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米FOMC、利上げ決定には「辛抱強さ」必要:識者はこうみる

2014年 12月 18日 10:59 JST
 
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[18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は16─17日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)に発表した声明で、事実上のゼロ金利を「相当な期間」維持するとしていた文言を修正し、利上げ決定には「辛抱強い」アプローチが必要との表現を採用した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<大和証券 ストラテジスト 弘中孝明氏>

「be patient」との表現を採用したことは、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策に対するスタンスを変更したというよりも、6カ月間とひも付けされていた「相当な期間」から焦点をずらし、景気動向次第で利上げなどの政策を行っていくという姿勢を強く示したと受け止めている。今冬の米景気動向を見極めてから、6月の会合で利上げ、もしくは声明文の表現の大幅な変更をしてくるとみている。年内のFOMCは良い形で終え、市場は米株高・ドル高で反応した。日本株もこれを好感する形で戻りを試すだろう。ただ年末にかけて市場参加者が乏しくなり、ボラティリティが高くなる可能性がありそうだ。原油安やギリシャ大統領選などに対する不安要素も依然くすぶっている。

<みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

フォワードガイダンスのキーワードを差し替えたことは、予想外だった。政策運営の柔軟性をさらに確保しようとする狙いがあると思うが、声明文で前のフォワードガイダンスと一貫性があることを強調したので、ハト派寄りの基本姿勢は変わっていない。

インフレ圧力がグローバルに弱い。原油価格の下落という一時的なものだけではなく、世界的に賃金が上がりにくくなっており、これまで以上に利上げに向けたハードルを高くしている。加えて、米国の住宅バブル崩壊後の調整局面の中で、グローバルに政治・経済の不安定な要因が数多くみられるので、市場の不安定な状況も利上げに対してはハードルになってくる可能性が高い。今回のキーワードの差し替えだけで、利上げが前倒しになったと見るのは早計だ。利上げの時期については2015年末ごろという見方を個人的に変えていない。

マーケットへの影響は声明文の解釈が為替はややタカ派的に受け止め、株式はややハト派的に受け止めており、温度差がある。   続く...

 
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インフレ不在が強いる「辛抱」

「忍耐」であろうが、他のどの美徳だろうが、要するにインフレが存在しないのだから米FRBは利上げできないということだ。
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 12月17日、米連邦準備理事会(FRB)は16─17日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)に発表した声明で、事実上のゼロ金利を「相当な期間」維持するとしていた文言を修正。ニューヨーク証券取引所で撮影(2014年 ロイター/Brendan McDermid)

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