけれども、一過性で今の異次元の金融緩和というのはね、カンフル剤ですし点滴ですよ。その点滴を2度も打ったわけですからね。体力はかなり落ちる。体力が落ちるというのは、日銀の資産の中身をかなりおかしくなってますから。
日本銀行というのは「ラストリゾート」といって最後の拠り所なんですね。ただ、そこはそんなに、資産の内容がですね、短い期間に悪くなって良いんだろうかとの疑問もありますね。
チキ:
経済政策についてはですね、リスナーの方からもたくさん質問が来ていますので、あとでまとめて伺いたいと思います。では、続いて武田記者、質問の方よろしくお願いします。
武田:
2012年の選挙の時もそうでしたけれども、今の現行の政権の政策が良いとすれば、それは与党に投票すればいいわけですよね。問題は、野党に投票しようと思った時に、どの政党がどうだかよく分からない。2012年もそうでした。今回もおそらくそう思ってる人は多いでしょう。その時に、投票用紙に民主党と、あるいは民主党の候補者の名前を書いてもらうために、海江田さんは、野党の中で自分のところはどう違うんだということを訴えたいですか?
海江田:
これはね、この2年間、自民党と公明党以外はみんな野党だったわけで、特に2012年の選挙の時は第三極という政党がもてはやされましたけれども、それが2年経ってどういう状況になるかということも考えてもらわなきゃいけないわけですね。
ですから、私たちは、一過性のというか、その時のごく短い期間の国民の人気を得て大きく伸びる政党ではなしに、地道に努力を重ねていって、そして10年経っても20年経っても30年経っても民主党という政党はあり続ける政党だと私は思っています。
それはどうしてかというと、私たちが寄って経つところはね、「中間層」という言葉ありますけれども、ごく一部の富裕層じゃないんですよ。1億円以上の金融資産がある家庭が大体100万世帯あるということいってますけど。日本の世帯は5000万世帯以上あるわけですから、それは2%ぐらいの人たちで。その人たちのことを優先して考える、その人たちのことを真っ先に考えるんじゃなくて、やっぱり圧倒的多数のね、80%・90%。そういう人たちのことを考えて政策を進めていくということで、80%・90%の人に優しい政党だということですね。
チキ:
なるほど。
武田:
あと、1つ1つのことはまた後ほどお聞きしますけども、このマニフェスト あるいは民主党の打ち出している政策を見るとですね、多くの部分で実は安倍政権のやってることと目標は重なっているところが多い、と。
例えば具体的なのは、最後に出るでしょうけど、集団的自衛権なんかは閣議決定をしたことはおかしいじゃないかという批判ですよね。だけども、集団的自衛権については出ていない。
そうすると、今の安倍政権はある程度方向性は民主党と似ているんだけど、やり方がね、例えば議会の運営なんかも含めて、やり方は悪いけど、方向性はある程度自分たちと一緒だということですか?
海江田:
いや、違いますね。方向性ということで言うと、安倍さんは、今は封印していますけれども、例えば歴史修正主義と言いますか、日本を取り戻すということを前の選挙の時にスローガンに掲げていましたけれども。
じゃあ、その取り戻す日本というのはいつの日本なんですか、ということを聞きたいわけですよ。そうすると本音のところでは戦争前の日本ですよ。これは私たちは、そんな戦争前の日本に今の日本に戻したいなんていうのは全く思ってません。だから方向性は違います。
チキ:
民主党の議員の中にもですね、その辺りの足並みが結構ばらついていると言いますか、安倍さんのほうに近いような防衛観や歴史観を持っている方もいるんじゃないですか?
海江田:
いや、そんなことはありません。よくそういう誤解がありますけど、本当に人数が少ないですから、例えば衆議院議員ってみんなで色んな形で議論していますけれども、例えば歴史認識なんかはですね、これはやっぱり、安倍さんのように、日本を取り戻したい、昔の日本を取り戻したいなんていうような方を考えている人は民主党には1人もいません。
チキ:
1人もいない。
海江田:
はい。
チキ:
うーん。神保さん、いかがですか?
