ImageX のコマンド ライン オプション
適用対象: Windows Vista
ImageX は Windows Vista のコマンド ライン ツールであり、Windows イメージ (.wim) ファイルの作成や管理に使用できます。.wim file には 1 つ以上のボリューム イメージや、インストールされている Windows オペレーティング システムのイメージが含まれるディスク ボリュームが含まれています。
ボリューム イメージを変更するには、Windows XP Service Pack 2 (SP2)、Windows Server 2003 Service Pack 1 (SP1)、または Windows Vista を実行しているコンピュータに Windows Imaging File System Filter (WIM FS Filter) ドライバをインストールする必要があります。WIM FS Filter ドライバをインストールすると、.wim ファイルをディレクトリのようにマウントできるようになり、イメージを抽出したり再作成しなくても、Windows エクスプローラなどのファイル管理ツールでボリューム イメージの参照、コピー、貼り付け、編集を実行できます。
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これらのコマンド ライン オプションは個別に実行する必要があります。キャプチャした .wim ファイルの場所を指定しない場合は、処理によって自動的に ImageX ディレクトリに作成されます。たとえば、/capture オプションを使用し、"D:\Imaging\Data.wim" ではなく "Data.wim" と入力すると、Data.wim ファイルが ImageX ディレクトリに作成されます。 |
ImageX のコマンド ライン オプション
ImageX コマンド ライン オプションの構文は次のとおりです。
imagex [フラグ] {/append | /apply | /capture | /delete | /dir | /export | /info | /split | /mount | /mountrw | /unmount} [パラメータ]
次の一覧は、各種類の imagex 操作で使用する有効な構文を示します。
imagex /append イメージパス イメージファイル {"説明"} {/boot | /check | /config構成ファイル.ini | /scroll | /verify}
imagex /apply イメージファイル イメージ番号 イメージ名 イメージパス {/check | /ref | /scroll | /verify}
imagex /capture イメージパス イメージファイル "名前" {"説明"} {/boot | /check | /compress [種類] | /config | /flags "エディションID" | /norpfix | /scroll | /verify}
imagex /delete イメージファイル イメージ番号 イメージ名 {/check}
imagex /dir イメージファイル イメージ番号 イメージ名
imagex /export ソースファイル ソース番号 ソース名 宛先ファイル 宛先名 {/boot | /check | /compress [種類] | /ref [分割されたwim.swm]}
imagex /info イメージファイル[イメージ番号 | イメージ名] [新しい名前] [新しい説明] {/boot | /check}
imagex /mount イメージファイル イメージ番号 イメージ名 イメージパス {/check}
imagex /mountrw イメージファイル イメージ番号 イメージ名 イメージパス {/check}
imagex /split イメージファイル 分割ファイル サイズ {/check}
imagex /unmount イメージパス {/commit}
操作 | 説明 | ||||||||
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imagex /append イメージパス イメージファイル {"説明"}{/boot | /check | /config構成ファイル.ini | /scroll | /verify} |
ボリューム イメージを既存の Windows イメージ (.wim) ファイルに追加します。ファイルのインスタンスを 1 つ作成し、.wim ファイルに既に存在するリソースと比較します。このため同じファイルを 2 回キャプチャすることはありません。
イメージパス 追加する既存の .wim ファイルの名前と場所を指定します。 イメージファイル 既存のファイルを追加するボリューム イメージの名前と場所を指定します。 "説明" 追加の参照情報を示すテキストを指定します。二重引用符は必須です。 また、下記のオプションを設定することもできます。 /boot 起動可能なボリューム イメージとしてマークします。このオプションは Windows PE イメージにしか適用できません。.wim ファイルでは、1 つのボリューム イメージしか起動可能としてマークできません。 /check .wim ファイルの整合性を確認します。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 /config 構成ファイル.ini 構成ファイルの名前と場所を指定します。このファイルは必要に応じて名前を変更できます。 /scroll リダイレクトのために出力をスクロールします。 /verify エラーおよびファイルの重複をチェックすることにより、ファイル リソースを検証できます。 次に例を示します。 imagex /append d:d:\imaging\data.wim "Dドライブ" /verify |
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imagex /apply イメージファイル イメージ番号 イメージ名イメージパス {/check | /ref | /scroll | /verify} |
