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ドクターナギ 短編 完結 レス返し
日時: 2013/12/04 16:49
名前: masa

初めての方は初めまして。ご存知の方はこんにちはmasaです。

今回はタイトル通りです。

時系列はこの際無視してください。

では、本編開始です。
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ここは世にも珍しい執事付きの物件・ムラサキノヤカタ。別名ゆかりちゃんハウス。
いつも通りの朝が来ていた。


「おはようございます、ハヤテ君」
「おはようございます、マリアさん」

起きてきたマリアさんは、すでに起きて仕事をしているハヤテといつも通り挨拶を交わしていた。

「何かお手伝いする事あります?」
「もうほとんど終わっているので、無いですよ」
「では、私はお庭の掃除してきますね」

そう言うと、マリアさんは台所を出て庭に出た。
そして、最近の日課である家庭菜園をチェックし箒を持ち出して掃除を始めた。

少しすると、運動着に着替えたヒナギクが出てきた。

「おはようございます。今朝もランニングですか?」
「ええ。朝走らないと、気分がでない物で」

軽く会話を交わし、ヒナギクはランニングに出かけた。そしてマリアさんは空を見上げ

「良い天気ですわね。良い事が起こりそうな予感ですね」

マリアさんは鼻歌を歌いながら掃除を続けた。


                    × ×


場所は少し変わり、アパート内の千桜の部屋。

「うう〜ん。朝か」

目覚まし時計に起こされた千桜は何とか起き上がった。

「うう眠い。でも、起きない訳にはいかんしな。生徒会があるし」

ちなみに、千桜が寝不足なのは、昨日は夜遅くまでナギとカユラのゲームの相手をさせられていたためである。

「起きないと。ヒナに怒られる」

欠伸を連発させながら制服に着替え、洗面所で顔を洗って居間に向かった。


居間に着くと、誰も居なかった。

「あれ?綾崎君、寝坊か?マリアさんは、庭かな?」

外から声が聞こえてきたので、そう判断した。

「仕方ない。朝食は自分で作るか」

そう思って台所に目を向けると、コンロの火が付いたままの状態が目に入り

「不用心だな。火事になったらどうするんだ」

小声で文句を言いながら台所に近付くと

「何だ、綾崎君いるじゃないか。寝てるけど」

床に寝転ぶハヤテが目に入り、ハヤテの傍に来て

「起きろ、綾崎君。こんな所で寝るなんて君らしくないぞ。起きろって」

ゆすりながらそう言ったが、ハヤテの応答は無く

「ったく。ナギじゃないんだから起きろって」

そう言ってハヤテを上向きにした途端、ある違和感に気付いた。

「綾崎、君?」

流石におかしいと思い始め、ハヤテを調べた。すると、呼吸は無く、脈拍を測ると極めて弱弱しかった。

「お、おい。変な冗談は止めろよ。今日はエイプリルフールじゃないぞ」

必死でハヤテに呼びかけたが、やはり反応は無く、脈拍は弱る一方だった。
その事で、普段冷静な千桜も焦り

「マリアさん、マリアさんどこですか?マリアさーん」


場所は変わり庭。

鼻歌を歌っていたマリアさんはアパート内から自分を呼ぶ千桜の声を聞き、声からただ事ではないと悟って急いだ。

「千桜さん、どうなさってんですか?」

マリアさんが見ると、ハヤテがぐったりしていた。

「な、何があったんですか?」
「分からないんです。私が起きて来たらもう倒れてて」

焦る千桜を宥めつつ、マリアさんもハヤテを調べ、呼吸が無い事と脈拍が相当弱っている事を理解し、

「もしもし?救急車をお願いします」

携帯で救急車を呼んだ。


                      × ×


ヒナギクがランニングから帰ってくると、アパートの周辺が騒がしく、近寄ると救急車が来ていた。
ヒナギクは野次馬をかき分け、救急車に近付くと、ハヤテが運ばれて行くところが目に入り、千桜が心配そうに見ているところも見え、千桜に声をかけた。

「何があったの?」
「分かんないんだ。朝起きたら綾崎君が倒れてて」
「ハヤテ君が?」

2人が話している間にマリアさんが付き添いで救急車に乗り込み、発車して行った。

「と、とりあえず。皆を起こしましょ」
「そ、そうだな」

2人はアパート内に入り、住人を起こした。勿論事情を説明したうえで。

「ハヤテ、大丈夫かな」
「大丈夫よ。きっと」

この場のだれもがヒナギクの言葉に説得力が無い事は分かっていたが、口にしなかった。
そして、時が止まったかのような気まずい時間が流れ、玄関の電話が鳴った。

大慌てで全員が電話の元に向かい、ナギが電話に出た。

「もしもし?」
『あ、ナギ?今すぐ来れる?』
「マリア、何があった?」
『私も聞かされてないの。とりあえず、SPさんに電話しておいたから、こっちに来て。お医者さんが呼んでるから』

電話は切れ、ナギは受話器を置き、部屋に戻って着替えた。
数分後には迎えの車が来て、ナギは1人で行くつもりだったが、他の住人も一緒に行くと言い出したので、戸締りをして全員で行く事になった。


                     × ×


病院に着くと、入口付近の待合室でマリアさんが待っており、ナギ達を確認すると、医者に呼ばれた部屋の前まで移動し、ナギとマリアさんだけ部屋の中に入った。

「ハヤテ君大丈夫だよね、ヒナさん」
「大丈夫よ。ハヤテ君はあの黒い生命体より頑丈なんだから」
「だな。綾崎君はガン○ムの生まれ変わりだしな」

皮肉るカユラだったが、いつもの様な冷静さが言葉には無かった。
そして、ルカとアリスは今にも泣きだしそうだった。
千桜はせめて自分だけは冷静でいようと、深呼吸をした。


そして室内。

「あの先生、ハヤテ君・・患者はどうだったんですか?」
「教えてくれ。頼む」

医者は明らかに様子がおかしく、凄く言いにくい事を言おうとしている顔だった。

「正直、辛いだけかもしれません。それでも聞きたいですか?聞くだけの覚悟がありますか?」

医者の宣告にナギは表情が曇ったが

「大丈夫だ。全部を受け入れる覚悟があるから、話してくれ」
「私にもあります。先生、お願いします」

医者はナギとマリアさんの決意を眼にし、

「分かりました。ここからは全て本当の事を言いましょう」

この時の医者の言葉はナギの心に一生残る物になった。


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以上です。
次回は続きです。
では。

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Re: ドクターナギ 短編 ( No.1 )
日時: 2013/12/06 20:10
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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前回、ハヤテは突然倒れ、病院に担ぎ込まれた。そしてナギは医者の口からハヤテの診察結果を聞く事になった。


