衆院選:「おわび行脚」小渕優子氏大差で6選 群馬5区
毎日新聞 2014年12月14日 22時47分(最終更新 12月14日 22時58分)
群馬5区では、関係政治団体で政治資金の不明朗な会計処理問題が発覚し、経済産業相を辞任した自民前職の小渕優子氏(41)が「おわび行脚」と「どぶ板選挙」で他の候補に大差をつけ、6回目の当選を果たした。疑惑についての小渕氏の説明はいまだにないが、陣営内に「みそぎは済んだ」との空気が広がった。
開票開始の午後8時過ぎに「当選確実」が報じられると、高崎市では支持者が万歳。黒のスーツ姿の小渕氏は深々と頭を下げた後、「これまでに経験がない苦しい戦いだった。皆様の期待に応えられるよう誠心誠意、精いっぱい頑張りたい」と一言一言かみしめるようにあいさつした。
支援者向けの観劇会で収入と支出が一致しないなどの不明朗な会計処理問題については「有権者に十分な説明ができないまま選挙になり、大変申し訳なく思う。(東京地検特捜部の)捜査に協力し、第三者による調査も進める。疑念を払拭(ふっしょく)できるよう、説明させていただきたい」と述べた。
2000年に父恵三元首相(故人)の地盤を引き継いで以来、大差で当選を重ねてきた。前回は、他候補の応援で全国を飛び回り、地元滞在は約7時間のみ。今回は公示直後から選挙区内を回り、有権者に直接謝罪した。
街頭演説は多い日に40カ所以上。「大変なご心配やご迷惑をおかけしました。日本のため、ふるさと群馬のために働かせてほしい」と涙ながらに訴えた。支持者から「優子ちゃんは悪くないよ」などと激励される場面も。
有権者の間には「謝罪するだけで公約も訴えないなら、何のために選挙に出たのか分からない」という声もあったが、陣営幹部は「本人が直接謝ることで政治資金の問題についても一定の理解を得られた」と振り返った。【角田直哉】