元気のひけつ

「体をゴシゴシ」やめて 入浴に気をつけ、冬の皮膚の乾燥防ぐ

朝日新聞 (本紙記事より)

【寺崎省子】 2年ぶりに東京で冬を迎え、とにかく乾燥が気になり、ハンドクリームが欠かせません。首に湿疹ができ、医院を訪ねると「手と足が乾燥してるね。保湿しないと皮膚のバリアー機能が働かないよ」といわれました。どうすればいいでしょうか。

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 表皮は異物の侵入を防ぐバリアー機能を担っている。重要なのは体表に近い「角層」だ。

 表皮の深くで増えた表皮細胞は、層状になって順番に体表側に押され、死んだあと角層を形成する。角層は三層に分かれ、主に一番下の層がバリアー機能を担う。また、角層のすぐ下で作られる「フィラグリン」というたんぱく質は、分解されて角層の保湿因子になる。

 角層が壊れるとバリアーが弱まり、外敵(抗原)が侵入しやすくなる。こんな時は、表皮の下の方にある「ランゲルハンス細胞」が角層のすぐ下まで手を伸ばして抗原をとらえ、排除するよう免疫細胞に伝える。

 角層に注目してアトピー性皮膚炎を研究する慶応大学皮膚科の天谷(あまがい)雅行教授は「抗原が通りやすいか、通りにくいかの勝負は角層で決まる。角層の構造を保つスキンケアが大切です」と話す。アトピーの患者はフィラグリンを作る遺伝子の変異が多いと分かってきているという。

 乾燥は角層の大敵。湿度が60%を切ると、角層から水分が失われていく。東京・大手町の昨年12月の平均湿度は52%で、100年前より17ポイント低くなった。暖房による乾燥も加わり、角層には厳しい季節だ。

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 温かいお風呂は気持ちいいが、気をつけないとかえって乾燥を進める一因になるようだ。

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