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セミナー・イベントのご案内

講座 4月 内容 講師
17日(金) 中小出版社の営業はITで生まれ変わるのか? 高島 利行氏
16:00~ (語研 取締役営業部長)
POSデータ、出版VAN(新出版ネットワーク)、共有書店マスターなどの活用の仕方をご一緒に考えてみたいと思います。
 
 2009年4月17日に開催した「出版営業実践講座」で配布された資料をご紹介します。
なお、この資料は語研の高島利行取締役営業部長より許可を頂いて掲載しています。

無断転記禁止!

 
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2009417

出版営業実践講座

-中小出版社の営業はITで生まれ変わるのか)- 

中小零細出版社にも身近なものとなりつつあるPOSデータ(書店実売データ)や共有書店マスタ、新出版ネットワーク(出版VAN)といったIT(情報技術)は出版営業にも影響を及ぼしています。

かつては大変な労力の割に不正確なものでしかなかった売行き調査や書店の管理、電話やFAXでの頻繁なやりとりと大量の入力を伴っていた伝票や請求書の処理、何度も打ち合わせを繰り返しながらなかなか思うように進まなかった広告制作など、以前と比べると様変わりした業務も少なくありません。

これから先、さらに大きな変化もあるかもしれません。が、その中には変わらないものもあるはずです。現状をもう一度整理することで、変わらない本質とそれを生かすための前向きな変化について、改めて考えてみたいと思います。

 

POSデータで店頭の今を把握する。

 

POSデータとは何か?

「時間・場所・対象・数量・状態 = いつ・どこで・何が・いくつ・どうなった」を、販売時点において収集したデータ。

POSデータは結果であると同時に、目的を定め目標を設定するための手段である

営業活動の成績表

商品の実力を示す指標(市場の声)

目標を設定するための手段

店頭での実売という結果を表す数値は「POSデータ」以外に存在しない

実売データ以外に「店頭で売れた結果」を表す数値はない。

データによって裏付けされない勘はヤマカンでしかない。

正しい勘はデータによって裏付けされる。

「実売をなんとかしたい」のであれば必然的に「POSデータ」を見ることになる。

出版社がデータを使う目的

1.      売上予測と増刷部数の決定

2.      広告の効果測定と媒体の最適化

3.      ロングセラー商品の発見

4.      機会損失の減少

5.      価格戦略の見直し

6.      他社競合商品との比較

7.      購買層の分析

8.      無駄な受注の抑制と効率化(=返品率の減少)

9.      販売効率の向上(ABC分析=売行き良好書の絞り込みと死に筋の排除)

 

使用しているPOSデータの紹介とそれぞれの特徴

PubLineWeb(紀伊國屋書店)

窓口:(株)紀伊國屋書店 店売推進部 PubLineWEB

TEL03-3354-0247 FAX03-3354-0249

URL http://publine.kinokuniya.co.jp/

日次・オンライン。月額10万(※DLはプラス従量制)

紀伊國屋チェーン63店舗  出版社300社弱が使用(11/20現在)