神保:
アベノミクスも含めてですけれども、安倍政治に対する海江田さんや民主党が言っている批判っていうのはね、どれだけかは別にして、それなりに多くの人が感じているところではあると思うんです。問題は、安倍さんは嫌だなと思っていたとしても、その人たちがその分をどこに投票するんだっていうときに、はたして民主党が今回その受け皿に本当になり得るんですかと、結構困ってる人がいると思うんですよね。気をつけないと、それで投票行く気亡くなっちゃう人が出かねないような状況だ、と。
そこで、さっきから出ている問題、直後はほとんど話を聞いてももらえなかったと海江田さんはおっしゃっていたけど、民主党はその後、あの苦い経験の後に反省をして、こう変わったんだ、と。だから今度は私たちの政策をちゃんと聞いてください、と。
前回の選挙の時も民主党は十分すぎるぐらいのしっかりしたマニフェストを作っていたわけですよね。だから、その中身がすごいしっかりしているからといって、そこに任せたらどうなるかっていうのはまた別問題だ、と。なので、そこをぜひ伺いたい。前回の苦い経験から民主党はこう変わったんだ、だから我々が今度受け皿になりうるんですと、もし有権者を説得できるとしたら、それは何なのか、と。
海江田:
前回の反省で1番大きなのはバラバラ感ですね。選挙の前に、特に消費税の問題を巡って党が真っ二つに割れてしまって、そして小沢さんを代表する人たちが民主党から抜けていった、と。
野党になって遠心力が働くということは、ままあることですけれども、与党でいながら、しかも与党になってから3年ぐらいでですね、3年経つかたたないかの時点でバラバラになってしまったということ、このことは大きな反省です。
ですから、私たちはバラバラ感を克服する、一体感を出すということに私自身が最大限の努力をしてきましたし、実は今度の消費税の問題でも、これはマスコミなんかは、一部の新聞なんかですね、どうせ民主党はまた、今度は消費税を断固、来年の10月から10%に上げるべきだ、と。いやそうじゃない、延期すべきだ、と。この2つの意見が絶対1つにならずに、また割れるんじゃないだろうかということを言っていたマスコミなんかあったわけですけれども。実際にはちゃんとそこは議論をしまして、その時の総理大臣の野田さんにもその議論に加わってもらって、そしてみんなで話をして、やっぱり今は、特に来年の10月というのは10%に上げる環境にないということ全部が1本化をしましたから。
それから、集団的自衛権の問題でも、とにかく7月1日の閣議決定、あれはないよね、と。国民の意見は全く聞かずにですね、こんな大事なことをああいうペースで決めてしまって、ああいうやり方で決めてしまって、それは駄目だね、と。
よくある、やり方に対する批判じゃないかって言いますけど、実は民主主義っていうのは手続きなんですよ、これは。手続きを全く無視をして、これまでと違うですね、憲法解釈。これを内閣法制局長官の見解で。しかも最後は、安倍総理は「私が決めるんだ」と言ってますけど、その「私」を縛るのが憲法でありね、その私に対して色んな意見を言うのが国会ですけれども。そういう手続きを全く無視をして決めている。これはいけないということね。このやり方でこんな大事な問題を決めてしまって良いとは民主党は誰も思ってません。
チキ:
今回のマニフェスト にもね、立憲主義に基づいた上で、今回の集団的自衛権の憲法解釈の改憲に関しては、変更に関しては断固反対だということは明記をされていますよね。
海江田:
ですからね、「立憲主義」という言葉も、これはチキさんもそうだと思いますけど、あんまりここ何年も聞いたことなかったでしょう?
チキ:
うーん、そうですか?
武田:
だんだん聞かれなくなってますね。
チキ:
まあ、まあ、まあ。
海江田:
特に立憲主義なんていうのは、あまり私たちも言う必要がなかったんですよ。
神保:
当たり前だったんですね。
海江田:
当たり前だったし。それが、安倍さんになってから。
チキ:
そういう意味ですね。
海江田:
そのことを改めて言わなれけばいけない状況になってきたっていうこと。これはやっぱり民主主義の危機なんですよ。
武田:
ちょっとすいません。バラバラ感を克服しなきゃいけないっていうのは変わったことだ、と。確かそうですね。海江田さんは中国の歴史お詳しいから、殷周革命もそうだし、「項羽と劉邦」の劉邦もそうだし、みんなそうですよね。まとまっていかないと政権交代っていうのは起きないわけですよね。
そうなった時に、今回の総選挙、投票が行われるわけですけども、目標議席っていうのを聞かれたら、必ず「全員当選」とおっしゃるんだけども、そういうのちょっとやめといて、野党で過半数っていうのは1つの目標ですか?
海江田:
自民党が「自公で過半数」ということを、安倍さん、その後から色んな。
チキ:
ちょっと増やしましたよね。
海江田:
増やしましたけど、最初に言ったのはそういうことですよ。だからそうであるんなら、当然私たちは、まずこの自民党の、自民党と公明党ですけれども、自民党と公明党で過半数を阻止しなければいけない。これは当たり前のことでありまして。
で、今、民主党も実は候補者を、今日の段階で176人ですけれども、もう少し増やそうと思っております。だからその人数が全部決まったところで、じゃあこれから目標何人なんですかとかね、そういう話になってくるんで、今の段階はまだ候補者を揃えている段階ですから、そういうところで今何人だとか言うわけにはいかない。
武田:
ええ、もちろん。確かに大目標は自公過半数割れと、これは当然、と。
逆に自公過半数割れが成し遂げられなかったら、あるいはどうなったらば野党第一党の党首としての責任問題だというふうに思われますか?
海江田:
すぐ「責任、責任」とかおっしゃいますけれども、今一生懸命戦ってる時ですから、そういう意味ではここで責任をとるとかとらないとか、そのようなことを今は言う時期ではない。発言っていうのはそれぞれその時に言わなきゃいけないことがあって、その時でもないのに余計なことを言って、そして墓穴を掘る人も、ね、たくさんいたじゃないですか。
チキ:
いましたね。ただ、その人たちは一応自分の中で線引きをして、ラインというものを示したわけですよね。つまり背水の陣で、こうします、と。
海江田:
それは、言う時には必ずそれは言わなきゃいけないことですし。
チキ:
まだその時じゃない、と。
海江田:
もちろんそうです。
武田:
例えば、海江田さんも選挙区で立たれることになるはずですけれども、その前に例えば、選挙区ではなかなか難しくて、比例というふうになった場合には、どうされますか?
