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なんかむかつく事例中和されたプリキュアの中には、フィット感とはまた別の軸で心にざわめきをもたらす者もいる。もうここまでで十分にむかついているとも思うのだが、さらに拍車をかける奴がいるのだ。 
なんか腹立つ 
	フィット感はまずまずと言えるこの事例。ただ、出来映えとは別の意味で、なんだか腹立たしくさせられるのはなぜだろうか。 
 なぜなのか 
	 謎が解けたかも 
	それはきっと、ポージングの問題なのだと思う。正式版が乙女チックなポーズを取っていることで、中和が不十分になって、見る者に怒りに近い感情を起こすのだと思う。そういう意味で、私自身の罪ではないのだ。 
現役プリキュアファンとの対峙ここまでは1人遊びだったが、プリキュアの中和という実験をしたからには、その結果を世に問いたく思う気持ちが湧いてくるのも必然だろう。 
 正式版が透けて見える裏面側でセット 
	 できたら現在進行形でプリキュアに夢中のファンに判断を仰ぎたい。そういうわけで、プリキュアを毎週見ているという知人の娘さんを自宅に招くことにした。 
中和版プリキュアは、裏返すと正式版が透けて見えるのでちょうどいい。ここから逆転させて、このプロジェクトの成果を見てもらおう。  プリキュアってキラキラし過ぎて目に悪くないかな? 
	 やってきた娘さんに、まずはレジャーシートの柄見本カードを見せる。「プリキュアが好きって聞いたけど、これだよね?」と聞くと、「うん!」と元気に答えてくれた。 
よし、確認オッケー。ここで中和版レジャーシートを裏返して「じゃあ、どのプリキュアが好き?」と聞いてみた。 とりあえず無言 
	 広げた瞬間、素早く後ずさってお父さんの陰に隠れてしまった。不穏を察して回避する能力を5歳にしてしっかり持っている賢明な娘さんだ。 
「どれが好きかな?どれかな?」と聞くも、答えはない。  怖がらなくていいんだよ 
	 距離を詰めようとしない 
	 それでも繰り返し「どれが好きか言っていいんだよ」と聞くと、ついに「全部イヤだ」と答えてくれた。わかっていたけど、それが正解である。 
「これもひとつの、正義と悪の戦いなんだよ…」と言ってはみたものの、言葉は虚しく通り過ぎていくだけだ。  「こっちは本物だから!信じて!」 
	 こういうこともあろうかと思って、いたずらしてない正式版のプリキュアぬりえを用意しておいた。これは本物だから、ちゃんとしたやつだから、大丈夫だから…。 
プリキュアのビジュアルショックで閉ざされた心を開くには少し時間がかかったが、受け取ってくれたのでなんとか信じてくれたのだと思う。  おっ、慣れてきたかな? 
	 怖いもの見たさってあるよね 
	そのあとみんなで食事をするうちに、ショックが癒されてきたのか自らシートに近づいて遊び始めた。さらにすると、チラッとめくって中和版プリキュアを確認しているではないか。 
 恐怖はもう克服できたんだね 
	 怖いもの見たさ的にめくっているのかと思っていたが、シートを改めてよく見た娘さんが言った言葉は「私もこれ、やりたい!」。 
そう、自分をプリキュア化した今回の試みは、現役ファンの「自分もプリキュアになってみたい」という気持ちと結びついたのだ。考えてみればあり得る話しだが、この展開は予測していなかった。 よし、おじさんにまかせとけ!36人分もやったから制作ノウハウはばっちりあるのだ。  子供がやるとちゃんとかわいくはまるんだね 
	プリキュア用の写真を撮り、先ほど渡したぬりえに加工して娘さんのプリキュア化は完了。ぬりえがこうした形で心を通わせるきっかけになったのも意外だ。 
感動的な和解 
	 渡してみると「うわーっ!」と声をあげて喜んでくれた娘さん。表情もまがいのない笑顔だ。さっきは驚かせてごめんね。 
でも、おじさんのしたことがこんな風に生かされて喜んでくれるなんて、本当に嬉しい。プリキュアを中和するはずだった私の心がいつの間にか中和されて、そこには優しい風が吹きはじめていたのだ。  もう僕は1人じゃない 
	孤独にもがくだけだった自分に、子供と出会ったことで訪れたケミストリー。こんなはずじゃなかった。単にふざけてるだけのつもりだった。 だけど、どうしてこんなに爽やかな気持ちなんだろう。 全くの盲点だった。「自分もプリキュアになりたい!」という、女の子の夢をうっかり叶えてしまった。なのに、ありがとうと言いたいのはこっちの方だ。 
 
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