2018年平昌冬季五輪組織委員会(趙亮鎬〈チョ・ヤンホ〉委員長)が、国際オリンピック委員会(IOC)の提案した一部競技の海外分散開催について、あらためて反対の立場を表明した。
趙亮鎬委員長は12日、ソウル市内の組織委員会事務所で役員らと懇談会を開き「先ごろIOCが承認した『五輪アジェンダ2020』(五輪改革のための中長期計画)は、現在と未来の五輪に非常に効果的に作用すると思われ、改革の意思を高く評価する」としながらも「平昌の場合、すでに全ての競技場の工事が始まっているため、今回の改革案を適用するのは困難だ」と述べ、分散開催に反対の立場を示した。
IOCは今月8日、財政負担の軽減を目指し、冬季・夏季五輪を1カ国・複数都市、または複数国・複数都市で開催することを可能にするなどの内容を盛り込んだ「アジェンダ2020」をIOC総会で満場一致で承認。さらにIOCは平昌のスライディングセンター(ボブスレー、リュージュ、スケルトンの競技施設)建設に1200億ウォン(約129億円)以上という巨額の費用が掛かることを懸念し、分散開催が可能な海外の競技施設12カ所を来週にも平昌側に提示することを明らかにした。
趙委員長は「IOCが(そり種目の)分散開催候補都市など具体的な内容を提案してきたら、本格的に議論が始まるだろうが、現段階では招致時の原案通り平昌、江陵、旌善で全ての競技が開催されることを希望する」と述べた。趙委員長はまた「大会前のテストイベントが2016年2月から始まることを考えれば、準備時間が短すぎる。完璧な競技場の事後活用案と経費削減案を取りまとめ、IOCとの話し合いを通じて大会準備を揺るぎなく進めたい」との考えを示した。
IOCが平昌組織委にどのような提案をするかは未知数だ。このような中、江原道のチョ・ギュソク五輪推進本部長は11日、道議会で「IOCは韓国政府に対し、分散開催を受け入れるのなら1億ドル(約118億円)まで補償するとの意向を示したと聞いている」と述べた。スライディングセンターの敷地は現在、伐採作業がほとんど終わった状態で、建設を中止する場合は埋め戻しの費用と建設業者への違約金などが500億-600億ウォン(約54-64億円)ほど掛かる、と組織委関係者は推算している。
これについて文化体育観光部(省に相当)の関係者は「IOCが正式に工事中止に伴う費用負担について提案したことはなく、関連内容を伝えてきたこともない」と説明した。
だが、あるスポーツ界関係者は「IOCが工事中止に伴う費用負担を申し出るほど積極的な姿勢を見せるなら、平昌五輪側も現在の立場を頑なに守ることはできなくなる可能性もある」と指摘する。海外との分散開催は困難だとしても、IOCの改革の意思に歩調を合わせるために、江原道内あるいは韓国国内の他都市との分散開催の可能性を念頭に置くべきというわけだ。