ボリューム イメージを、指定したドライブに適用します。
イメージファイル ディレクトリに適用するボリューム イメージの名前と場所を指定します。 イメージ番号 .wim ファイル内の特定のボリュームを参照する番号を指定します。 イメージ名 .wim ファイル内のイメージを識別する名前を指定します。 イメージパス イメージを適用するファイル パスを指定します。 スクリプトを使用してこのオプションを実行する場合を除いて、この手順の開始前にはハード ディスクのパーティションをすべて作成する必要があります。ディレクトリ構造に /apply オプションを使用する場合は、このオプションには指定したディレクトリのすべてのサブディレクトリおよびファイルが含まれます。
また、下記のオプションを設定することもできます。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 /ref 分割されたwim.swm 分割された .wim ファイル (SWM) の参照を有効にします。分割されたwim.swm は、追加の分割ファイルの名前および場所です。ワイルドカードを使用できます。 /scroll リダイレクトのために出力をスクロールします。 /verify エラーおよびファイルの重複をチェックすることにより、ファイル リソースを検証できます。 次に例を示します。 imagex /apply d:\imaging\data.wim 1 d:\New_Directory /verify |
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imagex /capture イメージパス イメージファイル "名前" {"説明"} {/boot | /check | /compress [種類] | /config | /flags "エディションID" | /norpfix | /scroll | /verify} |
ボリューム イメージをドライブから新しい .wim ファイルにキャプチャします。キャプチャしたディレクトリにはすべてのサブフォルダおよびデータが含まれます。空のディレクトリはキャプチャできません。ディレクトリには少なくとも 1 つのファイルが必要です。
キャプチャ操作中は、高速圧縮が自動的に適用されます。別の種類の圧縮が必要な場合は、/compress オプションを使用します。 イメージパス キャプチャするボリューム イメージの名前と場所を指定します。 イメージファイル 新しい .wim ファイルの名前と場所を指定します。 "名前" 新しい .wim ファイルの名前を指定します。この値は必須です。二重引用符は必須です。 "説明" 追加の参照情報を示すテキストを指定します。この値は省略可能です。指定する場合、二重引用符は必須です。 また、下記のオプションを設定することもできます。 /boot 起動可能なボリューム イメージとしてマークします。Windows PE イメージでのみ利用できます。.wim ファイルでは、1 つのボリューム イメージしか起動可能としてマークできません。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 /compress [maximum | fast | none] 最初のキャプチャ操作で使用する圧縮の種類を指定します。maximum オプションは最高の圧縮率を提供しますが、イメージのキャプチャに最も時間がかかります。fast オプションではイメージの圧縮時間が短くなりますが、圧縮後のファイルのサイズは maximum オプションを使って圧縮したファイルに比べて大きくなります。これは、このパラメータを空白のままにした場合に使用される既定の圧縮の種類でもあります。none オプションは、キャプチャしたイメージをまったく圧縮しません。
/config 構成ファイル.ini 構成ファイルの名前と場所を指定します。このファイルは必要に応じて名前を変更できます。
/flags "エディションID" キャプチャしようとする Windows のバージョンを指定します。Windows セットアップでカスタムの Install.wim ファイルを再展開する場合、/flags 値が必要になります。二重引用符は必須です。ImageX を使用してイメージを展開する場合、このフラグは必要ありません。有効なエディションID 値は、次のとおりです。 HomeBasic HomePremium Starter Ultimate Business Enterprise ServerDatacenter ServerEnterprise ServerStandard /norpfix 再解析ポイント タグの修正を無効にします。指定した場合、image_path 外のパスに解決される再解析ポイントはキャプチャされません。 /scroll リダイレクトのために出力をスクロールします。 /verify エラーおよびファイルの重複をチェックすることにより、ファイル リソースを検証できます。
次に例を示します。 imagex /capture d:d:\imaging\data.wim "Dドライブ" /verify imagex /compress fast /flags "Ultimate" /check /scroll /capture c:d:\install.wim "Windows Vista Ultimate" |
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imagex /delete イメージファイルイメージ番号イメージ名{/check} |
複数のボリューム イメージを持つ .wim ファイルから、指定したボリューム イメージを削除します。このオプションは、メタデータ エントリおよび XML エントリのみを削除します。ストリーム データの削除や、.wim ファイルの最適化は実行しません。 ファイルをマウントするとディレクトリに含まれているすべての情報を表示できますが、変更はできません。パラメータを指定しないでマウントする場合は、このオプションはすべてのマウントしたイメージを一覧表示します。 イメージファイル 削除に指定した .wim ファイルの名前と場所を指定します。 イメージ番号 .wim ファイル内の特定のボリュームを参照する番号を指定します。