「検査の結果、患者はある病気に罹っている事が判明しました」
「まどろっこしいな。単刀直入に言えよ」

ナギに急かされた医者は深呼吸し

「患者は、不死鳥病という奇病に罹っています」

医者が発言した病名にナギもマリアさんも首を傾げ

「不死鳥病?なんなのだ、それ」
「私も聞いた事ありませんね」

医者はまた少し間を開け

「不死鳥病はごく最近発見された奇病です。発症例が世界的に見ても僅かしかないため、我々医者でも知っている医者は限られています」

医者の説明を聞いたナギは

「(ハヤテ、そんな珍しい病気にかかるとは相変わらず運の無い奴)」

そう思い、

「でも、何で辛い事実なのだ?治せばいいではないか」

ナギの疑問に医者は黙ってしまった。ナギとマリアさんにはその沈黙が何を意味するか察知できた。

「「ま、まさか」」
「そのまさかですよ」

医者の表情はさらに曇り

「先ほど申し上げた通り、不死鳥病はごく最近発見された奇病です。なので、なぜ発症するのか?どんな人間が発症するのか?どうやって治療するのか?など全てが謎なんです」

ナギは俯き、ハヤテを見放した幸運の女神を恨み始めた。

「唯一分かっているの事は、ある日突然発症する事。発症すると肺などの身体機能が全て衰え、生命維持装置無しでは生きる事さえできない事。そして生命維持装置をつけたとしても、5年以内に死亡してしまう事。そして死亡率は100%。これぐらいなのです」

ナギは幸運の女神に鉄拳制裁を加えたくなった。

「あの、先生。ではハヤテ君は」
「あの患者には既に生命維持装置を装着しています。あの患者は持って5年です」

ナギは歯を食い縛り過ぎて血が出ていた。

「どうすればいい」
「「え!?」」
「私達はどうすればいいんだ!!!」

ナギは我を忘れて医者の胸ぐらをつかんでいた。

「ナ、ナギ」
「答えろ!!!お前、医者だろ!!!」

ナギのすごい剣幕に医者は申し訳なさそうにし、ナギを振りほどこうとせず

「何も、できません。出来る事と言えば、医学が発展し、不死鳥病の治療法などが発見されるのを待つだけです」
「ふ、ふざけるなー!!!」

ナギは医者を殴ってしまった。

「す、すまない」
「いえ。これくらいは覚悟してました」

医者は白衣を直し、椅子にすわりなおした。

「不死鳥病の研究は急ピッチで勧められています。しかし、5年以内の治療法発見の可能性は限りなく0に近いでしょう」
「う、嘘だ。嘘だと言ってくれよ」
「私だって、嘘だと言いたいですよ」

泣きだしたナギを支え、マリアさんは部屋の外に出た。

そして、外で待ってたアパートの住人に今医者に説明された事を全て話した。
ナギ同様、ルカ、アリス、ヒナギク、歩は泣き出してしまった。


                       × ×


アパートに戻って来た面々は全員学校を休むことにした。全員が全員、学校へ行ける心情ではないからだ。

「ヒナさん、幸運の女神ってどこに居るんでしょうね?」
「ホントよね。いたらハヤテ君を直すように指示した後、殺すのに」

ヒナギクの物騒な発言に誰も異を唱えなかった。

「何とかできないの?ハヤテ君を助ける方法を誰か知らないの?」

ルカの必死の叫びもむなしく響くだけだった。

「答えてよ!!私達、ハヤテ君に沢山恩を貰ってるんでしょ?だから、答えてよ!!!!」

ルカの問いかけに誰も答えられなかった。いや、答えたくても答えられないのだ。

その日、ルカは体調不良を訴え、仕事を休んだ。
マリアさんでさえ、仕事をできず、全員が全員部屋に引きこもり、食事もとらなかった。


そして翌日。
流石に2日も学校を休むわけにはいかないナギ以外の面々は登校し、ルカも仕事に出かけた。

そして、マリアさんは全員が出かけた後ナギの部屋に来て

「ねえナギ、起きてる?」

返事は無かったが、話を続けた。

「ナギはどうするの?他の皆さんは「医学の発展を待つ」と言う結論を出したみたいよ。それを踏まえて、ナギはどうするの?やっぱり、皆さんと同じ?」

ナギの返事は無かったが、マリアさんはナギが寝ていない事は分かっていた。

「ナギ、結論が出たら教えて。私は、ナギに従うから」

そう言って部屋を出て行った。
一方のナギは昨夜から寝ずに考えていたが、結論は出ないでいた。

「(あいつら、簡単に答えを出せたもんだよな。私はこんなに悩んでいると言うのに)」

ナギはずっと、堂々巡りを繰り返していた。医学の発展を待つべきか、人思いにハヤテを楽にしてやるべきか、それとも・・・。
そればかりを考え、寝れなかったのだ。

「ハヤテ、お前は何を望む?」

ナギ自身もハヤテには一生かかってもかえしきれない恩を貰っている。なので、ナギにとって「どうすればハヤテが幸せか?」これが一番の課題であった。

「「楽にしてやる」これは問題外だな。唯でさえ不幸なハヤテをより不幸にしてしまう。「医学の発展を待つ」これは危険な賭けだよな。99,9%負けると分かっているギャンブルに全財産をつぎ込むようなものだ。じゃあ、どうすればいい。私は」

ナギはひたすらに考えていた。しかし、正しい答えなどいくら考えても出なかった。

「誰か、教えてくれ。どうすればハヤテを救える?どうすればハヤテは幸せなんだ?」

答えの出ないナギは何気なく本棚を見た。すると、数日前、ヤフ○クで見つけて競り落とした同人誌が目に入った。
ナギは何気なくその同人誌を手に取り、読み始めた。そこには今のナギを答えへと導く事柄が描かれていた。

「これ、か。そうだよな」

ナギは同人誌を本棚に戻し、着替えて部屋を出た。


                  × ×


部屋を出たナギはアリスとマリアさんが寛いでいる居間に行き、起きた事を知らせた。

「ナギ、朝食はどうします?私とアリスちゃんはこれから食べますけど」
「朝食が終わったら行きたい所がある」

HIKIKOMORIのナギが自ら出かけると言い出したことで、マリアさんは驚き、

「ど、どこに行くんですか?」
「珍しいですわね」

アリスまで同様していたが、ナギは気にせず

「-----」
「「!?」」

目的地を聞いた2人は驚きのあまり言葉を失っていた。

「何だよ。そんなに驚く事か?」
「だ、だって」
「マリアは朝食を頼む。私はクラウスに電話しておく」

そう言ってナギは携帯を取り出し電話し始めた。

「準備はしておいてくれるってさ。マリア、早めに朝食を終わらせてくれ」
「あ、はい」

マリアさんは移動中でも食べられるようにおにぎりを作り、現在はクラウスが管理している別宅に移動し、目的地への移動を開始した。


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: ドクターナギ 短編 ( No.2 )
日時: 2013/12/08 17:52
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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前回、ハヤテが最近発見された奇病に罹っていると判明し、ナギはある結論を出して何処かに出かけた。