海江田:
そんなことは考えてません、はっきり言って。そんなことは全く生産的じゃないじゃないですか。今私たちが考えなきゃいけないのは、安倍さんが色んな意味でね、危険ですよ。そういう要素がありますよ。そういうものに対して私たちがどうやって、本当に民主党が一丸となって、そして協力できるところは他の野党とも協力しなきゃいけないと思ってます。
これは去年、一昨年の選挙の敗北、民主党にとっての敗北の理由、いくつかありますけれども、そのうちの1つが、あれだけ野党が数多く出て、そしてそれぞれがバラバラにやりましたから、だからそれはいけないなということをもうかなり前の段階から、そういうことを考えていましたから。それで選挙区の調整というので、党ひとつというわけにはなかなかいきませんから。
チキ:
安倍政権に対決するということで一致するところと調整をするということですよね。
神保:
もう1つ聞いても良い? 海江田さんね、バラバラではないということを確認したいんだけどね。
今回、集団的自衛権に関しては、閣議決定でああいう形でやるのは反対で撤回を求める、と。それからマニフェスト の後のほうに書いてある政策の部分もですね、「集団的自衛権の行使一般を容認する日本国憲法の解釈変更を許しません」と書いてある、と。
ただ、良く分からないのが、集団的自衛権を民主党は容認するかしないか。要するに、あの手法じゃ駄目だけど、そうじゃないんだったら、集団的自衛権もOKなのかどうなのかについて、このマニフェストからどうしても読み取ることができなくて。これはかなり国家の基本政策に関わるものなので、当然もしこれがバラバラだと、またバラバラだって言われるんじゃないかと思うんで、そこはいかがですか?
海江田:
集団的自衛権の行使をなんとしてもしたいということを安倍さんが言ってきて、その時に例えば15の事例を出してきたわけですよね。もちろん15の事例すべてが集団的自衛権ということではありません。集団的安全保障の問題も入っています。だけど、安倍さんがこういう例でどうしても集団的自衛権を使わなければ対応できないんだよということ、1番皆さんの記憶にあるのが、おそらくこれは朝鮮半島だと思いますけれども、有事があって、そこにアメリカの船に、これは絵なんかを見ると、これは輸送艦かなんかですね。そこに赤ちゃんを抱えたお母さんが、邦人が乗り込んで、そして傍に護衛艦が並走していて。これはやっぱり、この船が攻撃されたら護衛艦はなんかしなきゃいけないんじゃないですか。一見すると、そういうシチュエーションもあるかなというふうに思うかもしれません。それからハリウッドの映画なんかではそういうシーンがよくありますけど。
ただ、現実的にそういう可能性がどれだけあるのかと言えば、それは非常に低い。全く0かと言われると0ではないかもしれないけれども。だけど、その前にやらなきゃいけないことがあるし、そういうこと1つ1つをしっかり、その意味では手当てをしておくということ。
今、ですから、私たちはね、集団的自衛権の行使云々ということよりも、今、本当に日本がやらなきゃいけないことは、やっぱり日本の領土・領海・領空、特に尖閣の問題なんか。あるいは、この間、小笠原のところに中国の漁船がたくさんきましたけれども、そういうものをしっかりと、海上保安庁、それからケースによっては自衛隊というところを切れ目なく、ちゃんと日本の領土・領海・領空を守るための法整備。これは私たちは領域警備法ということを言っているんですけれども。これをまず国会で議論をして、これは私たちは維新の党と一緒になって国会に、今度の国会解散になる前にそれを提出をしていますから。
チキ:
集団的自衛権の議論は、もう先の議論であって。
海江田:
先の議論って言うか。
チキ:
レアなケースを全体化するような議論ではなくて、と。
海江田:
まず1つ1つやってかなきゃいけません。今すぐやらなきゃいけないのは、そういうことなんじゃないですかっていうことを言っているんです。
それから、私たちは例えば集団的自衛権ということで言うと、サイバー空間ですとか宇宙空間ですとか、こういう問題はどういうことなんだろうかということは研究はしてるんですけども。
チキ:
テロのようなものに関しては対策をする。情報流出に対してはケアをしていく。
海江田:
そうです、そうです。そういうことはしっかりやっていかなきゃいけないんで。それと集団的自衛権がどこで重なり合うのかということで。
少なくとも安倍さんが言っていた、だから安倍さん自身も、最初は15事例を一生懸命言ってましたけど、閣議決定の中では15事例が一体どうなっちゃったのかということを全く説明してないんですよ。だから、それもやっぱり本当は国会で十分議論をしなきゃいけないんですけれども。とにかく3つの原則を作って、これで限定要因だということをね、言うだけなんですよ。
神保:
そうすると、集団的自衛権は我々は行使はしませんというふうに民主党は謳わない、と。で、法整備を優先させるということになるとね、その法律の中で、これはどうしても今の憲法下では集団的自衛権に入っちゃうなということが出てくる可能性がある。しかし民主党は、閣議決定による解釈改憲は駄目だって言っているっていうことは、法整備を進めた結果、これが集団的自衛権に入るなっていうことになれば、これは憲法改正するしかないというふうにおっしゃっているようにも聞こえます。
海江田:
そこへ行く前に、例えば日本がこれまで大切にしてきた専守防衛という考え方があるんですよ。この専守防衛っていう考え方については、防衛省も防衛白書の中なんかにもしっかり書いているんで。例えばその専守防衛の考え方と集団的自衛権の行使がどういうふうな関係になっていくのかっていうことも議論が十分でないんですよ。
私たちは専守防衛は絶対守らなければいけないというふうに考えていますから、そういうことを突き詰めていって、じゃあどうなの、ということになるわけでして、1つ1つの議論を積み重ねていく必要がありますよ、という。
チキ:
安倍さんが積極的平和主義などを謳っていることに対して、反対をするというか、そうしたことは謳わないという話ですけど、一方で安全保障の議論、今言った集団的自衛権の議論は今する議論ではないというふうに発言をされると、例えば有権者からすると、今はともかく今後どうなるか不安な状況で、固まってないのかなって思えるんですけど、そこはどうですか?
