九州電力の系統接続保留に端を発した固定価格買取制度(FIT)の見直し。昨日、経済産業省は受け入れ可能量を調査していた7電力について試算を発表しました。
これによると、7社合計の受け入れ可能量は計2368.6万キロワットなのに対し、太陽光の認定量は計4054万キロワット。半分近くが受け入れできない状況です。
経産省はこの試算を受けて、FIT(Feed in Tariff: 固定価格買い取り制度)の見直しを進めます。
小規模住宅からも買取を拒否することができるようにしたり、買取拒否の期間制限をなくしたり(今までは30日まででした)、受入停止の時間をより細かく設定できるようにしたり(現在は24時間単位)・・・などを検討しているようです。
仮にこれらの施策が実現すれば、法人・個人を問わず自然エネルギーへの参入意欲が減退し、間近に迫った電力自由化にとっても決 してプラスにはなりません。再生可能エネルギーは、原発に頼らないエネルギー源として、電力自由化による新規参入の主役として、積極的に推し進めなければならないのです。
急増する供給にインフラが対応できていないということであれば、短期的には制限もやむを得ないかもしれません。
しかし、政府が本気で原子力への依存度の低下と再生可能エネルギーの普及を目指しているのなら、あくまで緊急避難的な措置であることを明示し、地域間連係線の強化や蓄電池の開発、スマートグリッドの実現などの技術開発を今まで以上に積極的に取り組まなければなりません。
また、腑に落ちないのが、この試算発表のタイミングです。
昨日はJパワーが建設している大間原発の安全審査の申請もありました。建設中の原子力発電所の申請は初めてです。この大間原発は、函館市自ら、建設中止を求めて国とJパワーを訴えている原発でもあります。
大間の申請も、FITの見直しも、選挙前に発表されていれば、「原発とエネルギー政策」が重要な争点として浮上してきたのは間違いないでしょう。
実は2013年の選挙後にも同じようなことがありました。
参院選直後の7月23日に廃炉費用の電気料金への上乗せが認められる方針が示され、8月7日には、それまで東電に任せていた福島第一原発の汚染水対策に税金を投入する方針が明らかになりました。また、9月には廃炉に関する会計制度の変更が発表されました。
どれも選挙前に公表されていれば、間違いなく争点となった重要な事項です。
このような事が何度も起きるのは、自民党と官僚の隠ぺい体質を物語っていると見るほかありません。
国の行く末を左右するような問題をオープンにし、正々堂々と議論できなければ、どんなに議席を持っていても政権与党としては失格です。
記事
- 2014年12月17日 11:55
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