【パリ=竹内康雄】国際エネルギー機関(IEA)は12日公表した12月の石油市場月報で、2015年の需要は前年から日量90万バレル増えると予測し、前月から23万バレル引き下げた。北米のシェールガスや石油輸出国機構(OPEC)の高水準の生産が続く一方、中国や欧州の景気減速で需給が緩む状態が続くと分析した。
IEAは足元の原油安で投資を手控える企業が出始めているなか、「供給には影響はあるが、今すぐに減ることはない」として、当面は高水準の生産が続くとの見通しを示した。北米のシェールガスの生産も短期的には変わらないという。14年の北米を含む非OPEC諸国の生産の伸びは過去最高になる見込み。
OPECは11月下旬の総会で減産を見送り、生産目標を据え置いた。OPECの11月の生産は3032万バレルと前月から31万5000バレル減。だが依然としてOPECの生産目標である3000万バレルを上回っている。減産を見送ったのはOPEC最大の生産国サウジアラビアの意向が強かったとされる。IEAはシェールガスなど競合が存在感を増すなか、「サウジが市場のシェアの維持を狙っているとみる専門家は多い」と指摘した。
需要面では、中国や欧州の景気減速で消費が落ち込んでいることに加え、ウクライナ問題で西側諸国から制裁を受けているロシアの消費が大幅に減る見通しだ。IEAは「原油安は時には『減税』のように表現されるが、今回は需要刺激の効果は大きくない」と主張、「弱い需要そのものが原油安の要因になっている」と訴えた。
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