秘密保護法:管理監に法務官僚…指定、解除など検証
毎日新聞 2014年12月10日 12時49分
国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法が10日、施行された。政府は、同法の運用を監視する内閣府の初代の独立公文書管理監(審議官級)に、法務省法務総合研究所研修第1部長、佐藤隆文氏(52)を同日付で充てる人事を発表した。また、独立公文書管理監を中心に行う運用監視を所管する閣僚として、有村治子少子化担当相を充てる方針を決めた。同法の運用に関する事務は引き続き上川陽子法相が所管する。
佐藤氏は1990年検事任官。法務省官房参事官、千葉地検刑事部長などを経て、今年7月から現職。法務省経験も長く、参事官時には予算編成に携わった。独立公文書管理監を補佐する情報保全監察室の初代室長も兼務する。
世耕弘成官房副長官は10日午前の記者会見で「検事も経験し、調査などの手法に精通している」と起用の理由を説明。「国民の知る権利が損なわれることは絶対ないと示したい」と強調した。
独立公文書管理監は、特定秘密の指定・解除、管理が適切かどうかを検証・監察する▽指定権限を持つ19行政機関に資料提出や説明、実地調査を求める▽不正があれば指定解除などの是正措置を求める−−などの権限を持つ。しかし強制力はなく、「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれ」があれば省庁は資料提出などを拒否できる。【高橋克哉、松本晃】
◇【独立公文書管理監】
佐藤 隆文氏(さとう・たかふみ)90年検事。千葉地検刑事部長などを経て14年7月から法務総合研究所研修第1部長。52歳。東京都出身。