沖縄:翁長知事が初登庁…「民意、政府と話す」
毎日新聞 2014年12月10日 12時21分(最終更新 12月10日 13時28分)
11月16日の沖縄県知事選で初当選した翁長雄志(おなが・たけし)知事が10日、県庁に初登庁した。就任会見で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画について「辺野古に新基地は造らせないことを県政運営の柱にしていく。知事選で(移設反対の)民意が出たので政府としっかり話をさせてもらいたい」と述べ、移設計画を進める政府に断念を求めていく考えを改めて示した。
前那覇市長の翁長氏は知事選で辺野古移設反対を訴え、移設推進の必要性を主張した仲井真弘多(なかいま・ひろかず)前知事に約10万票差をつけて当選した。
昨年末の仲井真前知事による辺野古の埋め立て申請の承認について、翁長知事は「法律的な瑕疵(かし)がないかを検証しながら、専門家の意見も踏まえて判断を下していく」と述べ、承認の取り消しや撤回を視野に検証を進めていく考えを改めて示した。沖縄防衛局が県に申請している辺野古埋め立ての工法変更については「現段階で見ても中身が乱暴だと思っているのでしっかり検証していく」と語った。
翁長知事は、沖縄の基地問題について「来年は戦後70年になるが、全国の0.6%の面積の沖縄に74%の米軍専用施設があるのはいくらなんでも理不尽だということをベースに、日本の安全保障は日本国民全体で考えてもらいたいと訴えていく。沖縄の過重な基地問題は国民全体で考えてほしい」と強調した。
「世界一危険な飛行場」と指摘される普天間飛行場の危険性の除去については「戦後、沖縄が自ら基地を提供したことは一度もなく、沖縄の側が代替施設を考えなくてはいけないのは理不尽だ。ぜひ日本政府はしっかり対応してほしい」と語り、県外移設を求めていく考えを強調。政府が昨年末に仲井真前知事に約束した普天間飛行場の5年以内の運用停止などの基地負担軽減策については「可能であれば実現に向けて力を貸していただきたいが、県政としては辺野古新基地は認められない」と述べた。【佐藤敬一、鈴木一生】