「子どものレントゲン」ほとんど不要、北米放射線学会が報告
必要ではない放射線被ばくは避けるべき

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。

 子どもの「レントゲン検査」、胸部X線の多くが不要で、必要ないという報告が出てきた。

 日本では一般的に行われているだけに、ちょっと気になる報告だ。

 米ミネソタ州にある総合病院メイヨー・クリニックのアン・パッカード氏らの研究グループが、北米放射線学会議で2014年12月3日に報告している。

検査をしても治療に影響なし

 根拠として掲げているのは、検査をしたからといって治療にほぼ影響しないというものだった。

 研究グループは、2008年から2014年の間にメイヨー・クリニックで行われた入院、外来、救急に来た子ども、およそ700人に実施した胸部X線検査のデータを検証した。

 検査を受けた年齢は、新生児から17歳だった。

 約700人のうち1割強が先天性を含む心臓病などであるため除外。

 残りの600人強の約9割は、検査をしたからといって治療が変わることはなかった。

めまいや嘔吐などでは意味なし

 失神、発作、体位性低血圧、めまい、繰り返し嘔吐があるためにX線検査を受けた人でも、治療にとっての意味はなかった。

 胸の痛みがあるためにX線検査を受けた330人のうち、39人は肺炎、気管支炎、外傷などだった。撮影する意味があるとすれば、この部分かもしれない。

 「放射線被ばくと費用体効果を適正にすべき」と研究グループは語っている。

 日本ではばんばん検査をしている面もありそうで、見直すきっかけになるかもしれない。

 

文献情報

Packard A et al. Many chest X-rays in children are unnecessary. eurekalert 2014 Dec 3.

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/rson-mcx112414.php

 

Medエッジの関連記事】

わずか2缶で血圧上昇の衝撃  

ある飲み物に「若返り」の効果   

「ギャンブル依存」のめりこむには理由?   

せき喉の風邪の流行が過去10年で最高水準   

妊娠直前○○は、流産を3割増やす   

マンモグラフィー検診には廃止勧告も  

早期の初体験がもたらす影響とは?   

あの飲み物を飲むほど、糖尿病が減少

 

Facebook「Medエッジ」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント0 件のコメント

▼コメントを開く

Medエッジニュース

国内外の医療と健康のニュースをお届けします。

ウェブサイト:http://www.mededge.jp