海江田:
そんなことはありません。ですから、今喫緊の、目の前にある問題に対処をするということは大事です、これはね。そり意味では、さっきお話をした領域警備法などという法律は、まず今やることです、これは。そして、しっかりと日本の領海・領空・領土、これを守るということを世界に対して、これは何ら他の国からとやかく言われるもんじゃありませんから、そういうことをしっかり主張をしておくということで。
それで、じゃあ具体的に、例えば安倍さんが言った、ホルムズ海峡でまだ戦闘行為が終わらないうちに機雷の除去とか、それは何となれば、日本の経済がおかしくなって国民の存続が脅かされると言うけど、日本にはちゃんと油の備蓄もありますしね、何でその時にそこまで行って、掃海艇が戦闘行為のある中でね、掃海って非常に危険な作業なんですよ。自衛隊はこれまで戦死者って1人もいませんけれども、殉職者というのはたくさんいるんですよね、これは。その殉職者の中で1番多いのが、実は掃海艇の作業をやってる時に亡くなった人たちなんですね。
チキ:
確認していいですか? 集団的自衛権を巡る安倍政権の議論のやり方が問題だというのは分かったんですけど、結局つまりのところ、民主党としては集団的自衛権は認めるのか認めないのかで言えばどうなんですか?
海江田:
認める認めないは最初に持ってくるんじゃなくて、じゃあ具体的にどういうケースでもってどうしても必要なのかということで言えば、今それは見当たらないということなんですね。
チキ:
今のところ必要性は感じないという答え方でということですね。
海江田:
はい、そうです。そして、将来的に考えれば、私が言ったサイバーですとか、宇宙空間だとか、この問題についてはこれから研究しなきゃいけませんねっていうことなんですよ。だから、現実から一歩一歩私たちは結論を出していくということです。
チキ:
なるほど。集団的自衛権ありきのような安倍政権のような形はしたくないということになるわけですね。
海江田:
はい。そういうことです。
チキ:
分かりました。他にも原発、それから安全保障、そして経済の話、色々ありますけれども、リスナーの方との電話も繋いでいきたいと思いますので、お知らせの後に議論を続けていきたいと思います。
南部:
TBSラジオをキーステーションに生放送でお送りしている、「荻上チキ・Session-22」。今夜の「Main Session」。「総選挙を前に、各党の代表と生セッション-今夜は民主党・海江田万里代表」ということで、会見モードでお送りしています。スタジオには、民主党・海江田万里代表を迎えています。よろしくお願いいたします
海江田:
はい、よろしくおねがいします。
南部:
そして、おなじみです。ジャーナリストの神保哲生さん、TBSラジオ国会担当・武田一顕記者と一緒にお送りしています。後半もよろしくお願いいたします。
一同:
よろしくお願いします。
チキ:
では、海江田さん、これからですね、リスナーの方と電話を繋いでいきます。リスナーの方から直接質問が来ますので、そちらにお答えいただきたいなと思っております。
では、今日は会見モード、リスナーの方で直接お電話で質問したいという方と繋がっています。お話を伺いましょう。もしもし。こんばんは。よろしくおねがいします。
リスナー1:
こんばんは。よろしくおねがいします。
チキ:
では、ラジオネームで結構ですのでお名前と年齢を教えてください。
リスナー1:
私、村上と申します。58歳、札幌からです。
チキ:
分かりました。では、海江田代表に対する質問をお願いします。
リスナー1:
はい。海江田さんよろしくお願いします。
海江田:
はい。よろしくお願いします。
リスナー1:
ずっとお話をうかがっていたんですが、わたくしが1番お聞きしたいのが、民主党がこれだけ負けてしまったのは、結局、消費税の問題であったと思うんです。
チキ:
三党合意での。
リスナー1:
三党合意ですね。で、色々おっしゃっていましたけれども、結局、消費税が全く国民に受け入れられなかったっていうことが、民主党の敗因の第1番だったと思うんです。で、今回のマニフェスト を拝見してても、その消費税については「延期します」という文言はありますが、やめるということはないんですね?
チキ:
まずは「やめないのか」という質問ですね。
リスナー1:
そうですね。結局、私の周りで生活保護を受けてらっしゃる方はたくさんいらっしゃいますけれども、そういう方たちが1番困っているのは消費税が上がったことなんですよ。なおかつ、北海道は灯油もガソリンも上がってますから、生活困窮者の方にとっては消費税ってものすごく大きいんですね。
チキ:
そうですね。特に低所得者層の方に今回は影響が大きかったですね。
リスナー1:
ものすごくきいてます。ですから、本当に海江田さんが行政権を安倍さんから取り戻そうとお考えになるのであれば、「消費税はやめます」くらいの反省を表明されなかったら、今回の選挙で民主党とか民主党の候補に、少なくとも私は投票しないだろうなと思うんですが、そこはいかがですか?
チキ:
その「やめます」というのは、5%に戻しますということですか?
