Financial Times

ロシア、深夜の利上げが呼び覚ます亡霊

2014.12.17(水)  Financial Times

(2014年12月15日付 英FT.com)

雪景色の赤の広場、新年祝う準備も着々と ロシア

ロシア中銀はルーブル防衛に必死になっているが・・・〔AFPBB News

中央銀行が通貨を防衛するために利上げする時は必ず、死にもの狂いになっているように見えるリスクを冒す。真夜中に利上げした場合は特にそうだ*1。ロシア中央銀行は不快になるほど、それを認識しているだろう。

 ロシア中銀は先週、政策金利を丸1%引き上げたが、債券市場はその2倍の利上げに備えており、ルーブル安が続いた。

 15日の取引終了までに、ルーブルは対ドルで年初から50%以上下げ、当局は対応を迫られた。だが、それと同時に、中銀が今や必要な信認を失ったというリスクも高まった。

英国を襲ったブラック・ウェンズデーの記憶

 この出来事は1992年9月の「ブラック・ウェンズデー(暗黒の水曜日)」を彷彿させる。イングランド銀行がドイツマルクに対する英ポンドの目標為替レートを防衛しようとして、最初に10%から12%へ、次に15%へと金利を引き上げた時のことだ。

 ジョージ・ソロスを筆頭に、ヘッジファンドは金利がこんな水準にとどまることはあり得ないと考え、ポンドを売り続けた。英国はまた夜間の緊急発表でポンド安を容認し、翌日、金利を9%に引き下げた。

 最近では、今年1月、トルコ中央銀行がリラの下落を阻止するために、夜間に金利を2倍以上に引き上げた。この作戦は奏功し、金利は夏に再び低下し始めた。だが、トルコはその後、原油安の恩恵を受けるはずの石油輸入国であるにもかかわらず、新興国通貨の急落に巻き込まれ、リラは現在、深夜の介入時よりも安くなっている。

 他の石油輸入国も同じ問題を抱えており、資本逃避のリスクを暗示している。ファンドマネジャーは、償還請求に応じるために、売れるものを売っているのかもしれない。

 一方、ロシアの問題は今も、同国が石油に依存していることだ。中央銀行の作戦が成功するためには、原油価格の回復が必要なのかもしれない。
 

*1=ロシア中央銀行は16日未明に政策金利を一気に6.5%引き上げて年17%にすると発表した

By John Authers
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【あわせてお読みください】
・「ロシア経済:思っている以上に切迫した危機
( 2014.11.25、The Economist )
・「ロシア経済:ルーブル暴落の足音
( 2014.11.19、The Economist )
・「ルーブル危機の再来、過去の危機と違う理由
(2014.11.11、Financial Times )

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