大阪市入れ墨調査懲戒処分訴訟　市が敗訴

橋下市長の指示で大阪市が実施した入れ墨のアンケート調査で懲戒処分を受けた安田匡さん（５６）が処分の取り消しなどを求めて市を訴えた裁判で大阪地裁は１７日、訴えを認める判決を言い渡した。大阪市職員の不祥事が相次いでいた２０１２年、大阪市が市職員対象に入れ墨の有無を尋ねたアンケート調査を実施した。安田さんは「入れ墨はないが調査はプライバシーの侵害だ」として回答を拒否したところ懲戒処分を受けた。安田さんは市を相手どり訴えを起こしたがその後、上司である交通局長が「提訴の取り下げ」を要求。断った安田さんはバスの運転手から事務処理業務を行う部署への転任を命じられたため、処分の取り消しや損害賠償を求めてさらに裁判を起こしていた。きょう大阪地裁は、アンケート調査が「社会的差別をあおる個人情報を原則収集してはならない」とする市の条例に違反すると指摘。配置転換についても裁判を受ける権利を侵害する不当なものだとして、市に対し２つの処分の取り消しと１１０万円の支払いを命じた。安田さんは「当然の結果。元の職場に戻って働きたい」と話した。大阪市は今年に入り、労働組合との対立をめぐる２つの裁判でも敗訴している。(12/17 18:24)