髪の色について
やっとこさ説明。
おじさんが経営しているという宿はそれなりに大きなレンガ造りの宿だった。
相変わらず歴史を感じる建物だけど、なんだか素敵だと思う。
おじさんは2階に僕らの部屋を用意してくれた。
とりあえず僕らはニーソクさんをベッドに寝かせて、おじさんにこれまでのことを説明することにした。
正直、おじさんには絶対引かれると思ったけど・・・「まぁあの外見じゃ仕方ないわな」と何故か納得されてしまった。ニーソクさんかわいそうに・・・・。
さて、ニーソクさんはまだ目を覚まさないみたいだし、おじさんに何か聞いて・・・あ。そうだ、僕らの髪について聞いてみようか。
「あの・・・僕らの髪ってそんなに珍しいんですか?」
「ん? そりゃそうだろ。
あんたらみたいなキレーな色した赤と青の髪なんて滅多にいねぇぞ?」
えっ、それだけ?
ちょっと期待はずれな結果だったことに肩を落とすと、横で聞いていたフォルが口をはさんだ。
「うーん、それだけじゃない気がするけどねぇ・・・。
前に攻めてきた騎士達が憎らしげーに言ってたけど、私たちの髪って何か特別なことでもあるのかな?」
「・・・・・・ん? まさか、あんたら知らないのか?」
フォルが聞くと、おじさんは目を丸くして意外そうに聞き返した。なんだ、まだ何かあったのか。
・・・でもなんだろう。おじさんの口ぶりだと、まるでこのことが常識みたいに聞こえるけど・・・。
「俺はてっきりあんたらがとんでもねぇエリート騎士様だと思ってたけど、違ったっぽいな。
まぁいい。教えてやろう・・・いいか? この世界でその髪を持ってるのは特別なやつらだけなのさ。
この世界で魔力の満ちている者は青、生命力に溢れている者は赤の髪になる。だがあんたらみたいにキレーな色になって出てくることは滅多にない。たいていは髪のどこかにメッシュみたく入ってるか、元の髪にそれっぽく色がかかるかだ。」
ま、それでも珍しいんだけどな。
おじさんはうんうん頷きながら教えてくれる。
ふーん、そうなんだ。
でもフォルはともかく、僕らにそれはあんまり意味ないかな。元々この世界の人じゃないんだし・・・・・・・・・・と思ったけど確かにバルは魔力高いし(魔王だしね)、僕も生命力高いほうだろう(フォルが言うには勇者補正らしいけど)。偶然ってすごい。
そして話が終わったあたりで件のニーソクさんが目を覚ました。
さて、話を聞かせてもらおうか! ・・・あと謝らないと・・・!
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