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【フィギュア】
大会中も卒論執筆、関大「町田」悪夢のフリーで最下位…欠場も考えた
悪夢のフリーだった。出場3度目の町田は初の表彰台を逃しただけでなく、最下位に沈んだ。冒頭の4回転を含めジャンプで3度転倒。頭の中を整理しようと時折、顎に手を当てて考え込み「壁にはね返されて悔しい」と険しい表情で語った。
「壁」とはベートーベンの「交響曲第9番」で目指す理想のこと。ジャンプの間にステップやターンをちりばめた演目は「針の穴を通すくらいの緻密さ」が求められるという。表現者として自ら上げたハードル。「演技は恥ずべきものだったが、後悔はない。苦難を乗り越えた先に光はある」と信念はぶれなかった。
文武両道を常とし、大会中も卒論執筆で睡眠時間を削った。調整不足のため一度は出場辞退届を出した。次戦は26日からの全日本選手権。昨季銀メダルに輝いた世界選手権の切符が懸かる重要な試合へ「歯車をかみ合わせてみせる」と執念を見せた。(共同)