衆院選:沖縄の民意は一つ 非自民の4人「辺野古断念を」
毎日新聞 2014年12月15日 14時06分(最終更新 12月15日 16時40分)
14日の衆院選で躍進した共産党。全国の小選挙区で18年ぶりに当選した沖縄1区の前職を含め、1996年の小選挙区比例代表並立制導入後初めて九州で3議席を獲得した。沖縄では残る3選挙区でも米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する非自民の候補が自民前職を破った。安倍晋三首相が移設推進の姿勢を崩していないことについて一夜明けた15日、4人は「沖縄の民意を理解すべきだ」と改めて求めた。
沖縄1区の共産前職、赤嶺政賢さん(66)は那覇市の自宅で取材に応じ「県民が米軍基地の過重な負担に耐えられなくなり、そのマグマが国政に移設反対を訴えようと大きな力として働いた」と勝因を分析。18年ぶりの議席獲得には「一点で共闘すれば勝てるということが示せた」と喜び、「民意を得られていない移設は米国も困惑するだろう」と日米両政府をけん制した。
赤嶺さんを含め、翁長雄志(おなが・たけし)知事を誕生させた保革共闘グループが支援した非自民の4人はこの日、地元紙の当選者座談会などの日程を忙しくこなした。4区の無所属新人、仲里利信さん(77)は「夢の一夜みたいだ」と初当選を喜んだ後、「知事選から流れがぶれなかった。沖縄の民意を国民に知ってもらうことが必要だ」と表情を引き締めた。
2区で5選を果たした社民前職の照屋寛徳さん(69)は「翁長知事と一緒に日米両政府に民意を具体的に訴えたい」と意気込みを語り、3区で3選した生活前職の玉城デニーさん(55)は自民前職4人全員が小選挙区で敗れた選挙結果について「移設反対を実現してほしいという県民の声と安倍政権に対する批判の結果だ」と話した。
一方、翁長知事は報道陣の取材に「沖縄の四つの選挙区で辺野古に新基地を造らせないという衆院議員が誕生した。粛々と埋め立てができるかというと大変厳しいと思う」と改めて述べた。翁長知事は年内にも上京し、政府に移設反対の民意を伝えたいとの考えを示している。【鈴木一生、山本太一、比嘉洋】