第11話:「髪色を変えてみよう」
「ふわぁ…よく眠れた。」
ふわぁ…と欠伸をしながら私は、起きた。今、何時だろうと思って《メニュー》と呟くと《AM7:30》と表示されている。まだ七時半かと思いながら、もぞもぞと布団から出てきた。だって、寒いんだもん。
昨日買った服に着替えた後、今まで着ていたジャージを如何しようかなぁと思っているとメニュー画面にある持ち物の所だけピコンピコンと光っている。もしかして、ここに入れろと?持ち物を開くと真っ黒いまるでブラック・ホールみたいな穴が現われた。おい…ジャージをここに入れたら確実に戻ってこないだろと思いながら、放り投げると持ち物画面にジャージと現われた。
(…成程、つまりあのホールは、四次元空間みたいなものね。判りません。)
さぁて、ジャージの件がすんだけど…この世界の人に黒髪っていたかしら?確か、《ミルディスト》の世界観では、黒髪は神聖な存在と言う設定だったはずだ。それなら、髪の色を変えた方が良いよね。どうやって、髪の色をチェンジするんだと考えていると行き成りアナウンスが入った。
《髪の色のチェンジ方法は、ヘアチェンジと言う魔法を使わなければ出来ません。ヘアチェンジを使えば、髪の色と問わず体系・目の色・性別などを変える事が出来ます。》
ふぅ…む。ヘアチェンジか…。それなら、金髪青目の方が良いだろう。ヘアチェンジと唱えると一気に金髪青目になった。部屋に設置してある鏡を恐る恐ると見てみると案外似合っていたのでほぉと溜息をついた。似合わないと思っていたけど、案外しっくりと来る。
宿の今日の朝御飯は、味噌汁・ご飯・漬物・卵焼き・納豆みたいなものが出されてきた。やっぱり、朝食の定番はこれだよねと私は、思いながら食べた。ここの宿の卵焼きとっても美味しい♪それに砂糖を使っているのに余り焦げていない。何時も私は、塩だけどたまに砂糖を使って焼くとどうしても焦げやすいからこんなに上手く焼けている卵焼きに驚いていた。食べ終わると昨日見られなかった武器屋と防具屋に行く事にした。
武器屋に入ると沢山の武器が並んでいる。店長であるおっさんに私にピッタリな武器があるのかと聞いてみると
「お前は、何か使える武器があるのか?」
「まぁ…剣道はやっていたので一応剣位なら使えますよ。」
そう言うとおっさんは、そうかと無愛想に言った後古そうな箱から剣が出てきた。その剣は、銀色に輝いておりまるでレイピアを思い浮かべるような形をした剣だった。
「それなら、これはどうだ?初心者でも扱えるように作られているからすぐに使いこなせるはずだ。」
おっさんにそう言われ、試しに剣を振るうと案外軽い。私…てっきり重いものだと思っていたから驚いた。これなら、使えそうね。
「じゃあ、この剣を下さい。」
「あいよ…1500ルーマニアだ。」
私は、早速買ったばかりの剣を指した。うん…やっぱり、西洋の剣より日本刀の方が似合うわね…。もしかしたら、日本刀に似たような剣が何処かに売られているかも知れないから今は、この剣で十分だろう。次に訪れた防具屋で頑丈そうな盾と防具を購入した。
「これで一応武器と防具が揃ったけど…これから、どうしよう。」
そう…まだ私は、これから何をしようかと決めてなかったのだった。そういえば、ゴールデン・オーストラッチの羽を手に入れれば大金持ちになるって言っていたよね?私は、別に大金持ちになりたい訳じゃないけど、そのゴールデン・オーストラッチの姿を拝んでみたい。
「丁度暇だし…ゴールデン・オーストラッチを探してみるのもいいかもね。」
****
さぁて、次に何をするのか決めたところでオーストラッチの情報を集める事にした。村にいる人に聞いてみるとオーストラッチは、真夜中に金色に輝いた羽を輝かせ移動していると言うのだ。どうやら、羽はライトみたいな役割を持っているらしい。それより、そんなに目立つ羽を持たなくてもいいのに…。天敵に見つかったときは、如何するのだろう…。
でも肝心の生息地がわからないから困った物だ。私は、溜息を吐いて竹で作られた椅子に座っていると私の溜息に気付いたのかクグリさんがやってきた。
「どうした?そんな溜息を吐いて…」
私は、相変わらず怖い人だなぁと思いながら言う。
「ゴールデン・オーストラッチの情報を探っているけど…肝心の生息地が判らなくて…悩んでいた所なんですよ。」
「ふむ…。お前は、金持ちになりたいのか?」
「私は、お金に興味がないから…。それに、私はその希少の《モンスター》を見て見たいんですよ!」
クグリさんは、珍しそうな顔をした。
「そんな理由で探す奴は、お前しかいないな。」
私は、そうですかと呟いた後横に置いてあった漆器で作られたコップに入っている緑茶を飲んだ。うん…やっぱり緑茶は、最高だね♪
「そのモンスターの情報なら少し知っているが、教えてやろうか?」
「えっ!?」
クグリさんの行き成り発言で思わずお茶をこぼしそうになった。危ない…危ない…危うくコップを割りそうになったわ…。
「場所は、アルムの湖だ。そこに行けば、高確率でそのモンスターに遭遇出来るはずだ。」
「あの…どうして私に教えてくれるの?」
私だったら、誰にも言わないと思うけど…
「こんなに欲を持たない人間を見たのが始めてだからだ。それに…お前の手助けをしてあげたいからだ。」
「……え?」
私は、行き成りのクグリさんが顔を赤めて告白してきて混乱していたから、半分聞きそびれた。
「それだけだ。」
それだけ言うとクグリさんは行ってしまった。

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