リスナー1:
いえいえ。すぐには難しいでしょうけれど、例えば消費税は逆進性が高いですからやめて、物品税の方にシフトしていくんだっていうような、方向性だけでも打ち出していただけないと、民主党は本当に反省したのかっていう。
チキ:
なるほど、分かりました。同じような質問もですね、例えば、「今回、4月以降経済がマイナスになったのは民主党にも責任があるんじゃないか」っていう、「チューソン」さんからメールもいただいておりますけれども。今の質問も含めて、海江田さんいかがですか?
海江田:
消費税をやめるというお話、これはやっぱりできない話です。
チキ:
できない?
海江田:
はい。ただ、消費税が持っている逆進性をできるだけ緩和するという方法はあります。
チキ:
今回、給付をするということですね。
海江田:
はい。1つは軽減税率という議論です。もう1つは本当に必要な人にしっかり給付をする、と。だから1回消費税を払っていただきますけれども、それに対する還付をしますよ、と。考え方の上でね。実はこれが1番ね、合理的と言いますか。すべての消費税をやめてしまうとかいうことになると、じゃあこの消費税のお金を使って社会保障をやるということ。
ただ、安倍さんもその辺がはっきりしないわけで、私たちは消費税は全部しっかり社会保障の財源にしようということで。で、特に日本の場合は少子化・高齢化ということがありますから。消費税がなかったころは物品税がありましたけれども、物品税というのは本当に所謂ぜいたく品にかかっていた税金なんですね。
じゃあ、どこで一番税金を確保したかというと所得税なんですね。所得税の累進性という、高額所得の人には高い税率をかけて、そしてたくさんの税金を集めていたということで、ずっとやっていたわけですけれども。消費税になって、消費税の良いところというのは、例えば所得税だと、会社を退職してしまって。
リスナー1:
海江田さん、ちょっと待っていただけます? 逆進性とおっしゃって、なおかつ給付付き、一旦収めていただけるとも困窮者の方には後からお金を払いますよって、そんな面倒くさいことをするくらいだったら、最初から消費税をやめた方が手っ取り早いじゃないですか。行政コストだってかからないし。
海江田:
いやいや、だけど消費税というのは世界のどこの国にもありますし、特に日本のように。
リスナー1:
世界のどこの国にもあるから、それを真似する必要はないでしょ。
海江田:
いや、真似じゃないです。それはどういうことかと言うと、お年寄りになって所得はあんまりないけれども金融資産なんかがあるなんていう人たちもいるわけですよ。
チキ:
消費する人全てから取れる、と。
海江田:
そう。だから年代を、若い人たちの数がどんどん少なくなってくるわけですから、その時若い人たちが働いて入ってくる所得だけに税金をかけたんでは、これは限界があるんですよ。
リスナー1:
いや、所得税の話は私はしてないじゃないですか。消費税を物品税に戻したどうですかと申し上げてるんです。
海江田:
ですから、それは今できないですよという話をして、そして今話を少しずつやってるわけでしょ?
チキ:
別の税制パッケージということで、少なくとも民主党では、村上さん、消費税を延期はするけれども、例えば消費税を考え直すということは、とりあえず海江田さんは考えてないというお答えだったと思いますけれども。
リスナー1:
そうですね。
チキ:
判断材料になりますか? 村上さん。
リスナー1:
だから民主党は反省が足りないんだと思うんです。
チキ:
増税したことによって、今年の景気の状態っていうのがブレーキがかかったということもあって、それは批判する中で、でも民主党もそこには合意したじゃないかって議論もあるわけですよね。
リスナー1:
そうですね。
チキ:
村上さんはそれとはまた別のプランをそもそも描いて示してほしかったということになるわけですよね。
リスナー1:
そうです、そうです。そうじゃないと、本気で安倍さんから日本を取り戻す気があるんですかっていう疑問がいつまで経っても消えませんね、残念ながら。
チキ:
なるほど。
海江田:
いや、消費税については安倍さんに対する、アベノミクスと言われている3本の矢、3本目の矢はありませんけれども、そういうことに批判的な人でも、消費税は1つの税制として。
チキ:
批判をしてる人が多い、という。
海江田:
それもいます。だから、色んな考え方があるのは良く分かりました。議論はもっとしたいんですけれども、だけど、消費税を続けていくと、消費税を村上さんのおっしゃるように物品税に変えるということをやらないということをもってして、安倍さんに対して本当に対決していくつもりがないんじゃないかというのは、それは違います、ということを私は申し上げたい。
チキ:
別の論点でやっていくということですね。
武田:
手短に海江田さんにお聞きしたいんですね。今の不景気ですよね、国民生活が非常に苦しい状況というのは、4月に消費税を5%から8%に上げたことの影響なんですか? それとも違うんですか?
海江田:
だから5%から8%に上げるためには、実はそれまでに色んなことをやらなきゃいけないんですよ。だけど、そういうことを安倍内閣はやってこなかったということで、一言で言えば、そういうことです。
武田:
やらなかったから上がったということですね。そうすると、4月に5%から8%に上げたことそのものは間違ってない、と。
海江田:
上げることは間違っていませんけれども、ただ、その前後でやらなきゃいけないことはあるんですよ。例えば、簡素な給付措置ということで。
チキ:
やりましたね、1万円。
海江田:
1回こっきりですよ、1万円。しかもお支払いをする人たちの数が非常に限定されているんですね。あれなんかはもっと充実をしても言いと思っています。
チキ:
タイミングについてはどうでしたか?
海江田:
タイミングは最初の時は、確かに今年の4月は1つのタイミングだということは確かだったということ。
チキ:
ベストだったということですか?
