タワーレコードのアイドル専門レーベル・T-Palette Recordsのライブイベント「T-Palette感謝祭 2014」の東京公演が、12月13日に東京・品川ステラボールにて開催された。
T-Palette Recordsのアイドルたちが一堂に会するこのイベント。今回は来年より新たに仲間に加わるアイドルネッサンスの加入発表もあり、総勢10組が揃い踏み。グループの垣根を越えたコラボレーションも「T-Palette感謝祭」の醍醐味となっているが、今回は音楽のコラボではなく、各グループの代表者が腕相撲で競う新企画「Tパレ王座決定戦~アームレスリング対決~」が行われ、大きな波乱とドラマを生んだ。
開演時間になると、まずはレーベルの代表を務める嶺脇育夫タワーレコード代表取締役と、プロインタビュアー吉田豪がステージに上がり、1番手のキャラメル☆リボンを呼び込む。キャラメル☆リボンの3人は初のトップバッターに緊張した様子を見せながらも、はつらつとしたパフォーマンスで6曲を歌い上げ、バニラビーンズへとバトンを渡した。T-Palette Recordsに立ち上げから携わるバニビのレナ&リサは、「Tパレは好きですかー?」と観客を煽りつつ、最新シングル「有頂天ガール」など5曲を披露。現在はニューアルバムの制作に取りかかっていることを明かし、ファンを喜ばせた。続いて登場したのは、当日愛知からやって来たしず風&絆~KIZUNA~。1曲目の「ワンダーパレード」から観客を煽りまくり、ペットボトルの水を口から噴射したり、ステージ袖の嶺脇社長を神輿担ぎにしたりと、激しいパフォーマンスで会場を沸かせた。
3組のライブが終わったところで、新企画「Tパレ王座決定戦~アームレスリング対決~」へ。ステージ上には世界アームレスリング連盟の公式競技台が運び込まれ、各グループの代表者2名が出揃う。優勝賞品が「叙々苑の商品券」と知らされると、全グループのメンバーが大興奮。事前に組まれたトーナメント表に従って、まずは1回戦の8試合が行われた。キャラメル☆リボン・上野天音はアントニオ猪木のマスクで気合を入れるも空回りで、ワンリルキスの藤村鼓乃美に惜敗。「優勝しか見えていない」と意気込むアップアップガールズ(仮)の森咲樹は、lyrical schoolのayakaに対し圧倒的なポテンシャルの差を見せつけ勝利する。プラニメ・カミヤサキはしず風&絆~KIZUNA~の立花風香をねじ伏せ、NegiccoのMeguはT-Palette Recordsの同期であるバニビのリサに勝利した。上野の雪辱に燃えるキャラメル☆リボン・深田聖奈はhinaを破り、ここで早くもlyrical schoolは全滅。心底商品券が欲しかったバニビのレナは健闘虚しくしず風&絆~KIZUNA~の立花美空に惨敗した。ワンリルキスの古木のぞみはプラニメ・ミズタマリを追い込むも、持久力が伴わず逆転負け。そして優勝候補と目され人一倍気合の入っていたアプガ・佐保明梨が笑顔のNegicco・Nao☆に敗れるというまさかの波乱で、トーナメント1回戦は幕を下ろした。佐保は悔し涙を流しながら「アームレスリング用のトレーニングを積んで来年は優勝します」と早くも次回大会への意気込みを見せた。
佐保の敗退に場内が騒然とする中、続いてはLinQの姫崎愛未によるソロプロジェクト・amihimeが登場し、人気ボカロPたちが手がけるオリジナルナンバー5曲を披露。「T-Palette感謝祭 2013」での電撃加入から1年、いまだCD作品を発表する機会のないamihimeは、ライブ後のMCで嶺脇社長に直談判でCDリリースへの意欲を見せた。続いてステージに上がったプラニメは、今年の夏にレーベルに加入したばかり。2人はアクロバティックなパフォーマンスで楽曲を畳み掛け、最後は1月6日にシングルリリースを予定している新曲「UNIT」を初披露した。次のワンリルキスは、中村一義が作詞・作曲を手がけた「ワンリルキス」、のこいのこ「まる・さんかく・しかく」のカバーなど6曲を歌い、自他ともに認める「絡みづらいMC」で司会の嶺脇社長と吉田豪を困惑させた。
