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あーぁ…やっぱり寝ちゃったよ、こいつ。
濡れた髪が額に張り付いている。
俺はそっと手を伸ばしてその髪をすくった。
瞳を隠す長さの前髪。
赤みがかったダークブラウンの髪は手入れが行き届いていて全然傷んでいない。
ブリーチで傷んだ俺の髪とは手触りが全く違う。
前髪を横へ流すと無防備にあらわになった顔をしばらく眺めた。
ホントに綺麗な顔だな。
男の物にしては輪郭やなんかが緩やかなのかもしれない。
亮二や秀利も綺麗な顔をしているが、もっと線が硬いんだ。
あいつらの一種近寄り難い美しさに比べれば巧の美しさは穏やかで優しい。
そんな事を考えていた俺は無意識のうちに、巧の頬を撫でていた。
キメの細かい白い肌。
一瞬見惚れていたのかもしれない。
だから微妙に変わった空気の色に気付くのが遅れたんだろう……。
えっ?!
何?
巧の頬を撫でていた手を素早く取られて驚きに目を見開いた次の瞬間、もう片方の腕が下から伸びてきて俺の後頭部に回された。
力がこめられ引き寄せられた俺の唇は巧のそれを塞いで……。
なんで?
なんで俺はまた巧とキスしてるんだろう?
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