海江田:
いや、ベストではないですね。
チキ:
見送るという考えは、民主党の中にはなかった、という。
海江田:
その時点では、8%というのはひとつの通過点として、そこはお願いをしなければ、これからの時代というのは。その代わり、色んなな意味で社会保障を充実させますよという約束をしたんです。ただ残念ながら、その約束を安倍さんは、8%に上がるところでも破りましたから。
チキ:
分かりました。村上さん、今の議論、是非、判断材料にしていただいて、是非投票に行ってください。
リスナー1:
はい。分かりました。
南部:
ありがとうございました。
チキ:
失礼いたします。札幌市にお住まいの「村上」さんでした。では次の方ともお話したいと思います。もしもし。
リスナー2:
もしもし。
チキ:
こんばんは。よろしくお願いします。
リスナー2:
よろしくお願いします。
チキ:
では、お名前とそれから年齢を教えてください。
リスナー2:
塩漬けカモンです。16歳です。
チキ:
16歳の方。では、海江田さんへの質問をよろしくお願いします。
リスナー2:
はい。今回、僕が質問させていただきたいのが、原発の政策のことについてです。
チキ:
はい。原発。
リスナー2:
はい。民主党さんは2030年までに原子力発電所を廃止するという公約を今回出されていると思うのですが、それに対して2つほど質問があります。
チキ:
はい。
リスナー2:
まず1つ目は、核のゴミの問題についてです。現在、最終処分場が決まっていない中で、原発のゴミをこれ以上出し続ける原発を、例え2030年までとは言え稼動していいのかという疑問があります。
チキ:
はい。
リスナー2:
それともう1つなんですけれども、2030年までに原子力発電所を打ち切るとなると、新しい科学者もしくは技術者の方々が育たないと思うんですね。
チキ:
はい。
リスナー2:
私の16歳の立場としましても、原子力発電所が今後廃止されるとなったら、原子力発電の方向に進んだら失業してしまうというふうなことが、やっぱりそう思うので、そちらの方向には進めないんですよ。
チキ:
すいません、原発をやめることを選べないということですか?
リスナー2:
ごめんなさい、原発の科学者になるという方向はやはり選びにくいと思うんですよ、若い人が。
チキ:
研究者としてね。
リスナー2:
そうすると、2030年までに新しい科学者が集まるっていうのが、非常に難しくなると思うんですね。
チキ:
はい。人材不足になるんじゃないか、と。
リスナー2:
はい。そうすると、廃炉になるまでの間、安全性が保たれるのかっていうのがすごい疑問に思えます。
チキ:
ええ、なるほど。長期的なそれの担い手はどう育成するのかという質問が2点目ということになるわけですね。
リスナー2:
はい。
チキ:
分かりました。海江田さん、1点目、2点目いかがですか?
海江田:
まず1点目は、「2030年」ということでおっしゃっていますけれども、私たちは正確に言いますと「2030年代」ということです。
チキ:
MAX39年まで。
海江田:
そうです、はい。それは、やっぱり廃炉というのはかなり本当に気の遠くなるような仕事だということもあるんですね。
で、この廃炉の技術というのは、これから世界でも必要になってくるんですよ。アメリカなんかもこれからどんどんどんどん廃炉が進んでいきますし。その意味では、特に廃炉技術というのは、日本がそれを確立することによって、世界に対してそういう技術者というものは重宝されますんでね、働くところはたくさんありますから。だからその意味では、廃炉をするためには当然原子力の技術がなければいけませんから。
そういう意味では、私はむしろ、廃炉というこれから大きなね、仕事があって、これは世界でも本当に色んな意味で必要とされる仕事ですから、そちらのほうでやっていっていただくということはね、私は意味のあることじゃないかなと思います。
チキ:
廃炉の作業員であるとか、それから研究者、色んなところに人材がむしろ必要になるんじゃないかということですね。塩漬けカモンさん、今の議論いかがですか?2つ目の回答は。
リスナー2:
そうなってしまうと、今のうちに2030年までっていう、運転をするための技術者の方々に、今のうちに廃炉に向けてのシフトしていったほうが、もう良いと思うんですね。今即、廃止というふうにならないのは、一体どういうことなんでしょうか?
海江田:
今すぐ廃止ということにならないということは、やっぱり、これは色んな電力の需要と供給の問題もありますし。それから、決して原発が私は安い燃料だとは考えてません、それは。しかし、片一方でその原発に代わる、今は主にガスを持ってきたり石炭を持ってきたりして火力でやっているわけですけど、これも結構高いんですね。自然エネルギー、再生可能エネルギーを原発に置き換えていくということには、やっぱり時間がかかるんですよ。
チキ:
伸びしろが必要なので30年代までは待ってほしいという考えだということですね。
海江田:
そうです。はい。
神保:
今のね、塩漬けカモンさんの最初の質問ね、要するに、じゃあ即停止じゃないんだったら、その2030年代までは使用済み核燃料が増え続けるじゃないか、と。もう6箇所もいっぱいいっぱい。各原発にある使用済み核燃料にあるプールも7割がた埋まってるということになると、やはり「最終処分場について我々はこうします」ということを言わないと無責任ではないかという、塩漬けカモンさんのご指摘は非常に重要だと思うんですけど、そこについては民主党は、「我々がきちんと最終処分場を見つけます」っていうことは謳わないんですか?