移動中、クラウスが

「お嬢様」
「ん〜」
「珍しいですね。お嬢様が自ら行きたいと申し出たのは」
「まあ、な」

ナギはマリアさんが作ってくれたおにぎりは殆ど喉を通らず、1個食べきるので精一杯だった。
その後も気を使ったクラウスが話しかけてきたが、生返事ばかりだった。

そして目的地に着き、ナギはある場所に通された。

「珍しいな。お前が自らワシの所に来るなぞ。台風でも来そうじゃな」
「たまにはいいだろ、ジジイ」

ナギが来たのは三千院家本宅。そう、三千院帝が住んでいる豪邸だ。

「で、何の用じゃ。用が無ければ来ないじゃろ」
「話が早い。頼みがあって来た」

帝はふざけているような真剣なような顔つきになった。

「大方、綾崎ハヤテの事じゃろ?」
「知っているのか?」
「ワシを甘く見るなよ。あ奴が不死鳥病に侵された事ぐらい知っている」

ナギは驚いたが、あくまでも冷静さを保ち

「なら、いきなり本題だ。私が医者になるための出資をしてほしい」

その場にいたナギ以外の面々が全員驚いていた。

「どういう事じゃ。我が孫よ」
「不死鳥病は謎の奇病。治療法はおろか、何も分かっていない奇病だ」
「それは知っておる」
「現段階じゃハヤテを助ける方法はただ1つ。「医学の発展を待ち、治療法の発見を祈る」これだけだ」

ナギは一呼吸置き、

「だが、ハヤテは長くても5年の命だ。待つなんて芸当私にはできん」
「つまり?」
「だったら、私が医者となり、治療法を発見してハヤテを救うほかは無いと思ったのさ」

帝の目つきは真剣になっていた。

「私はハヤテに沢山恩を貰っている。正直、一生かけてもかえしきれないほど。だからこそ、私がハヤテを救えば、僅かでも恩返しになると思ったからそ、医者になると言ったんだ」
「だから出資しろと?」
「医者になるためには莫大な金がかかる。それだけでなく、研究費も莫大だ。だが、今の私じゃそんな金は無い。だから頼みに来たんだ」

帝には悪戯心が働いたが、それより早くナギが土下座してきた。

「頼む!!!私は、私はハヤテを救いたい。そのための出資をしてくれ!!!そのためなら、どんな恥さえも耐えられる。何だったら、三千院家の遺産相続の権利を破棄しても良い。弁護士の所に行って正式な手続きだってする。だから」

帝は

「出資してほしいなら土下座しろ」

と、冗談を言うつもりであった。しかし、ナギはそれを言うより早くそれを実行してきて驚いていた。

「(まさか、負けず嫌いでプライドの高い孫がこんな事を)」

帝は眼を閉じて暫く考えた後

「顔を上げろ」

しかし、ナギは顔を上げなかった。

「聞かせろ。なぜナギがそんな結論を出した」

ナギは土下座したまま

「私が読んだ同人誌に「友達を救うため、必死で勉強してその道の第一人者と言われる人間に成長し、その友達を救う」と言うものがあった。今の私にはその同人誌こそが答えだと本能的に感じたからだ」

なんの同人誌か分かりますよね?

「ナギ」
「お嬢様」

マリアさんとクラウスは感心していた。
一方の帝は再度目を閉じて考え込み

「分かった」
「え!?」
「お前さんの覚悟は理解した。その夢、ワシが全力で援護してやる」

ナギはここにきてようやく頭を上げた。

「ただし、条件がある」
「み、帝様」
「クラウス、お前は黙ってろ!!!マリアもじゃ!!!」

そう言われた2人は黙った。

「そこまでの覚悟を見せたんじゃ。そして、ワシ自身が援護するんじゃ。「絶対に諦めるな!!!何があっても叶えろ!!」これが条件じゃ」

帝が提示した条件にクラウスは安心していた。
そしてナギは、立ち上がると

「当り前さ。私は、何があっても医者になって、ハヤテを救うと言う夢を叶える。絶対にだ!!!!」
「良かろう。医学部の学費、医者の国家試験代、不死鳥病やその他の病気の研究費。全てワシが出してやる」
「感謝する」

そう言うと、ナギは帝の背を向けて歩き出した。

「帰るのか?」
「当たり前だ。今の私には1分、いや1秒さえも無駄にはできない」
「ならば、ワシは綾崎ハヤテを最高峰の医療機関が整った病院に転院させておこう。ナギの努力が無駄にならんようにの」

ナギは帰り際、再度帝の頭を深々と下げ、帰路に着いた。


                     × ×


アパートに戻ってくると、ナギは自室にこもり、医学書を読み始めた。

「医学書って、思ったより難しいな」
「それはそうですよ。一般人は開きすらしない専門書ですから」

それでもナギは必至で読み進め、医者になるための猛勉強が始まった。

そして夕方になり、他の住人が帰って来た。
するとナギが

「マリア、悪いがヒナギクと千桜を部屋に呼んでくれないか?」
「何でですか?」
「話があるんだ」

マリアさんは部屋を出て行くと、少ししてヒナギクと千桜を連れて戻って来た。

「何だナギ」
「話があるんでしょ?」

2人が部屋に入ってくると、ナギは勉強の手を休め、

「2人には協力をしてほしいんだ」
「「え!?」」
「私は、ハヤテを救うために医者になる事にした。そのためには膨大な専門の知識が必要だ」

2人は黙ってナギの話を聞いていた。

「幸い、私には幼少期から施された英才教育がある。今こそ、それを最大限に生かしたい」
「「・・・」」
「だが、今の私には足りない。だから、2人には私の勉強に協力してほしい。2人がいれば知識を得ることも、様々な専門書を読む事にも苦労はしないと思う」

ヒナギクと千桜は暫く黙った後

「分かったわ。協力する」
「私もだ。出来る事があれば言ってくれ」
「2人とも」

ナギは2人に頭を下げた。その事で2人は驚いたものの、その事で協力する心が強まった。

「さ、忙しくなるわね」
「だな。専門書や集中できる環境を作ってやらないとな」
「すまない」

こうして、ナギは強力な協力者が出来、なお一層勉学に励めるようになった。

「(待ってろよハヤテ。必ず、私が助けるからな)」


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: ドクターナギ 短編 ( No.3 )
日時: 2013/12/10 18:01
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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前回、ナギは「自分が医者になってハヤテを救う」と決意した。


ナギが決意してから2週間ほどが経っていた。

ナギは漫画を読んだり書いたりしなくなっていた。読むとしたら医学書のみで、そうでなかったら医学生が読むような本だった。

一応学校には行っていたが、クラスメイトとの交流はせず、休み時間はもちろん昼食の時間さえも勉強し続けていた。
当然というか、睡眠時間も大幅に削っていた。
勉強のしすぎでペンダコは幾つも作っていたし、倒れて寝込む。なんて事も1回や2回では無かった。

千桜もヒナギクも自分が出来る事は精一杯していた。ナギのために医学部のある良い大学を探してきたり、その大学が出している過去問や授業内容を仕入れてきて、ナギに見せる事をしていた。


