今回の審査対象者は5名。
鬼丸かおる 木内道祥 池上政幸 山本庸幸 山﨑敏充 (告示順)

有効投票の50%以上が×だった裁判官は罷免される。
現在任官中の最高裁裁判官のうち、不信任率のもっとも高いのは岡部喜代子8.56%(2012年)。
歴代最高の不信任率ですら下田武三15.17%(1972年)であり、
初の国民審査である1949年以降、過去22回の国民審査で罷免された裁判官は一人もいない。
現在は完全に形骸化している制度であり、再三にわたって改善の必要性が指摘されている。


「表現の自由」に関する裁判における各裁判官の姿勢は以下の通り。

 ・鬼丸かおる(2013年2月6日第二小法廷就任・史上5人目の女性最高裁判事・元弁護士)
「卒業式における教員への国歌斉唱や起立の強制は、個人の思想及び良心の自由についての間接的な制約となり得る面が存在することは否定できない」(H23.9.6第二小法廷)
「米軍基地のヘリパッド建設に対する物理的な妨害行為は表現の自由の範疇ではない」(H26.6.17沖縄高江ヘリパッド通行妨害禁止訴訟・上告棄却)

・木内道祥(2013年4月25日第三小法廷就任・元弁護士)
「モザイク修正の甘いAVの審査を通したのは違法」表現はその都度裁判官の認めた範囲内でのみ自由とする悪名高い「チャタレイ夫人」などの判例を踏襲して裁判官全員一致で上告棄却・本来自主規制であるはずのモザイク修正の基準について追求し検閲を容認(ビデ倫裁判・H26.10.7第三小法廷)
「わいせつ動画のDL配信は例えサーバーがアメリカにあったとしても、日本在住の管理者が日本のダウンロード者をしてクリックさせた、と看做して国内法に基づき違法」刑法における頒布の概念の拡大解釈(有料エロ配信サイト運営裁判・H26.11.25第三小法廷)

・池上政幸(2014年10月2日第一小法廷就任・元検察庁検事長)
特に実績なし。

・山本庸幸(2013年8月20日第二小法廷就任・元内閣法制局長)
特に実績なし。
安部政権の集団的自衛権の解釈見直しに対して消極的だったため内閣法制局長官を更迭。裁判官就任会見でも否定的意見を主張している護憲派。また、平成25年の参院選は票格差を理由に違憲であるとし、選挙無効を主張している。

・山﨑敏充(2014年4月1日第三小法廷就任・元東京高裁長官)
江東区にてテント暮らしの住人を行政が強制退去させた件に対する抗議運動中に区役所のガラスを割った被告(「ヘイトスピーチに反対する会」代表)に対する裁判で、被告の服装を理由に被告・傍聴人・弁護士含む70名を法廷から排除した上で異例の判決・原審維持(H25.11.19高裁・竪川弾圧裁判控訴審)
「モザイク修正の甘いAVの審査を通したのは違法」木内とともに裁判官全員一致で上告棄却・検閲の容認(ビデ倫裁判・H26.10.7第三小法廷)
「わいせつ動画のDL配信は例えサーバーがアメリカにあったとしても、日本在住の管理者が日本のダウンロード者をしてクリックさせた、と看做して国内法に基づき違法」木内らとともに上告棄却(有料エロ配信サイト運営裁判・H26.11.25第三小法廷)


木内・山はいずれも「H24.7.9児童ポルノURLアドレス転載事件(最高裁長官による反対意見あり)」「H26.10.7ビデ倫薄モザ審査摘発事件」「H26.11.25有料エロ動画サイト摘発事件」等にて現在のわいせつ関連法を推進した不信任率トップの岡部喜代子(H31退官予定)、大谷剛彦(H29退官予定)とともに第三小法廷にて表現規制裁判に関わっている。
刑法175条をはじめとする猥褻関連法は「猥褻」の有害性の根拠もなく、その基準も全て裁判官の主観に委ねられており、無制限の表現規制を可能にする被害者なき悪法。個人の自己決定権を尊重し、法と社会道徳を明確に区別すべき自由主義社会の前提に立っておらず、表現の自由を根幹とする民主主義の精神に反するばかりか、罪刑法定主義に反する不明確な基準により法的安定性を損なうと考えられる。
どの小法廷がどのような事件を担当するということは無いとされるが、ポルノ表現に関する事件は岡部女史を中心とする第三小法廷に不自然なまでに集中している。最高裁小法廷において裁判官の意見を変えられなければ、これらの法律は大法廷に回付されず、憲法判断が成されることはない。