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 大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)・前副社長がニューヨークの空港で、ナッツの出し方に激怒して自社の旅客機を搭乗口に引き返させた問題で、機内サービスの責任者だった事務長が12日、韓国の公共放送KBSの取材に、趙氏がマニュアルのケースの角で手の甲を数回突いたと明かした。趙氏はこうした暴行について「初めて聞く話だ」と否定している。

 KBSによると、客室乗務員の女性を厳しくしかっている趙氏に対し、事務長は許しを求めた。しかし、趙氏は事務長や客室乗務員をひざまずかせ、「すぐ連絡して飛行機を止めろ」などと罵声を浴びせたうえ、事務長を旅客機から降ろさせた。事務長は「私が受けた侮辱は経験したことのない人にはわからないだろう」と語った。問題が発覚すると会社からうその証言を強要されたという。

 韓国では今回の騒動について「ナッツ・リターン」と呼ばれ、趙氏の振る舞いに怒りが広がっている。(ソウル=東岡徹)