ナギの勉強には鬼気迫るものがあった。「何としても知識を得るんだ」という気迫が誰であっても感じれた。

千桜もカユラもルカも心配し、気分転換にと漫画を勧めたり、一緒にゲームをする事を勧めたが、ナギは断って来た。
むしろ、少し強めに推すと

「うるさい!!!!!!!私には時間が無いんだ!!!!!!!!!!!!!」

と怒鳴られた。勧めた側が謝ると

「す、すまない。でも、私には1分どころか1秒さえ惜しいんだ」

そう言われては千桜達も言い返せなかった。

生徒会三人娘も様子が変わったナギを心配し、面白い動画があると誘ったが、断られた。
そして、ナギをからかおうと悪戯をしかけたところ、ヒナギクにこっぴどく叱られ、終いにはめったに怒らないであろう千桜にさえ叱られた。
その事で3人は「今のナギには何もしてはいけない」と、強く思いこむようになった。

驚いたのは雪路もナギを心配した事だ。
しょっちゅうペンダコを作り、隈も常に作っていたナギを心配していたが、「心配するな」という本人の言葉を信じ

「無理しないでね。何をしたいかは分からないけど、体が資本だからね」

と、優しい言葉をかけていた。


そんな事が続いたある日。

「ナギ、お爺様から電話よ」
「爺から?何の用だよ」

ナギとしてはめんどくさかったが、気分を害して出資の話を無しにされたらたまらなかったので、電話に出ることにした。

「何だよ」
『機嫌が悪いな。まあ、勉強の邪魔をしとるから仕方ないか』
「その通りだ。忙しいから手短にしてくれ」

ナギは苛々していたが、帝の言葉でその苛々は無くなった。

『良い知らせじゃ。綾崎ハヤテと面会が出来る』
「ほ、本当か!?」

医者からは

「患者の抵抗力が落ちているので、面会はできません」

そう言われていたため、ナギ達は我慢していた。なので、この上なく嬉しい知らせであった。

『嘘は言わんよ。ただ、面会時間は短い。それでも良いのか?』
「構わないさ。じゃあさっそく」
『そう言うと思って、既に迎えはよこしてある。じゃあな』

電話は一方的に切られたが、すぐにでも外から車の音が聞こえてきた。
ナギは今いる住人を呼びに行ったが、

「ナギの邪魔になるからいい」

と断って来たので、ナギとマリアさんだけで病院に向かった。


                    × ×


病院に着くと、白衣に着替えさせられ、ヘッドキャップも被せさせられた。
当然消毒も施され、手袋とマスクも着用を命令された。

幾つもの手続きを終え、ようやくハヤテの病室に通された。

そこで見たハヤテは完全に変わり果てた姿であった。
体には色々な機械がつけられていたし、規則的な機械音以外は無音の世界だった。
一応窓はあったが。開かないだろうとすぐに分かった。

「では、時間になったらまた来ます」

そう言って医者は退室した。
ナギはすぐにでもハヤテに近寄り

「ハヤテ、大丈夫か?って入院してるからそれは無いか」
「ナギ」

マリアさんはナギを心配そうに見ていたが、ナギはすぐにでも話を切り替えた。

「ハヤテ、時間が無いから単刀直入に言うな」

ナギは一呼吸置き、

「ハヤテ、お前は私が救うよ。私が医者となり、お前を蝕んでる病魔を倒すよ。私が出来るお前への唯一の恩返しだと思ってくれ」

ハヤテの返事はなかったが、ナギには返事があったように思え、

「私、三千院ナギはここに誓う。医者になって、不死鳥病の研究をして、ハヤテを救う事を約束する。だから、それまで生きててくれ。な、ハヤテ」

マリアさんはそれを聞いていて、ナギの成長を素直に喜んでいた。
そしてハヤテはほんの僅か、一瞬だけ反応したように見えた。

その後は面会終了時間が来て、病室を追い出された。


                      × ×


アパートに戻ると、皆が待っていた。

「ナギ、どうだった?」
「分かんないよ。でも、ハヤテに約束してきた。お前を救うって」
「そうか」

千桜はナギが寂しそうな顔になったのを見逃さなかったが、何も言わず

「ナギ、医療漫画を集めておいたよ。それに、「漫画で分かる医療知識」という本も見つけておいた」
「すまんな」
「良いんだ。ナギを手助けするのが私とヒナにできる事だからな」

ナギは2人に礼を言い、自室に引きこもった。
2人が用意してくれた本を読み、知識を深めて行った。

すると、ある一冊に手紙が挟まっていて、中には

「ナギ、急ぎたい気持は理解できるが無理は禁物だぞ。千桜」
「ナギ、応援しかできないけど頑張ってね。ヒナギク」
「ナギちゃん、頑張ってね。歩」
「無理すんなよ。また漫画の話しような。カユラ」
「私も歌でナギを応援するね。ルカ」
「まあ、頑張る事ですわね。アリス」

そう書かれていて、ナギはより一層勉強を頑張ろうと決意した。

「(皆が応援してくれてるんだ。それにハヤテと約束したんだ。頑張らないとな)」

ナギは手紙を大切にしまうと、用意された問題集に手をつけ始めた。


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以上です。
次回は続きです。

ちなみに、後3話位です。

では。
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Re: ドクターナギ 短編 ( No.4 )
日時: 2013/12/14 14:55
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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前回、ナギは眠っているハヤテに助けることを約束した。


時は流れ、冬。

ナギは未だ、学校以外では殆ど部屋に籠っていた。食事は室内だったし、部屋を出る時と言えばトイレか入浴時ぐらいだった。
ただ、以前のような無茶はしなくなり、倒れる事も無くなったし、ペンダコもだいぶ減っていた。ただし、勉強のしすぎで眼鏡が手放せなくなった。
徹底した勉強のおかげと、元々の秀才ぶりが合わさり、ナギはそこらの医学生より博識だった。医学生ですら苦戦するような難解な医学書もスラスラ読めてたし、東大医学部の難問さえも正解率99%をたたき出していた。


その一方学校ではある変化が訪れていた。
交流は持たないものの、謎めいた魅力と、必死で勉強するその姿に魅了される男子生徒が増えていた。
以前では考えられなかった下駄箱や机の中にラブレターが入っていて呼び出される。と言う事もかなりあった。
しかし、ナギは呼び出された場所には行かず、ヒナギクか千桜に代理を頼み、断ってもらっていた。
しかし、それでもラブレターは減らなかった。


