「震災復興」理念に岩手大が全学改組へ
岩手大は17日、2016年度に全学的な学部学科の改組を実施すると発表した。理念の軸に東日本大震災からの復興を据える。現行4学部の学科を改組し水産学に特化したコースや理工学部を新設する。1949年に新制大学として発足後、全学規模の改組は初めて。
改組の理念は(1)震災復興・地域創生(2)イノベーション創出(3)グローバル人材育成−の三つ。
構想では農学部5学科を再編し、食料生産環境学科を新設。「水産システム学コース」を置く。生産や加工、環境など多角的な知識と技術を習得し、三陸の復興に貢献できる人材育成を目指す。定員は数十人。
水産学に特化したコースは同大で初めて。3年か4年時に同大三陸復興推進機構「釜石サテライト」(釜石市平田)に拠点を移すという。
工学部は理工学部に移行する。5学科を3学科に再編し、基礎科学に重点を置く。教育学部は生涯教育と芸術文化の2課程を廃止。教員養成に純化し、これまで推奨していた複数免許の取得を義務化する。
記者会見した西谷泰昭学長代行は「震災の経験を反映させた。長期的な復興に向け、人材を育てていく」と述べた。
改組案は来年3月に文部科学省に申請。認可は8月の見通し。在学生は卒業まで現行学部、学科に所属する。
2014年12月18日木曜日