イメージ名 .wim ファイル内のイメージを参照する名前を指定します。 また、下記のオプションを設定することもできます。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 次に例を示します。 imagex /delete d:\imaging\data.wim 1 |
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imagex /dir イメージファイルイメージ番号イメージ名 |
指定したボリューム イメージ内のファイルおよびフォルダの一覧を表示します。 イメージファイル 表示するボリューム イメージの名前と場所を指定します。ボリューム イメージを指定しない場合は、このオプションは、.wim ファイル内のすべてのボリューム イメージを一覧表示するディレクトリを返します。 イメージ番号 .wim ファイル内の特定のボリュームを参照する番号を指定します。 イメージ名 .wim ファイル内のイメージを参照する名前を指定します。 次に例を示します。 imagex /dir d:\imaging\data.wim 1 |
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imagex /export ソースファイルソース番号ソース名 宛先ファイル 宛先名 {/boot | /check | /compress [種類] | /ref [分割されたwim.swm]} |
指定した .wim ファイルのコピーを別の .wim ファイルにエクスポートします。エクスポート元およびエクスポート先のファイルは同じ圧縮の種類を使用していなければなりません。イメージを新しいイメージ ファイルにエクスポートして最適化することもできます。イメージを変更すると、ImageX によって追加のリソース ファイルが保存されるので、イメージの全体のサイズが増加します。イメージをエクスポートすると、不要なリソース ファイルが削除されます。
ソースファイル コピーするイメージを含んでいる .wim ファイルのファイル パスを指定します。 ソース番号 .wim ファイル内の特定のボリュームを参照する番号を指定します。 ソース名 コピー元の .wim ファイル内のイメージを識別する名前を指定します。 宛先ファイル イメージのコピー先となる .wim ファイルのファイル パスを指定します。 宛先名 コピー先の .wim ファイル内のイメージに使用する一意の名前を指定します。 また、下記のオプションを設定することもできます。 /boot 起動可能なボリューム イメージとしてマークします。Windows PE イメージでのみ使用できます。.wim ファイルでは、1 つのボリューム イメージしか起動可能としてマークできません。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 /compress [maximum | fast | none] 最初のキャプチャ操作で使用する圧縮の種類を指定します。maximum オプションは最高の圧縮率を提供しますが、イメージのキャプチャに最も時間がかかります。fast オプションではイメージの圧縮時間が短くなりますが、圧縮後のファイルのサイズは maximum オプションを使って圧縮したファイルに比べて大きくなります。これが、このパラメータを空白のままにした場合に使用される既定の圧縮の種類です。none オプションは、キャプチャしたイメージをまったく圧縮しません。 /ref 分割されたwim.swm 分割された .wim ファイル (SWM) の参照を有効にします。splitwim.swm は、追加の分割ファイルの名前および場所です。ワイルドカードを使用できます。 次に例を示します。 imagex /export d:\imaging\data.wim d:\imaging\sample.wim 1 |
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imagex /info イメージファイル[イメージ番号 | イメージ名] [新しい名前] [新しい説明] {/boot | /check} |
指定した .wim ファイルの、格納されている XML 表記の説明を返します。これには通常、全体のファイル サイズ、イメージのインデックス番号、ディレクトリ数、ファイル数、および説明が含まれます。 イメージファイル XML データの説明を返す .wim ファイルの名前と場所を指定します。 イメージ番号 .wim ファイル内のイメージを識別する番号を指定します。 イメージ名 .wim ファイル内のイメージを識別する名前を指定します。 新しい名前 指定したイメージに使用する新しい一意の名前を指定します。 新しい説明 指定したイメージに使用する新しい説明を指定します。 また、下記のオプションを設定することもできます。 /boot 起動可能なボリューム イメージとしてマークします。Windows PE イメージでのみ使用できます。.wim ファイルでは、1 つのボリューム イメージしか起動可能としてマークできません。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 次に例を示します。 imagex /info d:\imaging\data.wim |
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imagex /mount イメージファイルイメージ番号イメージ名イメージパス {/check} |
Windows XP Service Pack 2 (SP2)、Windows Server 2003 Service Pack 1 (SP1)、または Windows Vista から指定したディレクトリに、読み取り専用のアクセス許可を使用して .wim ファイルをマウントします。 ファイルをマウントするとディレクトリに含まれているすべての情報を表示できますが、変更はできません。
