宇多田ヒカルが「Automatic/time will tell」で1998年12月にデビューしてから丸15年、「人間活動に専念する」として表立ったアーティスト活動を一時休止してからも、すでに4年の月日が経過している。
一時活動休止中も新曲「桜流し」(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』テーマソング)を2012年に発表したり、ラジオレギュラー番組「KUMA POWER HOUR」(InterFM)に登場したこともあったが、本格復帰はまだ未定。
そんななか、15周年イヤー記念アルバム『First Love -15th Anniversary Edition-』(2014年3月10日)や、著名アーティストによる“ソングカバー・アルバム”『宇多田ヒカルのうた −13組の音楽家による13の解釈について−』(同12月9日)が発売され話題になっている。後者は、第一線で活躍するソングライターたちが、宇多田ヒカルの楽曲をカバーするというコンセプトの作品で、井上陽水「SAKURAドロップス」、椎名林檎「Letters」、岡村靖幸「Automatic」、浜崎あゆみ「Movin’ on without you」、AI「FINAL DISTANCE」など参加アーティストのファンの間でも注目されるアルバムだ。
そしてもう1つ『宇多田ヒカルのうた』と同時に発売された『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1』(オリジナルは2004年発売)および『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2』(同2010年発売)の最新リマスタリングによる高音質なハイレゾ音源が話題だ。ダウンロードサイトでは各アルバムが個々に販売されているのだが、実は今回、2作品を1つのUSBメモリーに収めた『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD』というパッケージ商品も、完全数量限定で5000個だけ発売されているのだ。
2万1600円(税込み)という高額商品ながら出足好調だというが、なぜ配信販売するハイレゾ音源をわざわざパッケージ化したのか。
デビュー以来、宇多田ヒカルの作品を手がけてきた、ユニバーサルミュージック Virgin Records 部長 沖田英宣氏に話を聞いた。