[PR]

 英科学誌ネイチャーは、科学で重要な役割を果たした「今年の10人」を18日付の同誌で発表する。その1人に、iPS細胞を使った世界初の移植手術を手がけた理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーが選ばれた。

 高橋さんは、目の難病「加齢黄斑変性」の患者の皮膚の細胞からiPS細胞を作製。網膜の細胞に変化させ、今年9月に患者の目に移植した。同誌は、理研の別の研究者らがかかわったSTAP細胞の問題が起こったなかで「眼科医が幹細胞分野に希望を注入した」と紹介した。

 高橋さんは「将来多くの方を治療できるように、さらに開発を進めます」などとするコメントを出した。

 10人にはほかに、エボラ出血熱に感染しても患者の治療を続けて亡くなったシエラレオネの医師や、氷水をかぶって筋萎縮性側索硬化症(ALS)への支援活動を広めるきっかけをつくった男性患者、欧州宇宙機関の探査機を彗星(すいせい)に初着陸させたチームの責任者らが選ばれた。(合田禄)