衆院選:「力」はあなたに いとうせいこうさん、投票訴え

毎日新聞 2014年12月13日 13時19分(最終更新 12月13日 14時33分)

いとうせいこうさん=2013年11月2日、鶴谷真撮影
いとうせいこうさん=2013年11月2日、鶴谷真撮影

 ◇ネットで共感広がる

 「『自分一人が投票したところで何も変わらないと思う一人』が投票すると社会が変わる」。作家のいとうせいこうさん(53)が、衆院選にあたってつづった文章が、インターネット上で共感を呼んでいる。ツイッターやフェイスブックでの転載は4万5000件を突破。読んだ人々は「選挙に行きたくなった」、「若い人に読んでほしい」などとコメントを書き込んでいる。

 タイトルは「一羽の鳥について(あらゆる選挙に寄せて)」。政治情報サイト「ポリタス」に3日掲載された(http://politas.jp/articles/213)。

 いとうさんは、無党派層の「私たち」を渡り鳥の群れに例え、群れが突然、旅に出るきっかけとなるのは「一羽の鳥」だと説く。「私たちが変わったところで政治家が変わらないのだから意味がない」と考えるのは、「政治不信というキャンペーン」によって「無力」さを刷り込まれているからだと指摘。選挙期間中「むしろ無力なのは選挙に落ちるかもしれない政治家の方」で「結果を決めるのは『私たち』以外にない」と訴えている。

 ツイッター上で「納得できた」「行動を起こすことが大事」などとつぶやかれ、1万1000回以上リツイート(転載)された。約3万4000人がフェイスブックで取り上げ、鳥の映像に文章の朗読を組み合わせて独自に作った動画を投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で公開する人もいる。

 いとうさんはサイト上で「自由に近くの人にお配りください」とコメントしている。【鈴木泰広】

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