南京:式典に習主席出席 事件77年、日本をけん制
毎日新聞 2014年12月13日 11時40分(最終更新 12月13日 14時21分)
【北京・工藤哲】日中戦争期の1937年に旧日本軍が中国・南京を占領した際、多数の中国人を殺害した南京事件から77年となった13日、犠牲者を追悼する式典が江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」で開かれた。式典には習近平国家主席ら中国共産党政治局常務委員をはじめ1万人余りが出席した。中国指導部は今年、12月13日を初の「国家哀悼日」と定め、国家主催の式典と位置づけた。こうした記念日を創設して歴史問題で日本をけん制する一方、国民の愛国心を鼓舞し、指導部の求心力を高める狙いがある。
式典には、事件の際に生き残った人や、ロシアや韓国の歴史記念館の関係者らが出席。式典の様子は国営中国中央テレビ(CCTV)が生中継した。習主席は式典で「中国を侵略した日本軍は人類に反する罪を犯した」と演説し、「改ざんは許されない。大虐殺の事実を否定することを13億の中国人民は受け入れない」と述べた。また「中国と日本の両国人民は友好を維持し、未来に向かって貢献すべきだ」などと語った。
全国人民代表大会(全人代=国会)は今年、日本が降伏文書に署名した翌日の9月3日を「抗日戦争勝利記念日」、9月30日を近代以降の革命闘争や戦争で犠牲となった「烈士」をたたえる「烈士記念日」とする議案を採択しており、「国家哀悼日」の創設もこうした流れの一環だ。中国政府は、先月の日中首脳会談の後も安倍晋三首相の靖国神社参拝を強く警戒しており、中国外務省関係者は「もし再び参拝したら、日中関係は大変な事態になる」と強調している。