作業をする場ではなく仕事を創造する場へ
あなたのオフィスは「やる気」が出るか?
あなたの会社のオフィスは、社員にとって仕事をやる気が出るオフィスだろうか。それとも、やる気が出ないオフィスだろうか――。
そう問われても、ピンとこない経営者や総務・人事責任者は少なくないかもしれない。しかし世の中の流れを見ると、自社のオフィス事情に無頓着ではいられない現実がある。今、ビジネス環境・働き方の変化が起こっているからだ。
東京大学大学院の伊藤元重教授は、「『働く』という言葉には『レイバー(Labor)』、『ワーク(Work)』、『プレイ(Play)』の3種類がある」(経済産業省「経済産業ジャーナル」2012年8・9月号)と指摘している。産業革命による機械の発達により、人々はレイバー(肉体労働)から解放され、機械を操作するワークを得てワーカーとなった。そして今、ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)の発達によりワークは縮小し、「人間にしかできない質の高いプレーヤーとしての仕事が増えていく」(伊藤教授)というのである。
そうなると、これからのビジネスパーソンには、新しい価値の創造や質の高い成果を、ますます厳しく求められるようになっていく。それに伴い、オフィスは単に「作業をこなす」のではなく、「仕事を創造する」場となっていくべきだろう。
そんな重要な意味を持つオフィスが、何らかの理由で社員にとって「仕事をやる気が出ない場所」「仕事の能率が上がらない場所」だったとしたら、会社の業績はちっとも上向かないだろう。ビジネスパーソンにとってオフィスは、1日の大半を過ごす場所。社員のモチベーションを上げ、固定概念に縛られずに柔軟な発想をしやすい場へと、変えていかなくてはならない。
また、優秀な人材を集め、さらに「ずっとここで働きたい」「ここなら仕事がはかどる」と自社に定着させる目的でも、オフィスは重要な役割を果たす。オフィスは会社の顔であり、会社の考え方が具現化された場所だからだ。オフィスは人事採用とも切り離せないものになっている。
市場競争が厳しさを増すなか、こうした価値観の変化に対応できない企業が生き残ることは難しい。業績の伸び悩みを感じている企業は、一度自社のオフィスを見直してみる必要がある。オフィスづくりは「経営戦略の1つ」と心得よう。