ヘイトスピーチ:「司法の毅然さ歓迎」京都朝鮮学園

毎日新聞 2014年12月10日 22時54分(最終更新 12月10日 23時59分)

「不安を払拭(ふっしょく)して、前向きになれるよう、子どもたちに判決確定のことを伝えたい」と話す柴松枝さん(中央)=京都市中京区で2014年12月10日午後5時43分、松井豊撮影
「不安を払拭(ふっしょく)して、前向きになれるよう、子どもたちに判決確定のことを伝えたい」と話す柴松枝さん(中央)=京都市中京区で2014年12月10日午後5時43分、松井豊撮影

 京都朝鮮第一初級学校(当時)に対するヘイトスピーチを巡る訴訟で、最高裁が「在日特権を許さない市民の会(在特会)」側の上告を退けたことを受け、学校関係者と弁護団らが10日、京都市中京区で記者会見した。

 学校を運営する京都朝鮮学園理事の柴松枝(シ・ソンジ)さん(72)は、2010年6月の提訴からの4年半を振り返り「在日朝鮮人の民族教育の実践と、そこで学ぶ子どもたちの安全を守ろうとする司法の毅然(きぜん)とした態度の表れとして歓迎する」とするコメントを読み上げた。

 小学生の長女が当時学校に通っていた金秀煥(キム・スファン)さん(38)=京都市南区=は「ずっと不安と葛藤の毎日を送ってきた。『やっと終わった』というのが率直な思いだ」と語った。

 在特会のメンバーらは今月7日、京都市中心部で、朝鮮学校への街宣活動開始から「5周年」と称してヘイトスピーチデモを実施。こうした動きに触れ、弁護団の冨増四季弁護士は「今回の司法判断にとどまらず、今後、教育や職場などあらゆる機会を通じ、民族差別をなくす取り組みを続けていく必要がある」と話した。

 一方、在特会は代理人弁護士を通じ「最高裁が政治的表現の自由に向き合わなかったことは残念だ」とコメントした。【松井豊】

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