自社・他社の売上だけでなく、入荷・返品・在庫も照会可能

各種分析機能なども充実

PubLineでできること

日次の実売データから立ち上がりの勢いがわかる → 販促の予定がたてられる

返品のタイミングがわかる → 返品のタイミングを遅らせる販促が可能になる

広告の効果がわかる → 広告媒体の選定ができる

在庫・返品データから在庫状況がわかる → 追加補充の営業ができる

返品状況がわかる → 配本・補充の見直しができる

他社のデータから自社を含むジャンル毎の売上がわかる → ジャンルの全体的な盛衰を判断し、自社の売上の良し悪しを判断できる

自社と他社の数字が比較できる → 自社の相対的な立場を確認できる

自社・他社の単品毎の売上がわかる → 企画の良し悪しを参照できる

他社の重点企画・販促手法がわかる → 自社の強みを理解し他社との差別化を図るための具体的な販売戦略を立てられる

PubLineでできないこと

他チェーンとの比較ができない → 紀伊國屋書店だけに重点的に営業をかけてしまい、結果的に偏った結果になってしまうことがある

サンプルとして充分な数とは言えない → PubLineの数字だけで判断してしまうのは危険

データの変化が紀伊國屋書店が原因の場合に判断できない → 新規店開業で売上増・退店で売上減など、紀伊國屋書店が原因の変動についてより注意が必要

時系列のデータ表示なので年度ごとの比較などができない → 前年同時期との比較などができないので、季節モノの判断が難しい

ジャンル分けが紀伊國屋書店独自のものなのでジャンルが別の商品群との比較が難しい 

P-Net(三菱総研DCS

窓口:三菱総研DCS株式会社 P-NET / S-NET サポートセンター

TEL03-3458-8257

URL http://www.dcs.co.jp/solution/type/book.html#pnet

日次または月次(月額5万程度)

データは専用サイトからダウンロード

個別のチェーン毎に別途契約が発生する場合あり(要確認)

全国4000店舗以上(月次)  300社以上が使用

自社の売上のみ

自前でデータを扱うのが難しい社に分析用のアプリをリース方式で提供している

店舗毎のデータを活用するためには書店情報の整備が重要(共有書店マスタなどがあるとデータがより活用できる)

P-Netでできること

店舗数・チェーン数が多いので実売の全体をかなり正確に推測できる → より正確な実売・市中在庫の予測が可能に

個店・単品毎の実売がわかる → 営業による個店毎の細かい対応・より正確な新刊配本も可能に

P-Netでできないこと

実売データのみなので在庫・返品状況がわからない → 増刷の判断の際に判断が難しくなる場合がある

うれ太(ジュンク堂書店)

窓口:ジュンク堂書店池袋本店 システム担当・木戸様

TEL03-5956-6111 FAX03-5956-6100

URL http://www.junkudo.co.jp/uretakana/

日次(年間1万)

データは専用サイトからダウンロード

33店舗(外商部含む、11/20現在)

自社・他社の売上・在庫

ブラウザでの閲覧・照会も可能

うれ太でできること

データの内容としてはPubLineと同様のことが可能(返品を除く)だが、ブラウザでの閲覧・照会機能はPubLineには及ばない。詳細な集計等はダウンロードしたデータを自社で集計することになる。

在庫データをダウンロードできるので個店・単品単位での集計等が可能。

うれ太でできないこと

PubLineでできないこととほぼ同様。

データが2年間しか保持されないため、息の長い商品の掘り起こしなどはそのままでは難しい(ダウンロードデータを自社で蓄積すれば可能)

 

共有書店マスタで店舗の管理を実現する。

 

共有書店マスタとは何か

全国の書店に固有のID(以下、共有書店コードと表記します)を割り振り、書店の販売データ(POSデータ)などをマーケティングデータとしてより有効に活用しよう、という目的で作られた「日本の書店のデータベース」

窓口:有限責任中間法人共有書店マスタ・ユーザ会(Webサイトから申し込み)

URL http://www.ksmaster.jp/

入会金10万、負担金1万/月

入会に際しては有限責任中間法人共有書店マスタ・ユーザ会の承認が必要

 

共有書店マスタは他のデータと組み合わせてこそ意味がある

POSデータ

受注データ

販促データ

FAX・郵送DMリスト

新規店・廃業店の把握は共有書店マスタで

新規開店依頼が確実に来ない出版社では特に重要

取次の番線とコードにも対応

電話注文の管理(短冊記票も含む)などに活用

共有書店マスタを使うための前提

ユーザ会が用意したデータベースでできることは限定的

基本的な検索や一括出力などが可能

データを関連付けるためにはデータベースが必須

ACCESSSQLを利用

MySQL+PHPでアプリケーションのコストを最小化

コードによる店舗管理

社内のあらゆるデータに書店コードを

システムとの連携には外部の協力が不可欠

VANとの連携はシステム会社の協力が不可欠

書店受注サイトの構築や既設の書店受注サイトへの参加にもシステム会社の協力は必須

 

新出版ネットワーク(出版VAN)で取次と接続する

 