海江田:
これは、まず政権をとって、そして政府の責任で最終処分場を、まさに政府が責任を負うべきことですから、それはちゃんと見つけなければいけないというふうに思います。
チキ:
ただ順番として、プランが見えないと政権を渡したくないな、こういうプランだったらいいなっていう。
海江田:
ただ、この最終処分場の問題について言えば、野党の民主党は「自分たちはここにする」ということを言っても、それはまさに絵に描いた餅でしかないんですよ。
神保:
もちろんそうですけど、でも、政権をとったら見つけますよと。
リスナー2:
ちょっと良いですか?
チキ:
はい。カモンさん、いかがですか?
リスナー2:
聞かせていただいて、なんだろう、民主党さんはこの前に政権をとられた時でも、この最終処分場の件に関しては、たぶん手が付けられていないと思うのですよ。
チキ:
はい。
リスナー2:
そうした状況の中で、今、2030年代までというので伸びしろをつけるということ自体が、こんなに最終処分場で誰も場所が見つけられてない、見つけられたと、ここが良いんじゃないかと言われたとしても、地元の反発がある。そういった状況の中で、2030年代までの伸びしろを設けるということ自体が、はたして責任がある選択なのかということがちょっと疑問に思うんです。
チキ:
今の話を聞いていて、さらに言えば、手を付けられなかったのが、今後政権をとれば手を付けられるという保証もないんじゃないかという質問も暗に含んでるわけですかね、そこには。
リスナー2:
はい。そういうことです。
チキ:
はい。いかがですか?海江田さん。
海江田:
ですから、そこはやっぱり政府が責任をもってやるということ。それからもう1つはですね、なんで時間をもう少しかかるかということ言うと、さっきもお話しましたけれども、原発に代わる再生可能エネルギーを、今は買取制度ありますけどこれもいろんな問題になってます、太陽光だけに偏りすぎて。そこは、日本は風力もあるし地熱もあるしバイオもあるし、と。そういう多角的な再生可能エネルギーで、やっぱり少なくとも20%くらいのところに持っていかなきゃいけない。
チキ:
道筋を持っていってからという優先順位の順番でということですね。
海江田:
そうです。
チキ:
カモンさん、カモンさんはまだ有権者ではないかと思うんですけれども、これから4年経ったら選挙権も手に入りますよね。なので、そうしたことも含めて、この4年間、ぜひ各党の動き、今日の議論も参考に見ていてください。
リスナー2:
はい。
チキ:
はい。カモンさんありがとうございました。
リスナー2:
はい。ありがとうございました。
チキ:
失礼いたします。
というわけで、16歳の「塩漬けカモン」さんということでね。最近は小学4年生というのがちょっと問題になったりしましたけれども 、若い方の議論の参加というのもね。
神保:
この人は違うけどね。
チキ:
違うんだとは思いますけどね(笑)。
というわけで、色々議論の論点が出てきましたが、1個だけ経済の話に少し戻りたいと思うんですけど。民主党が新たな三本柱を建てたといった時に、その中身が分からない状況で、もし仮に政権交代ということになれば、以前のように株価が下がってしまうんじゃないか、市場がそういう形で反応してしまうんじゃないかという懸念がある。それからインフレターゲットがあるというのは、長期的にどうなるのかというのは予想しやすいから、経済活動もしやすいという点もあると思うんですけど。そのあたりの今後の見通しというのが、このマニフェストからだとまだあんまり見えてこないんですが。端的に言うと、どういったことを変えていく、どこのなにを変えるんですか?
海江田:
あのね、株価というのは今実は日本の国でこうしようああしようということで動くもんじゃないんですよ。これは売買の取引のおよそ6割が外国人の投資家ですしも色んなファンドが入ってるわけですから、これは日本だけの力で動く話でありません。だから、あんまり株価に頼った経済政策、それをテコに消費を拡大しようとか、それは決して、そういう方向だけに、あるいはそういう方向に力を注ぐということは良くないことです。
チキ:
ただ、市場のがっかり感みたいなものが。
海江田:
いや、だから、それはそうならないように。あれは、安倍政権が担ってそして株が上がったってよく言ってますけれども、そうじゃないですよ。本当に最初の動きというのは、まだ民主党政権の時の10月ぐらいからですけれどもね。まだこの10月というのは、実はまだ解散も約束をしていない時期ですから。
その時期に最初に上がったきっかけというのは、まさに外国の投資家が、それまではリーマンショックがありましたけれど、そのリーマンショックからニューヨークの株式市場はいち早く立ち直った。そうしてもう1つはヨーロッパの株式市場も立ち直った。日本の株式市場はまだ出遅れているなというとこで、そこにお金が入りだしてきたんです。そこからがスタートなんですから。
チキ:
例えば追加緩和などには消極的でいる感じですよね。
海江田:
日銀の追加? 日銀のさっきの第2次の追加緩和ということについては、これはやはり色んな副作用が大きい。
チキ:
じゃあ、やるべきではなかったと?
海江田:
あそこで5対4で意見が分かれたように、そこはやっぱり大きな問題があるということです。
チキ:
なるほど。それからリスナーの方からですね、先日の沖縄の県知事選挙の結果を受けて、質問が来ていますので、こちらを紹介しましょうか?
