衆院選:維新の橋下共同代表「結果が全て。惨敗だ」

毎日新聞 2014年12月14日 23時35分(最終更新 12月15日 01時07分)

記者会見で質問に答える維新の党の橋下徹共同代表=大阪市北区で2014年12月14日午後9時5分、西本勝撮影
記者会見で質問に答える維新の党の橋下徹共同代表=大阪市北区で2014年12月14日午後9時5分、西本勝撮影

 「選挙は結果が全て。負けは負け。大阪の小選挙区が半減するとしたら惨敗だ」。退潮傾向となった維新の橋下徹共同代表(大阪市長)は午後9時前、大阪市内のホテルに設けた維新の開票センターで記者会見し、与党大勝を許した選挙戦を振り返った。一方、深夜に単独で会見した松井一郎幹事長(大阪府知事)は大阪府内の比例代表で第1党になる見通しになったとして「土俵際で残った。統一選でもう一勝負できる」と大阪都構想の実現へ強気の一面も見せた。

 橋下氏の会見には松井幹事長も同席し、予定を大幅に超えて1時間以上に及んだ。背後に置かれたボードには当選議員の名前はまばらなまま。2人とも終始、厳しい表情を崩さず、時折、ぶぜんとした様子も見せた。

 敗戦の原因について橋下氏は「地方議員の経験のないまま国会議員になった1年生議員の中には勘違いしている人もいる。政党としてのガバナンス(統治)をきかせていく」と党の立て直しに向けて危機感をのぞかせた。一方で、「(党の国会議員の)人間性や道徳性を高めるつもりはないが、もっと政策立案や与党を追及する能力を極めていくべきだ」「野党として(安倍政権との)けんかのやり方が最悪だ」などと持論を展開した。

 躍進した前回は民主政権や自民など既存政党を批判し、無党派層を指す「ふわっとした民意」をつかんだ。橋下氏は「前回選が異常で、根拠のない期待感があったが、党の実態が見え始めた面がある」と振り返る一方、「(前身の日本維新発足から)まだ2年しかたっておらず、地域に根差した組織もない我々がこれだけの票を得た」として影響力を維持したことを強調した。

 大阪都構想の実現を目指す維新にとっては、来春の統一地方選が正念場となる。前回選と打って変わって大阪府内の小選挙区で苦戦したことを受け、橋下氏は「府議会、市議会では自民、公明が対決姿勢を強めるだろう」としながらも「最後は住民投票で決めるので、比例票を考えれば(今回の選挙結果は)影響しない」と強気の姿勢を見せた。【熊谷豪、重石岳史、松井聡】

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