そんなある日。

「ナギ、ちょっと良いか?」
「ああ、良いぞ」

千桜が部屋の中に入り、ナギにあるパンフレットを見せた。

「ナギ、医学部のある短期大学を見つけてきた」
「あ、あったのか?」

ナギも勉強の合間に学校を探してはいたが、あるのは看護系の短期大学で、医師免許の取れる短期大学は見付からなかった。

「見つけた事は見つけたさ」
「な、なんだよ。なんか問題があるのか?」

ナギは慌てて千桜が見つけてきたパンフレットを見たが、問題などはなさそうだった。

「問題は無いさ。帝さんに調べて貰ったら、国家認定を受けた短期大学であることが分かったからな」
「じゃあ、何が言いたいんだよ」

千桜は言い辛そうに一呼吸置いた後

「厳しいんだよ。短期で医師免許が取得できるが、とんでもなく厳しいんだ」
「ど、どれくらいなのだ?」

千桜は再度一呼吸置き、

「今まで、この短期大学には何万人も入学している。なんせ短い期間で医師免許が取れるし、他の大学の医学部に比べれば学費は少なめだからな」
「まどろっこしいな。早く本題に入れよ」
「その厳しさに耐えきれず、医師免許を取得して卒業出来た人間はたったの10人なんだ」

あまりの少なさにナギは驚いていた。

「確かにこの大学はたった2年で医師免許を取って卒業が出来る唯一の大学さ。ただ、半端じゃ無く厳しい。体罰こそないものの、退学した生徒は「行かなきゃよかった」と、震え上がる人間も居れば、医者恐怖症になって病院に行けなくなった人間も居るぐらいさ」

千桜の報告にナギは少し黙ったが

「結構じゃないか」
「へ!?」
「私はハヤテに約束した。「助ける」と。そのためならどんな環境にも耐えられる」
「大丈夫なのか?卒業出来た人間はたったの10人なんだぞ」

心配する千桜にナギは

「大丈夫さ。見つけて来てくれてありがとな」

そう言うと、勉強を再開した。
千桜もナギがああ言った以上は止められないと判断し、

「分かったよ。ああ、もう一つ報告があったんだ」
「なんだよ」
「ナギ、お前は来年の3月で卒業だよ」
「へ!?」
「帝の爺さんが掛け合って、特例が認められたらしい。ナギは3年生を飛び越して卒業だよ」

ナギは帝に感謝していた。
そしてその夜、ナギは帝に電話し、例の短期大学に入学する報告と、特例を感謝した。


                     × ×


季節は流れ、春。

ナギは白皇を卒業し、厳しい事で知られる短期大学医学部に入学した。
ナギと同時期に入学した入学生はかなりいたが、当然ナギより年上だ。

ナギはその中でも話題だった。
なんせ飛び級で入学してきたし、学校始まって以来の成績で入学テストに合格したからだった。


そして時は流れ、入学してから1カ月が経った。

学校の厳しさはナギの想像を遥かに超えていた。過密スケジュールと言いきってもいいぐらい授業は多かったし、実習も多く、ナギは毎日毎日家に帰った途端、倒れるように眠る日々だった。でも、ナギは耐え続けた。
そして、1カ月たったころには3分の1の生徒が減っていた。

ナギは1カ月で更に話題になっていた。
勉強も難なくこなし、講師陣からは「質問攻めの三千院」という異名で呼ばれるほど大量の質問をしていた。
当然休み時間も講師の部屋で質問攻めにしていた。


学校は厳しかったが、新しい友達もできた。
千桜やカユラみたいに漫画などの話題は出ないが、授業で難しかった部分を教えあうなどしていて、その友人を家に招くことも何回もしていた。
マリアさんをはじめとするアパートの住人は全員で歓迎した。


                     × ×


時間はあっという間に過ぎ、ナギが入学してから1年が経った。

ナギはこの1年で大幅に成長し、背はヒナギクと同じくらいになり、胸は歩と同レベルにまで成長した。
何よりたくましくなり、大量の参考書も何なく持ち歩いていた。
そして知識も膨大になり、講師陣も負けを認めるほどに知識を得ていた。

だがナギは

「まだ足りないよ。私の目的を果たすにはまだまだ知識を得ないといかん」

そう言って、勉強をし続けていた。

そして季節は流れ、国家試験まで2カ月を切ろうとしていた日。

「ナギ、大丈夫か?」
「問題無い。私は忙しい」

ナギは今まで以上に部屋にこもるようになった。大学で出来た友達もアパートに越して来て、ナギ同様部屋に引きこもっていた。

「無理すんなよ。体壊して試験を受けられなかった。なんて馬鹿馬鹿しいからな」
「そこは理解してるよ。あいつらもな」

千桜は頑張るナギの肩を揉み、労を労った。

「負けんなよ。ここまできたら突っ走れ」
「あったり前だ。私の目的は医師免許取得でスタートするからな」

ヒナギクも同様にナギを労い、ナギの大学の友達も労った。


そして嵐が過ぎ去る様に時は流れ、国家試験の結果発表の日。

「はあ」
「元気ないな。君たちなら大丈夫だって」

カユラの労いの言葉は誰にも届かない様で、郵送で送られてくる結果に全員が落ち着かない様子で待っていた。

そして、

「三千院さーん、○○さん、○○さん。速達ですよー」

ナギ達は大慌てで玄関に行き、郵便屋さんが驚くほどのスピードで書類を受け取った。

「ナギ、どうなの?」
「早く見せろ」
「2人も早く」
「「「せ、急かすなよ」」」

3人ともほぼ同時に書類を取り出した。すると、中は3人とも同じで

「ここに、国家試験の合格を認め、医師免許の発行を許可します」

という書類が入っていて、医師免許受取日の案内も入っていた。

「やったな3人とも」
「努力が実ったわね」

ナギの友達2人は手を取り合って喜んでいた。

「ありがと、ナギ」
「貴方のおかげよ」

2人がナギを見ると、ナギは泣いていた。

「「ナギ!?」」
「やっと、やっとスタートラインに立てた。やっと」

2人はナギがここまで泣く理由が分からなかった。
そこで、千桜とヒナギクが事情を説明すると、2人とも理解し、ナギを慰めた。


そして医師免許受取日。

「これが医師免許。やっと取れた」

当然、医師免許の名前欄は「三千院凪殿」と書かれていた。友達も同様にそれぞれの名前が書かれていた。

「お前達はどうするんだ?私は、国立医療研究所に就職が決まったが」
「私は都内の大病院に決まったわ」
「私は実家の病院に入るわ。パパに鍛えて貰うの」

3人それぞれ別の道に歩むことに決まったが、偶に連絡を取り合おうと約束した。


                     × ×


そして月日は流れ、卒業の日。
結局、大学を卒業出来たのはナギ達3人だけであった。

「卒業か。早い様な長かったような」
「良いじゃない。歴代で11人目と12人目と13人目になれたんだし」
「そうよ」

滞りなく卒業式も終わり、校門。

「ナギ、病気の研究頑張ってね」
「私達も頑張るから」
「任せろ。絶対に治療法を発見して見せる」

それぞれ決意を新たにし、別れた。


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以上です。
次回は続きです。
では。
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Re: ドクターナギ 短編 ( No.5 )
日時: 2013/12/16 18:17
名前: masa

こんにちはmasaです。

さっそく本編です。

どうぞ。
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前回、ナギは医師免許を取得でき、国立医療研究所に就職した。


