暴風雪:根室「街が海みたい」高潮で1.5メートル浸水

毎日新聞 2014年12月17日 22時15分(最終更新 12月17日 22時22分)

高潮で浸水し、消防士に連れられて避難する住民=北海道根室市で2014年12月17日午前10時45分、本間浩昭撮影
高潮で浸水し、消防士に連れられて避難する住民=北海道根室市で2014年12月17日午前10時45分、本間浩昭撮影

 二つの低気圧が合体して勢力を急速に拡大した低気圧が、師走の北海道を襲った。根室市では満潮と重なった高潮が岸壁を越えて朝の住宅街に押し寄せ、住民らはボートで救助された。湿って重い大量の雪は、住民たちの除雪作業の大きな負担となり、道路では随所で車が立ち往生した。【本間浩昭、鈴木斉、酒井祥宏】

 根室市の浸水は最大で深さ約1.5メートルに達した。根室港では17日午前8時49分、海面の高さが通常よりも169センチ(速報値)高くなった。市は約730世帯約1500人に避難勧告を出し、最大で69人が避難。高潮は同日午前11時ごろから引き始め、正午ごろに浸水はほぼ解消した。

 同市緑町では、家から出られなくなった住民が2階などに避難。根室海上保安部は市からの要請で、ゴムボートを出動させて子どもを含む住民6人を救助した。同市の主婦、苅部朗子(あきこ)さん(59)は午前7時ごろに冠水に気づいた。「あっという間に海みたいになった。船も後ろ向きで街の中を流されていた」

 帯広市では16日までの積雪が2センチだったが、一晩で60センチの降雪量を記録。いきなりのドカ雪に市民は困惑した。すっぽり埋まった車の雪かきをしていた主婦(58)は「一度にこれだけ降るのは帯広では何年もなかった。雪も重く、腰が痛い」とうんざりしていた。

 除雪車は16日夜からフル稼働したが追いつかず、雪で狭くなった道路ではスリップして動けなくなる車が相次ぎ、ドライバー同士が力を合わせて押していた。市はホームページなどで「車での外出は極力控えて」と異例の呼びかけをした。

最新写真特集