秘密保護法:野党、施行時期批判の声も
毎日新聞 2014年12月10日 19時13分(最終更新 12月10日 22時25分)
特定秘密保護法が10日に施行されたのを受け、野党からは「知る権利を縛りかねない」などと反発する声が上がった。衆院選の最中だけに、施行時期を批判する声も。一方、政府は「知る権利が損なわれることはない」(世耕弘成官房副長官)と懸念払拭(ふっしょく)に躍起で、公明党は「チェック強化に努める」との談話を発表した。
自民党の谷垣禎一幹事長は同日夜、東京都内で記者団に、知る権利との兼ね合いについて「(特定秘密の)対象は厳密に安全保障関係の4項目(分野)に限定されているし、正当な取材活動は正当な業務行為になり、違法性は阻却(そきゃく)される」と述べ、懸念は当たらないとの認識を示した。
民主党の枝野幸男幹事長はさいたま市で記者団に、「国民の知る権利を守る観点から法律の中身は不十分だ。衆院解散により、不十分な国会の監視システムすら設けないまま法施行するのは二重、三重に問題がある」と語った。福山哲郎政調会長も同市で「民主党政権でこんな法律はだめだ、とお蔵入りした特定秘密保護法を蔵から出したのは自民党政権」と批判した。
維新の党の江田憲司共同代表はブログで、「安倍政権は昨年12月、特定秘密保護法の採決を強行した。自民党に300を超える議席を与えれば、1党独裁で強行採決の連続になる」と懸念を示した。
生活の党は「権力は腐敗するから、監視しないといけない。情報公開制度が不十分なままの法施行は国民主権、民主主義の危機だ」との談話を発表。社民党の又市征治幹事長は「民主主義の根幹に関わる法律を総選挙中に施行するのは言語道断で、強く抗議する。法の即時廃止を求める」とコメントした。【村尾哲】