就職したナギは自ら上司に掛け合い、不死鳥病の研究を開始した。

不死鳥病は現在も奇病で、ナギが存在を知ってから何一つ判明していなかった。
研究は世界中の医療研究所が行っていたが、「何も分からない」という状況のままだった。
症状を遅らせる方法さえも判明せず、当然治療法など分かるはずはなかった。
現在では不死鳥病で苦しむ患者は増大し、国も「不死鳥病の場合、無償で延命措置を受けられる」という制度を設けた。と言っても、裕福では無い国ではその制度は無く、罹ったらそのまま死亡。と言うのが一般的になってしまっていた。


研究に取り掛かったナギは仕事中は殆ど研究室にこもり、不死鳥病患者のデータを取り寄せて見たり、血液サンプルを取り寄せて専用の機械で見たが、他の研究所同様原因などは何一つ分からないままであった。

「三千院教授。休憩を挟んだらどうです?ここにきてから休憩はしてないって聞いてますけど」

ナギの進言したのは助手の高遠健一郎。ナギよりベテランだが、研究所の上層部の命でナギの助手になっていた。

「休憩はいらん。それより、名字は止めろと言ってるだろ、ケン」
「では。ナギ教授、研究熱心なのは尊敬しますが、休憩も必要ですよ」

ナギは健一郎に言われ、彼の淹れたコーヒーで休憩を取ることにした。

「ナギ教授、いつまで不死鳥病の研究をなさるつもりですか?この研究所ではナギ教授だけですよ」

ナギが勤めるこの研究所では、以前までは不死鳥病の研究が行われていましたが、成果が上げられない事で上層部も研究打ち切りを決定していたのです。

「知ってるでしょ?この研究所内ではナギ教授を良く思わない人が沢山いる事を」
「ケンはどう思ってるんだよ。正直に言え」
「尊敬してますよ。あんな難病に挑戦してるんですから。ですが、良く思わない人も大勢いるのは事実です」

ナギも自身を良く思わない人が沢山いるのは知っていた。しかし、ナギは諦める訳にはいかなかった。

「ナギ教授、もういい加減教えてくださいよ。そんの白い目で見られてもなお不死鳥病の研究にこだわる理由を」

ナギは少し考え

「そうだな。ケンが私の助手になって3カ月。教えてもいい頃合いか」

ナギはコーヒーを1口飲み

「私の大切な奴が不死鳥病で苦しんでる。私はそいつを救いたくて、こうして研究者になった。私が不死鳥病の研究に拘るのはそれが理由だ」

健一郎は驚きの表情を見せ、

「そうだったんですか。その人も幸せ者ですね」
「そう、か?まあ、私はそいつにいっぱい感謝してるのも事実だよ」

ナギはコーヒーを飲み終えると、研究に戻った。


                      × ×


ナギが研究所に勤め始めて半年が経っていた。その間、成果は上がらず、上層部から研究を切り上げるように命令され、研究期限まであまり時間が無くなっていた。

「ナギ教授。もう諦めたらどうですか?不死鳥病の解明なんてはなから無理だったんですよ」
「黙れ!!!!!!この研究を辞めてしまっては、私の努力の意味がなくなる!!!」

健一郎は正直言うと、ナギに研究を続けて貰いたかった。傍でナギの鬼気迫る研究に魅了され、何としてでも解明してもらいたかった。

「(何かあるはずなんだ。不死鳥病患者とそうでない人たちの違いが)」

ナギは必死になって顕微鏡を覗いていた。
すると

「(ん!?今の白血球、違和感が無かったか?)」

その違和感を持った白血球をよく観察し、パソコンと暫くにらめっこした後

「そうか。謎が解けたぞ」
「え!?」

健一郎が慌ててやって来た。

「ケン、覗いてみろ」
「ああ、はい」

健一郎は慌てて顕微鏡を覗くと、そこには白血球があるだけだった。

「あの、この白血球が何か?」
「バカ。良く見ろ」

言われたとおり、じっくり観察すると

「あれ?気のせいと言われればそれまでですが、違和感が」
「その違和感は気のせいじゃない。それはな」

ナギの言葉に健一郎は驚きで沈黙した。

「見ろ。これがデータだ」

ナギが見せてきたパソコンにはナギが撮ったデータが出ていて、それを見た健一郎は更に驚いていた。

「こ、これって」
「驚くだろ?今まで何も発見されなかったのはこれが理由だと推理してる」

健一郎は驚きすぎて何も考えられなかった。
するとナギが

「ケン、血液を提供しろ」
「へ!?」
「良いから。お前とこのデータの血液は血液型が一緒だ。データがいるんだよ」
「ああ、はい」

ナギは健一郎から採血し、顕微鏡で調べ始めた。
そして1時間ほどの後

「謎が全て解けた。治療法以外はな」
「え!?じゃ、じゃあ」
「さっそく発表だよ。上層部に掛け合ってくれ」
「了解しました」

健一郎は部屋を出て行き、30分ほどで戻ってきて、

「明日、発表会を行うそうです」
「分かった」


そして翌日。


ナギは壇上に立ち、

「皆さん、集まってくれて感謝するのだ」
「三千院教授、不死鳥病に関して発表があるそうですね」
「だから集まってもらった」

会場に居る他の研究所の教授や報道陣はナギを馬鹿にするような態度を取っていた。

「スライドで説明しよう。ケン、頼む」
「了解です」

会場は暗くなり、スライドが始まった。

「まずはこれを見てくれ」

映像には2つの白血球が出ていた。

「おいそこのお前。これが何か答えてみろ」

最初にナギを訪ねた研究者を指し答えを求めた。

「何って。白血球じゃないですか。常識ですよ」
「そうか。お前の目は曇ってるな」
「なんだと」

挑発された教授は映像を良く見たが、やはり白血球にしか見えなかった。

「片方は我々の体にある白血球さ。だが、皆から見て右側のは白血球じゃない」

ナギの発表に会場はざわついた。

「静粛に。これは白血球に極めて似ているウイルスだ」

先ほどとは違い、静まり返った。

「データを取ったところ、このウイルスは白血球と99,5%似ている事が分かった。こんなに似ていたら、白血球と思って見逃すのは当然だ」
「で、では。不死鳥病の原因は」
「それを説明する前に、見て貰いたいものがある」

ナギはパソコンをいじって別の映像をスライドに出した。

「これは不死鳥病発症者の白血球だ。そして、こいつがそうでない人間の白血球だ。違いは分かりにくいと思うが、詳しく調べたところ、強さが違う事が分かった」
「強さ、ですか」
「ああ、そうさ。不死鳥病は白血球が他の人間より強く、病気になりにくい人間が発症することが分かった」

ナギがそう発表すると、手が上がり、ナギは発言を許した。

「説明は分かりました。しかし、不死鳥病の発症理由が分からないんですが。それに、白血球の弱い人間が発症するのが普通だと思うのですが」
「良い質問だ。聞いてくれて感謝する」