司会の2人はここで、2015年からの新しい仲間としてアイドルネッサンスの加入を発表。招待客として会場に来ていたアイドルネッサンスの7人に突然スポットが当たり、困惑する7人はそのままステージに来るよう促される。状況が飲み込めないままステージに上がったアイドルネッサンスは、念願だった「全国区でのCDリリース」が約束されていることを知り大喜び。彼女たちは3月24日にT-Palette Records第1弾シングル(タイトル未定)を発表する予定だ。7人は急遽パフォーマンスを披露するため、ひそかに用意されていた衣装に着替えることに。アイドルネッサンスが退席すると、入れ替わりでアームレスリングの競技台が再び運び込まれ、「Tパレ王座決定戦」2回戦へと突入した。
2回戦第1試合は、佐保の雪辱を背負いさらなる気合を見せるアプガ森とワンリルキス藤村の対決。森は気迫十分の横綱相撲で藤村をねじ伏せ、準決勝へとコマを進める。続いてプラニメ・カミヤとNegicco・Meguの対決はMeguの勝利。Nao☆もシードのamihimeを破り、ダークホースNegiccoが2人揃って準決勝へ。しず風&絆~KIZUNA~立花は覆面レスラーのキャラメル☆リボン深田を抑えベスト4に残った。準決勝ではやはり圧倒的な腕力の差でMeguを倒した森、あれよあれよと勝ち進んだNao☆がそのままの勢いで立花をも制圧。奇しくも親友同士である森とNao☆による頂上決戦となった。Nao☆と戦うことが決定した森は涙を流しながらも、あくまで頂点を目指す構え。観客が固唾を飲んで見守る中、最後は熱戦の末、森の右手がNao☆の右手をゆっくりと沈めた。予想を超えるドラマチックな展開となった初の「Tパレ王座決定戦」。次回以降の開催も楽しみにしておこう。
アイドルネッサンスによるBase Ball Bearのカバー「17才」のパフォーマンスを挟み、イベントはいよいよ終盤戦へ。11月に東京・LIQUIDROOMでのワンマンライブを成功に収めたlyrical schoolは、「FRESH!!!」「プチャヘンザ!」「PRIDE」など6曲を畳み掛け、場内を一気に自分たちの色に染め上げていく。また彼女たちはこのステージ上で、11月のワンマンを収めたライブDVDが1月27日にリリースされることを発表し、ヘッズ(ファンの総称)を喜ばせた。続いて入場曲「overture(仮)」に乗せて勢いよく登場したアップアップガールズ(仮)は、最新シングル「Beautiful Dreamer」からライブを開始。わずか4曲ながらアスリート並の全力パフォーマンスを見せ、観客を圧倒した。この日のトリを飾ったNegiccoは、アプガの熱を引き継ぐように「ときめきのヘッドライナー」「トリプル!WONDERLAND」と勢いのあるナンバーを連発。「圧倒的なスタイル」ではおなじみのラインダンスにアプガの7人も加わり、10人で仲良く肩を組んだ。そしてラストの最新シングル曲「光のシュプール」では、客席のファンがシングルのオリコン週間ランキング5位を祝福する横断幕を掲げるサプライズが。3人は涙を流しながらも最後まで元気に歌い切った。
エンディングは出演グループ全メンバーがステージに集い、広瀬香美が歌った冬の大ヒット曲「ロマンスの神様」を全員でパフォーマンス。にぎやかなマイクリレーで2014年の「T-Palette感謝祭」を締めくくった。なお12月26日(金)18:30より配信されるUstream番組「南波一海のアイドル三十六房 スペシャル編~T-Palette Records感謝祭2014~」では、およそ6時間におよんだステージの模様が丸ごと紹介されるのでお観逃しなく。