南部:
はい。「赤ネコ」さんから。「先週11月16日に投票が行われた沖縄県知事選で、民主党は独自候補は擁立できず、オール沖縄にも加わることがなかったわけですが、民主党としては、翁長新知事に対して期待することはなんでしょうか?」
チキ:
はい。あと加えて僕からも質問なんですが、過去のマニフェストと今回のマニフェスト読み比べさせていただいたんですけど、過去は「基地負担の軽減」ということを書いていたんですけれども、今回に関しては「一括交付金を充実させて、地域の自立かつ継続的発展につなげる」という形になっていて、「基地」っていう単語を外しているような印象を受けるんですが?
海江田:
いや、そんなことはありません。基地負担の軽減の具体的な中身が、沖縄に対する一括交付金で。これは沖縄の、前の仲井眞さんなんかからも、私も直接会って御礼を言われましたけれども。大変良い制度だ、と。ぜひこれを続けてくださいという話でしたから。
チキ:
ただ、その仲井眞さんは負けましたよね。
海江田:
もちろんもちろん。これは去年ですよ。去年行って、ちゃんと。そういう意味では基地交付金ということ、基地の負担軽減というのは1つは。
チキ:
お金で。
海江田:
お金でと言うか一括交付金。これは使い道は自由ですからね、これはね。沖縄の人たちが自由に使ってくださいという話ですから。
チキ:
ただ今回の選挙結果は、そのお金に対する拒否感というのも。
海江田:
だから、それで、ちょっともう少し。それで、そういう形ですけど、今おたずねになったね、基地の負担っていう話が一括交付金に置き換わったけども、その一括交付金が地元から大変評価されていた。だから置き換わったんだということ。
それからもう1つは、やっぱり今度のことを通じて、沖縄の県民の民意はどこにあるかということが分かったわけですから、これはやっぱりね、強引に埋め立てを進めるんではなくて、沖縄の人たちの納得が得られるような努力をすべきだというふうに思っていますよ、私は。
チキ:
その努力というのは例えばどういった形でしょうか?
海江田:
これは色んな形である。強行してどんどんどんどん埋め立てをしない。例えば、昨日か一昨日も、沖縄でね、辺野古のところにおばあさんがいて、85歳のおばあさんかな、その人たちを強制排除をしてしまった とかね。何かもう。
チキ:
地元の県警の動きで。
海江田:
そう。そういうことに対して、そこは本当に沖縄の人たちがきれいな海を守るためにそういう努力をしてるんですから、そういうことを暴力的に押しつぶしちゃいけないということは思いますよね。
チキ:
なるほど。武田さんいかがですか?
武田:
沖縄はどうなるかは分かりませんけれども、知事も那覇市長も辺野古埋め立て反対の人で、もちろん名護市長もそうですよね。今度の選挙というのは、そういう意味では、沖縄選挙区は非常に注目されるわけですが。どうですか? もう1つ、選挙的にどうするのかということと、海江田さん沖縄に入られるご予定とかはありますか?
海江田:
いや、ありませんね。ですから、沖縄については私たちも、やはり鳩山元総理ですね、元総理の発言もあって、決して方向性としては間違ってなかったと思いますけれども、やっぱり混乱をさせてしまったということの反省もありますから。
そういうことを踏まえて、今度の知事選挙でも候補を見送りましたし、新しい知事の支援ということもしなかったわけで。今、沖縄については私たちは謙虚にならなきゃいけないというふうに思っているところです。
チキ:
それから、過去のマニフェストでは「人権救済の機関を設ける」などが書かれていたんですけど、それが今回のマニフェストから消えていたりと、色々と変わってる点というのは、その優先順位をもって削ったところは優先順位が低まったという意味なんですかね?
海江田:
なるべくですね、そんな大部なものにしないで、なるべく分かりやすくシンプルなものにしようという必要性から来たことです。ただ、人権の問題は大変大切ですから、これは私たちはずっと、その意味では引き続き、そういう人権をね、守っていく、そういう側に立つということは民主党の基本的な姿勢です。
チキ:
最後に神保さん、いかがですか?
神保:
やっぱり民主党は野党なんでね、チャレンジする立場なんだけど、今回のマニフェストも具体的な数値目標がなかったりとかね、どうしても歯切れが悪い感じがするんですよ。原発も、本来は民主党の中で最初は「30年」だったのが、だんだんだんだん伸びて「30年代」になり、なおかつ政策資源の投入に変わってきているという経緯をね、政権があったのに、結局それもまだ引きずっているように見えるし。
あれですか? 歯切りよくバンって言うっていうことになると、将来万が一政権が転がり込んできた場合にそれがリスクになるみたいなのが反省っていうことになるんですか?
海江田:
いやいや、そうじゃなくって。私たちは私たちの時代にやってきたこともあるんですよ。それでそれがやっぱり、きちっとできたこともできなかったこともあるんで、それが野党になったから、沖縄の問題なんかそうですけれども、野党になったからといって、すぐ手のひらを返してこうだということを言うことはやめよう、と。
ですからもう少し、そこは沖縄の県民の思いもあるでしょうし、私たち自身の色んな意味でのやっぱりこれは再建党ということもあるし、そういうことを含めて一歩一歩、ただ悪い方向じゃない、良い方向に向かってね、歩んでいこうということで、今現在で民主党は考えているようなのはこういうことだということを正直にまとめたのがこのマニフェストです。
チキ:
はい。というわけで、皆さん、手にとって、そして読み比べて、1票をどこに投じるか。今日の番組を参考にしていただければと思います。
南部:
今夜はスタジオに民主党・海江田万里代表をお迎えしました。ありがとうございました。
一同:
ありがとうございました。
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