ナギは質問者を座らせ、

「実はな、このウイルス自体に毒性はほぼ無い。体内に入ったからと言って、影響はないのさ」

ナギの発言に会場はまたざわついた。

「だがな、このウイルスは体の中に入ると、血液によって運ばれ、体内の臓器や筋肉に自らの分身体を残すんだそして全身に分身体が回ると、初めて自分の本当の姿を見せるんだ」

「で、ではその時に毒性を?」

「いや、そうではない。ウイルスが本当の姿を見せたとき、他の病原菌同様白血球が退治しようとするんだ。だが、白血球が弱かったり、普通だったりすると、退治を諦めてしまうんだ。「こいつには勝てない」と」

ナギはここまで一気に言うと一呼吸置き、

「だが、白血球が強い場合は戦いを仕掛ける。その時になって初めてウイルスが強い毒性を出すんだ。その毒性のせいで臓器が弱り、機能しにくくなるんだ」

ナギの発表に今まで黙っていた教授陣が手を上げ始めた。

「先ほどの説明では、ウイルスと白血球が戦いを開始すると毒性が出ると言いましたが、戦わない場合ウイルスは体内に残存することになると思うんですが、平気なんですか?」

この質問にナギは

「問題はない。先ほども言った通り、ウイルス自体に毒性はない。ただ、ウイルスも黙ってやられる訳にはいかない。だから、毒を出すんだ。それが無ければ平気だよ」

こう答え、次の質問は

「先ほど、ウイルスが本当の姿を見せると言いましたが、なぜ今まで発見されなかったのですか?」

これに対し

「本当の姿を見せるとは行っても、99,5%似ている状態から99%似ている状態に変化するだけだ。白血球は気付けても、我々は気付けなかったのさ」

こう答え、次の質問は

「では、治療法に関してはどうなんですか?」

これに対し

「それはまだ研究中だ。だが、あと数日すれば発見に至る。だからこそ発表会としゃれこんだのさ。まあ、治療法を発見できればまた発表すると思うがな」

こう答えた。

そして質問が終わったようなので、発表会を終わりにした。


                    × ×


ナギも健一郎も研究室に戻ってきて、一息入れていた。

「お疲れさまでした。立派でしたよ」
「よせ。終わった今でも緊張してるんだから」

実際、ナギは疲れていた。

「ですが、これで大きく前進ですね」
「まだだよ。治療法を発見できなきゃ意味はないよ」

ナギは戻って来たばかりなのに研究を再開した。


そして1週間ほど経ち

「成程な。こうすればウイルスが弱まる。これなら白血球が退治できるぞ」
「ついに特効薬の開発に成功ですね」
「ああ。こいつを血管に注射すれば不死鳥病のウイルスは倒せる」

ナギは嬉しさで涙していた。

「ナギ教授、副作用は平気なんですか?」
「問題無い。この私がそんな物がある薬なんか作らんよ」

ナギは必至の研究で副作用の無い不死鳥病の特効薬を完成させていた。

「これで、やっと報われる」

ナギは治療法発見を発表し、ハヤテが入院している病院に急いだ。

「(待ってろハヤテ。今、助けるからな)」

今のナギは「ハヤテを助ける」これしか考えてなかった。


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以上です。
次回最終回。
では。
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Re: ドクターナギ 短編 ( No.6 )
日時: 2013/12/18 19:49
名前: masa

こんにちはmasaです。

今回で最終回です。

では本編どうぞ。
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前回、ナギは不死鳥病を解明し、治す為の特効薬を完成させた。


ナギは完成させた薬をアタッシュケースに入れ、タクシーでハヤテの入院している病院に急行していた。

そして病院に着き、料金を払うとハヤテの病室に急いだ。

「(やっとだ。やっとハヤテを救えるぞ)」

ナギは全速力でハヤテの病室の前に着き、息を整えてからノックし、中に入った。
すると、そこには約半年ぶりとなるヒナギク達がいた。

「なんだ、お前達も居たのか」
「ナギ」

ヒナギクをはじめ、マリアさん、ルカ、歩、千桜、アリス、カユラはとても悲しそうな顔だったが、ハヤテを救うことしか頭にないナギは気付かなかった。

「見ろ!!この中にはハヤテを救える薬が入ってる。これを注射すれば」
「ナギ聞いて」
「な、なんだよ。ああ、そうか。副作用は無い。だから」
「ナギ!!!!」

突然ヒナギクに怒鳴られ、ナギは黙り込んだ。

「落ち着いて聞いてね。ハヤテ君は、もう息を引き取ったわ」
「な、何言ってるんだよ。そんな冗談笑えないぞ」

ナギがそう言うと、ヒナギク達は退き、ハヤテを見せた。
そこに居るハヤテの顔には白い布がかけられていた。

「お、おいなんの冗談だよ。今日はエイプリルフールじゃないぞ」
「こんな冗談言う訳無いでしょ」

涙を流すヒナギクを見て、嘘偽りの無い事柄だと理解できた。

「ハヤテ君はね、30分前に息を引き取ったわ。ナギは忙しくて聞いてなかったと思うけど、ここ数日危ない状況が続いていたの。だから」

それ以上は言えなかった。涙で言葉が打ち消されたための様だった。

ナギはヨロヨロとハヤテに近付き、顔に掛けてある布を取り、

「ハヤテ起きろよ。ほら、お前を救える薬持って来たぞ。私が作ったんだ。一生懸命研究して完成させたんだ。だから、起きろよ」

ナギの必死の叫びを敢えて誰も止めなかった。

「ハヤテ、褒めてくれよ。お嬢様って呼んでくれよ。そ、そうだ。ご飯作ってくれ。ここ最近ろくな物食べてないんだ。お前の上手い飯食わせてくれよ。なあハヤテ」

当然と言ったら語弊があるともうが、返事は無い。

「ハヤテ、起きろよ。あの笑顔を向けてくれよ。ハヤテ、ハヤテ、ハヤテーーーーーーーーーーーーー」

ナギは泣き崩れてしまった。

「私は、間に合わなかったのか?助けると言ったのに。私は、私は馬鹿だ。大切な奴1人救えない愚か者だ」

ヒナギクが慰めようとしたが、千桜は止めた。

「ハヤテごめんな。本当に、ごめんな」

そう言うと、ナギは立ち上がって部屋を出て行った。「一人にしてくれ」と言い残して。

少しし、ルカが後を追った。


                     × ×


ナギは病院の屋上に来ていた。
ルカが隠れて見ていると、ただただ空を見上げていた。

ルカは少し迷ったが、声をかけることにした。

「ナギ」
「ルカ、か」

ルカはナギをベンチに座るように促し、自身もナギの隣に座った。

「ナギ、大丈夫?」
「お前こそ」
「私?とっても悲しいけど、大丈夫」

黙り込んだナギにルカは話を続けた。

「ナギ、実はね。私、ハヤテ君の病室に忍び込んで、歌を歌ってたんだ。見つかって怒られたけど、何回も何回もやってたんだ」
「・・・」
「きっと、私の歌声がハヤテ君に届くと思ってね」

