沖縄知事:「地元の意向…辺野古移設は絶対に許されない」

毎日新聞 2014年12月15日 19時47分(最終更新 12月15日 20時25分)

 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は15日、衆院選で沖縄の全4小選挙区で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に反対を訴えた非自民候補が、辺野古移設を容認する自民前職を破った結果について「地元の意向からすると辺野古移設は絶対に許されない」と述べた。

 安倍晋三首相は15日の記者会見で「沖縄の選挙結果は大変残念で、結果は真摯(しんし)に受け止めたい」と話す一方、普天間飛行場移設について「辺野古への移設が唯一の解決策だという考えに変化はない」と移設を進める考えを改めて示した。

 翁長知事は首相の発言に「今年は名護市長選、名護市議選、知事選、衆院選と、辺野古に新しい基地は造らせないという政策を掲げた候補が沖縄では全部勝ってきた」と述べたうえで「辺野古移設は絶対に許されない。安倍首相は沖縄県民の民意をしっかりと受け止め、民主主義国家として(移設問題を)解決してほしい」と語った。

 辺野古移設に反対する沖縄の民意が改めて示された衆院選直後の安倍首相の発言に、県民からも憤りの声が上がった。普天間飛行場に隣接する宜野湾市の新城(あらぐすく)区自治会の与那覇政勇(よなは・せいゆう)会長(66)は「安倍首相はなぜ沖縄の声に耳を傾けないのか。本土では移設問題が争点にはならず『長いものには巻かれろ』の結果が与党の圧勝だった。だからといって沖縄の民意を無視して良いわけではない」と語った。

 一方、翁長知事は15日、11月の知事選で仲井真弘多(なかいまひろかず)氏を支援した宜野湾市の佐喜真淳(さきま・あつし)市長と県庁で会談。普天間飛行場の早期返還や危険性除去の実現を求めた佐喜真氏に対し、翁長知事は「前県政に引き続き最重要課題として取り組んでいく」と話した。年内にも上京し、政府と協議する意向を示した。【佐藤敬一、鈴木一生】

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