原発:火山活動の異常で停止も…規制委に判断責任
毎日新聞 2014年12月16日 20時28分
原子力規制委員会の検討会は16日、原発周辺にある火山の巨大噴火に備えるための「基本的考え方」を了承した。原発運用期間中にカルデラ噴火のような巨大噴火の可能性は十分低いと判断した上で、火山活動の異常が観測された場合、「空振りも覚悟」で原子炉停止などの措置を講じ、対応の判断は規制委、原子力規制庁が責任を持って行うべきだとした。
一方で「噴火がいつ・どこで・どのような規模で起きるかといった的確な予測は困難な状況」と指摘。原子炉停止などを判断する目安の設定については、引き続き検討することになった。
過去に巨大噴火を起こしたカルデラから40キロと近い九州電力川内原発(鹿児島県)が年明けにも再稼働する見通しだが、規制庁は「カルデラ噴火は切迫しておらず、判断の目安を検討する時間は十分ある」と説明。火山活動の監視について、清水洋・九州大教授は「計器を置くだけでなく、国が手法の開発や人材確保をしっかりやらないと悲観的状況だ」と述べた。【斎藤有香】