ナギは少しの間黙っていたが

「ルカ、お前は強いな。大好きな相手が死んだのに」
「強くなんかないよ。だって、出来る事ならここから飛び降りて、ハヤテ君の後を追いたいと思ってるもん」

それはナギも同意見だった。

「でも、そんな事すれば怒られちゃうから」
「マネージャーにか?」
「ううん、ハヤテ君にね。そんな事すれば「なんでそんなことしたんですか!!!」って怒られるのが分かってるから」

ルカの言葉に、ナギは俯いた。

「ナギはすごいよ。本当にお医者さんになって、不死鳥病の特効薬を完成させたんだから」
「止めろ!!!!間に合わなかった以上意味が無い!!!!!」
「ナギ」

ナギは俯いたまま震え

「私は馬鹿だ!!!!!!沢山、沢山恩をくれたハヤテを救えなかった!!!!!!!何が医者になってハヤテを救うだ!!!!!!救えなかったじゃないか!!!!!!そんな意味が----」

取り乱すナギに、ルカはナギの頬をビンタした。

「そんなこと言わないでよ!!!!!!ナギは頑張ったじゃん!!!!ハヤテ君を救うために!!!」
「だ、だが」
「今叩いたのは私じゃないよ!!!ハヤテ君だよ!!!!!」
「ル、ルカ!?」

「ハヤテ君はこう言うよ!!!!!「意味無い事なんかありません。お嬢様はその技術で沢山の人を救えるじゃないですか。今回僕はたまたま運が無かっただけです。お嬢様は気に病まないでください」ってね!!!!」

ナギは黙り込んだ

「ナギがそんなこと言ってたらハヤテ君悲しむよ。ナギを泣かせてしまったって」
「・・・」
「だから、そんなこと言わないでよ。ハヤテ君を救えなかった分、他の人をたくさん救えば良いじゃん!!!!」

ナギはまた泣き出した。

「ナギ、今の私に出来る事はこれくらいだよ。私も精神が正常じゃないからこれ以上は何もできないよ」

そう言うと、ルカは屋上から出て行った。

「ルカ、すまんな」


                      × ×


1週間後、ハヤテの葬式が執り行われることになった。
喪主はナギで、帝に頼み込んで、出来るだけ立派な葬式を行う事になった。

マリアさんが受付をしていると、多くの人が参列していた。アパートの住人全員、白皇のハヤテとある程度親交があった人間、潮見高校時代の友人、咲夜に伊澄。
そして

「ここに名前を書けばいいのかな?」
「あ、はい」

マリアさんが名前を見ると、弔問客は「綾崎イクサ」と書いた。

「え!?あ、貴方は?」
「私か?名前はここに書いてある通りだ。そして、ハヤテの兄だ」

マリアさんはハヤテに兄がいる事は知っていたが、行方不明だと聞いていたので、驚いていた。

「風のうわさで弟が亡くなったと聞いてね。葬儀に駆けつけたのさ」

そう言うと、会場に入って行った。


葬儀は進み、喪主であるナギの弔辞の時間になった。

「ハヤテ、見ろよ。お前の葬儀にこんなにも人が集まったぞ。お前は幸せ者だな」

ナギは一呼吸置くと

「ハヤテ、まずは謝る。お前を救うと約束したのに、約束を破ってしまった。約束を破ってごめんな。その代わりと言ったらへんだが、私は決めたよ。ハヤテを救えなかった分、病気で苦しむ人たちを片っ端から救う事にした。私は医者だ。「ドクターナギ」だ。だから、医者として多くの人たちを救う、これがハヤテへの贖罪だと思ってくれ」

そう言って、ナギは弔辞を終わらせた。

そして出席者は次々に弔辞を読み上げ、最後にルカの番になった。

「ハヤテ君、ありがと。勘違いしないでね。私と出会ったくれた事、私を魅了してくれた事、私を親身になって救ってくれた事。これへのお礼だからね」

ルカは泣きながら弔辞を読み上げていた。

「もう、これほど人を好きになる事は無いと思う。だから、ハヤテ君が最初で最後の恋愛相手だよ。怒らないでね」

ルカは涙をふき、

「ハヤテ君、ハヤテ君のいる天国に届くように歌うね。私が作詞して、曲をつけて貰ったハヤテ君のためだけのレクイエム、「風の鎮魂歌」聞いてね」

ルカはその場で歌い始めた。その歌はとても悲しく、明るい曲を歌うルカからすれば、かなり異例と言える曲であった。
その曲を聞いた参列者は殆どが涙した。


                        × ×


葬儀も終わり、火葬も済ませ、ハヤテの遺骨は納骨の日まで三千院家で保管されることになった。



その後、ナギは約束を守り、医者として、研究者として多くの人々を救って行った。

功績としては「癌および白血病の完全な治療法の発見」「アルツハイマーの治療法発見」その他にも様々な難病の治療法を発見して行った。

特に、癌の治療法の発見により、今まで不可能とされていた末期癌の患者の完治も可能になった。
更にアルツハイマーの治療法発見は多くの人々に喜ばれ、「医者神ナギ」と崇める人たちも出て来ていた。

ナギは多くの功績により「ノーベル医学賞」を受賞し、授賞式の際記者からの質問に

「私は昔、恩人を救えなかった。こうやって多くの人たちを救ってるのはそいつへの贖罪さ」

と、答えた。



一方のルカは「風の鎮魂歌」のCD化、着メロ化を打診されたが、断っていた。

「あれは私の生涯の想い人のためだけの歌。世には出したくない。そんな事すればこの歌が穢れる」

そう言って。




ナギは今でも、多くの人々を救い続ける。ハヤテへの贖罪を心に留めながら。





----------------------------------------------------------------------------------
以上完結です。

なんだか色々とすみません。
ですが、これが結末です。


連載は再開予定日を書いておいたので、その日に再開します。

では。
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Re: ドクターナギ 短編 完結 ( No.7 )
日時: 2013/12/18 20:06
名前: ささ

ささです。
短編完結おめでとうございます。
まさかの死ネタになってしまいましたが、
ハヤテは死してなおナギを支えているような気がします。
最終話を涙なしに見れませんでした。
この作者は、誤字脱字の連絡を歓迎しています。連絡は→[チェック]/修正は→[メンテ]
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Re: ドクターナギ 短編 完結 ( No.8 )
日時: 2013/12/20 15:26
名前: masa

こんにちはmasaです。

感想をいただけたので、レス返しです。


 ●さささん

 >>ささです。

 感想ありがとうございます♪

 >>短編完結おめでとうございます。

 ありがとうございます。途中、何度か迷いながらも完結にまで至れました。

 >>まさかの死ネタになってしまいましたが、

 そこはすみません。ですが、「ナギの成長」が主なテーマだったので、この結末になっちゃったんですよ。

 >>ハヤテは死してなおナギを支えているような気がします。

 そうですね。医者のナギは「ハヤテへの贖罪」で、頑張ってますから。まあ、別の意味でも支えてますよね。

 >>最終話を涙なしに見れませんでした。

 そうですか。ありがとうございます。


 感想ありがとうです〜♪

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