藤井元財務相:集団的自衛権「衆院選で一番重要な問題」
毎日新聞 2014年12月10日 19時20分(最終更新 12月10日 20時07分)
衆・参院で計9期議員を務めた藤井裕久・元財務相(82)が10日、福岡市中央区で開かれた「毎日・世論フォーラム」(毎日新聞社主催)で講演した。衆院選の争点について「集団的自衛権が日本の将来を変えてしまう一番重要な問題だ」と主張し、論争が深まっていないことに懸念を示した。
藤井氏は幼少期の戦争体験を交えて「集団的自衛権の行使は絶対反対」と述べ、米国との軍事同盟につながる恐れを指摘。第二次世界大戦中の日独伊三国同盟で、事実上の仮想敵国とした米国と日本が戦火を交えたことを例に「現状は戦争と紙一重だ」と危機感を示した。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」については「強い者をより恵まれた者とする政策で非正規社員が増えた。雇用の安定を図るべきだ」と批判した。
藤井氏は自民、自由などを経て民主に入り、内閣官房副長官、財務相などを歴任。2012年の衆院選は出馬せず、政界を引退した。【平川哲也】