イメージファイル 指定したイメージを含む .wim ファイルのパスを指定します。 イメージ番号 .wim ファイル内の特定のボリュームを参照する番号を指定します。 イメージ名 .wim ファイル内のイメージを参照する名前を指定します。 イメージパス 指定したイメージをマウントするファイル パスを指定します。 また、下記のフラグを設定することもできます。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 次に例を示します。 imagex /mount d:\imaging\data.wim 2 c:\mounted_images |
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imagex /mountrw イメージファイル イメージ番号 イメージ名 イメージパス {/check} |
Windows XP Service Pack 2 (SP2)、Windows Server 2003 Service Pack 1 (SP1)、または Windows Vista から指定したディレクトリに、読み取りおよび書き込みのアクセス許可を使用して .wim ファイルをマウントします。 ファイルをマウントすると、ディレクトリに含まれているすべての情報を表示および変更できます。
/mountrw オプションでは、.wim ファイルへの排他的アクセスが必要です。したがって、現在 /mount オプションまたは /mountrw オプションを使用してイメージをマウントしている場合、/mountrw オプションを使用することはできません。
イメージファイル 読み取りおよび書き込みのアクセス許可を使用してマウントする .wim ファイルの名前と場所を指定します。 イメージ番号 .wim ファイル内の特定のボリュームを参照する番号を指定します。 イメージ名 .wim ファイル内のイメージを参照する名前を指定します。 イメージパス 指定したイメージをマウントするファイル パスを指定します。 また、下記のオプションを設定することもできます。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 次に例を示します。 imagex /mountrw d:\imaging\data.wim 2 c:\mounted_images |
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imagex /split イメージファイル 分割ファイル サイズ {/check} |
既存の .wim ファイルを複数の読み取り専用の分割 .wim ファイル (.swm) に分割します。
イメージファイル 分割する既存の .wim ファイルの名前と場所を指定します。 分割ファイル 分割ファイルのファイル パスを指定します。 サイズ 作成されるファイルあたりの最大サイズ (MB) を指定します。 このオプションは、指定したディレクトリに .swm ファイルを生成し、指定した イメージファイル と同じ名前を各ファイルに付けますが、番号と .swm ファイル名の拡張子が追加されます。たとえば、Data.wim という名前のファイルを分割する場合、このオプションは Data.swm ファイル、Data2.swm ファイル、Data3.swm ファイルなどを作成し、分割された .wim ファイルの各部分を定義します。 また、下記のオプションを設定することもできます。 /check .wim ファイルの整合性をチェックします。指定しない場合は、既存のチェックは削除されます。 次に例を示します。 imagex /split d:\imaging\data.wim 600 |
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imagex /unmount イメージパス {/commit} |
指定したディレクトリから、マウントしたイメージをマウント解除します。
イメージパス ファイルのマウントを解除するディレクトリの完全パスを指定します。ディレクトリを指定しない場合は、このオプションはすべてのマウントされたイメージを一覧表示します。
次に例を示します。 imagex /unmount /commit c:\mounted_images |
/verify および /check オプション
/verify オプションと /check オプションは、.wim ファイルに対するファイルの検証およびデータの整合性サポートを提供します。
/verify オプションにより、キャッシュへの書き込みとエラーのチェック、およびファイルの重複が検証されます。/verify オプションでは、ディスクのフラッシュ、ライト スルー、またはシステム キャッシュのバイパスはサポートされていません。/verify オプションにより、キャプチャ操作中、キャプチャ済みの元のファイルが読み取られ、バイトごとに比較されます。適用操作中、/verify オプションにより、適用されたファイルのハッシュ値が再計算され、キャプチャ操作中に生成されたハッシュ値と比較されます。
/check オプションは .wim ファイルの破損を検出するように設計されています。/check オプションがキャプチャ操作中に設定されなかった場合、フラグは適用操作中無視されます。キャプチャ操作中、/check オプションにより、.wim ファイルの 10 MB データ ブロックごとに一連のハッシュ値が生成され保存されます。適用操作中、/check オプションにより、ハッシュ値が計算され 10 MB ブロックごとに、キャプチャ操作中に保存されたハッシュ値に対して検証されます。
/verify および /check オプションは適用操作中のパフォーマンスに影響を与えます。イメージの検証とデータの整合性を最も効果的に行うために、/verify オプションと /check オプションの両方を使用することをお勧めします。
ImageX のエラー コード
エラー コード | 説明 |
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0 |
成功 |
1 |
無効なコマンド ライン オプション |
2 |
WIMGAPI の失敗 |
3 |
無効な構成スクリプト |
4 |
アクセスの拒否、管理者特権が必要 |
関連項目