規制委:低レベル廃棄物検討会「人選に疑問」で差し戻し

毎日新聞 2014年12月17日 21時38分

 ◇規制庁の提案、原子力規制委が拒否は異例

 原子力規制委員会は17日、原発の廃炉などで生じる低レベル放射性廃棄物の規制を議論する検討会について、人選の透明性に疑問があるとして、事務局の原子力規制庁に差し戻した。規制庁の提案を委員会が拒否したのは異例だ。

 規制庁は同日の定例会で、検討会の委員として有識者の氏名を列挙したが、担当する規制庁職員の名前がなかった。更田(ふけた)豊志委員長代理は「表舞台で外部有識者の意見を伺い、舞台裏で作るというやり方は原子力安全・保安院の復活だ。明らかに透明性の減退で、不愉快だ」と激しく批判した。

 規制庁は、検討会での議論が長期化し、担当者の異動も考慮して職員名を記さなかったと釈明したが、更田氏は「外の先生に決めてもらうのは役所の責任回避。自らの名前で意見を言うことが職員の専門性を高める」と突き返した。規制庁は次回以降の規制委で、職員名を明記した案を再提出する方針。

 田中俊一委員長は同日の記者会見で「もっと気概を持ってやれという意味だと理解した。言う通りだと思う」と話した。【斎藤有香】

最新写真特集