国民審査4日間できず 不便な期日前投票
期日前投票所に貼られた国民審査に関するお知らせ=6日、岐阜市役所で |
十四日投開票の衆院選で、六日までに期日前投票に訪れた有権者が、最高裁裁判官の国民審査ができず、一部の期日前投票所で混乱を招いた。法律により、国民審査は投開票日の一週間前にあたる七日からしかできないためだ。
公選法によると、衆院選の期日前投票ができるのは、公示の翌日から投開票の前日までの十一日間。一方、最高裁判所裁判官国民審査法によると、衆院選と併せて行われる国民審査は、期日前のうち、公示の翌日から四日間は行えない。
岐阜市役所の期日前投票所では六日、職員が「国民審査は明日以降に」との説明に追われた。仕事の合間に訪れた同市溝口中の電気工事業村井求さん(66)は「今日しか時間はないし、国民審査は今回は棄権するしかない。本当に不便だ」と納得できない様子だった。
市選管は、こうした事態に対応するため、衆院解散後の十一月末に職員向けの研修を実施。この四日間は期日前投票に訪れた一人一人に事情を説明したが、有権者からは「国民審査ができないなんて聞いていない」と苦情もあったという。
◆早急に法律見直しを
<岐阜市立女子短大・竹森正孝学長(政治学)の話> 立法の不備と言わざるを得ない。期日前投票は便利な制度で、前回の衆院選では投票者全体の二割近くが利用している。国民審査の形骸化が著しいのは事実だが、有権者が不便を強いられているのは問題。早急に法律を見直すべきだ。