大韓航空機の離陸遅延騒動をめぐり、当時飛行機から降ろされた機内サービス責任者のパク・チャンジン氏が12日、KBSとのインタビューで、事件当日に趙顕娥(チョ・ヒョンア)前副社長から暴言を浴びせられたり暴行を受けたりしただけでなく、会社側からも事件をもみ消すためうその証言をするよう強要された、と主張した。パク氏はこの日、ソウル西部地検に参考人として出頭し、このような趣旨の証言をしたという。
パク氏はインタビューで、事件当日の今月5日、趙前副社長が女性客室乗務員を叱責しているのに対し、機内サービス責任者として許しを求めたが、趙前副社長は暴言を浴びせながらサービスマニュアルの入った箱の角で自分の手の甲を何度も突き、けがを負わせたと証言した。パク氏はさらに「趙前副社長が『今すぐ(管制に)連絡して飛行機を止めろ。私が飛行機の出発を止めてやる』と罵声を浴びせる状況の中、オーナー令嬢の言うことにあえて反論することはできなかった。私が受けた侮辱、人間的な辱めは、経験したことのない人には決して分からないだろう」と語った。
またKBSが報じたところによると、趙前副社長はパク氏と女性客室乗務員を土下座させ、体を突きながらコックピットの入り口まで押したという。
パク氏は別の飛行機に乗って韓国に帰国したが、今度は会社側に「検察や国土交通部(省に相当)の事情聴取を受けたときには、うその証言をするように」と強要されたという。
メディアの報道で事件が明るみに出るや、大韓航空の社員5-6人が毎日パク氏の自宅を訪れ「私自身がマニュアルを熟知していなかったため、趙前副社長が怒ったが、暴言を浴びせられた事実はなく、私の意思で飛行機を降りた」と証言するよう強要したとのことだ。パク氏の発言について、大韓航空側は「パク氏は現在病休を取っており、会社側とは全く連絡が付かない状態だ。暴言や暴行、うその証言の強要などが事実かどうかは現段階では確認できない」と説明した。