【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は17日、対キューバ政策について演説し、1961年以来、国交を断絶していたキューバとの国交正常化交渉を始めると表明した。米国は数カ月以内にキューバの首都ハバナに大使館を設置する。米国のキューバ政策の歴史的な転換となる。
○キューバとの国交正常化交渉を開始 |
○首都ハバナの米大使館を再開へ |
○米国民のキューバ渡航規制を緩和 |
○キューバへの送金規制を緩和 |
○対キューバ禁輸を緩和 |
○キューバの金融機関との取引規制を緩和 |
○通信関連機器のキューバへの輸出を許可 |
○キューバのテロ支援国家指定見直しを開始 |
○キューバの人権状況改善、民主化支援を継続 |
オバマ氏が発表した新たな対キューバ政策の骨格は(1)国交正常化交渉の開始(2)米国民のキューバへの渡航規制の緩和(3)キューバへの経済制裁の緩和(4)テロ支援国家指定の見直し――など。米メディアによると、キューバが17日までに、同国で禁錮刑を受け5年間投獄されていた米国人受刑者を釈放したことなどが政策転換のきっかけになった。
米国とキューバは61年に国交を断絶。62年にはミサイル基地をめぐり海上封鎖する「キューバ危機」に発展した。ブッシュ前政権は経済制裁などキューバに対して強硬路線を敷いたが、オバマ政権は人権状況の改善などを条件に対話を探っていた。
オバマ、キューバ