新出版ネットワーク(出版VAN)とは何か

新出版ネットワーク(出版VAN)とは、取次と書店をオンラインで結ぶためのネットワークとその運営のための仕組み

--- 以下、「出版営業の方法」(http://www.pot.co.jp/shuppaneigyouh/新・出版ネットワークあるいは出版vanの今と.htmlから引用

 新・出版ネットワークとは「出版社と取次を結ぶ道」だと考えてください。まず道がないと行き来ができないですね。でも道を通しても行き来が無ければ意味がない。ではせっかく通した道に何を通すか。最初は書誌情報と在庫情報を通すことになりました。
 書誌情報は実際の商品と関連付けられないといけないので結局あまり使われませんでした。後に、「商品基本情報センター」が提案され徐々に普及しています。
 在庫情報は「商品が確実に入手可能か否か」を判断するために取次と出版社だけでなく書店にとっても日常的に重要な情報です。ですが、在庫情報は変化する情報でもあります。「出庫可能」のはずの商品が出荷できなかったといった状況を避けるために在庫の状態を表す「在庫ステータス」はどんどん複雑化していきました。見直しが必要だということで提案はされていますが、なかなか進んでいないのが現状です。
 とはいえ、在庫情報は新・出版ネットワークで実際にやりとりされることで取次の情報にも反映され、結果的に書店や読者の利便性を高めています。
 次にやり取りされるようになったのは取次から出版社への発注データです。売上に直結するデータなのでこれは大きな意味を持っています。それまでの書誌情報や在庫情報は出版社から取次への一方通行でしたが、受注データは出版社が出荷日の確認を返すことで取次→出版社→取次という双方向のやりとりになりました。

--- 引用終了

新出版ネットワーク(出版VAN)でやりとりできる情報

新出版ネットワーク(出版VAN)では多様なデータが直接取次とやりとりできる。

書誌データ(出版社→取次)

新刊の書誌データ

実際にはあまり使われていない。(取次の窓口に入れた見本での登録が使われている)

在庫情報(出版社→取次)

新刊・既刊の在庫ステータス(未刊:23、在庫あり:11、品切・重版未定:32、絶版:33、他)

取次の在庫情報に反映(書店も閲覧可能)

取次在庫とは無関係

受注データ(取次→出版社→取次)

取次が書店などから受けた注文

取次倉庫の在庫分

書店毎の明細または商品毎の明細

返品データ(取次→出版社)

直受注データ(出版社→取次→出版社)

出版社が書店などから受けた注文

商品付きと新方式(在庫活用)

営業ツールとしてのパソコン

販促物や書店向けのチラシなど、営業がパソコンを使って行う作業も増えています。

注文書の作成

売上ランクを入れて返品を減らす

EXCELで作る注文書は追加や削除が簡単

書店向けFAX

作りやすいアプリケーションで

書店の視点で(本当に売れているのか? 本当に大絶賛なのか?)

FAX番号リストの管理と運用は慎重に

POP

手書きにこだわる必要はない

重要なのは目立つこと

アイディアが煮詰まったら他のPOPや広告を真似しよう

 

広告媒体としてのインターネット

メディアとしてのオンライン書店

メディアとしての書店

ブロガー

新聞書評の衰退とアルファブロガーの登場

掲示板

クチコミと悪評

自社サイト

営業ツールとしての活用は?

メールマガジン

衰退したのか?

 

参考資料等

●「出版営業の方法」 http://www.pot.co.jp/shuppaneigyouh/ 

●うれ太のダウンロードデータ加工用ツール(版元ドットコムのサイト内)

http://www.hanmoto.com/news/2008/11/18/jtool/ 

●『どすこい出版流通』(田中達治・著)

ポット出版 ISBN978-4-7808-0117-0 定価:1,800円+税 

●新文化(Webサイト) http://www.shinbunka.co.jp/ 

●文化通信(Webサイト) http://www.bunkanews.jp/

  


【お問合せ先】

株式会社 光和コンピューター TEL:03-3865-1981 担当:鈴木 

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