米大リーグ進出を希望していた韓国プロ野球SKワイバーンズの左腕投手・金広鉉(金広鉉、26)が残留することになった。
金広鉉はポスティング(入札)を通じサンディエゴ・パドレスと交渉を行っていたが、結局、独占交渉期限の12日午前7時(韓国時間)までに契約に至らなかった。これのため、金広鉉の来年の海外進出は失敗に終わり、入札額を200万ドル(約2億3700万円)と書いたパドレスの独占交渉権も消えた。金広鉉があらためて海外進出するには、2015年のシーズン終了後、球団の同意の下で再び入札に掛けられるか、16年のシーズン終了後にフリーエージェント(FA)権を得るしかない。
11日の時点では、金広鉉のパドレス入団はほぼ確定的かと思われた。金広鉉は「(大リーグ挑戦で)金額は重要ではない」と話し、条件的に多少不十分ながらも米国の舞台に挑む意向があることを強く示唆した。渡米した金広鉉はパドレスと友好ムードで話し合ったとも報じられていた。
だが、パドレスのA・J・プレラー・ゼネラルマネージャー(GM)は交渉決裂後、現地メディア「U-Tサンディエゴ」紙にメールで「(金広鉉が要求した)契約総額に合わせられなかった」と伝えたとのことだ。
大きな問題ではないと言われていた金額がネックになったのは、今季までロサンゼルス・ドジャースでプレーしていた強打者マット・ケンプのパドレス入団と関係があるようだ。パドレスはトレードでケンプを獲得、今後5年間で7500万ドル(約90億円)という大金を支払わなければならなくなった。球団規模が小さいパドレスとしては、ほかの選手に対する投資を削減しなければならない状況になったというわけだ。
金広鉉が要求した金額がいくらなのかは分かっていない。しかし、地元メディアは「双方が妥協点を見いだせなかったのは、1シーズンの年俸より契約期間のため」と見ている。金広鉉は柳賢振(リュ・ヒョンジン)=ロサンゼルス・ドジャース、6年=のように長期契約を望んだのに対し、パドレスが2、3年という比較的短い期間を希望したため、契約総額に開きが出てしまったという見方だ。
契約条件の細かな点でも双方で意見の違いがあったとSKでは見ている。あるSK関係者は「金広鉉は大リーグのロースター(出場選手登録)入りを保証するよう強く希望した。しかし、パドレスは金広鉉の要求に応えず、マイナーリーグ契約を提示したため、最終的に交渉決裂につながった可能性が高い」と語った。
金広鉉は交渉が決裂したことをSKに伝えた際「パドレスとの契約で合意に至れなかったのは残念だ。入札手続きを許可してくれたSK、交渉に最善を尽くしてくれたパドレス、そしてエージェントに感謝したい。SKに戻ってベストを尽くしたい。もっと準備してから、機会があればまだ大リーグに挑戦したい」と語った。